Image courtesy of The DAVE School

DAVE School は現実世界のバーチャルプロダクション向けにVFX アーティストを育成

Melissa Robinson |
2020年7月27日
教育を通して学生が選択した業界でキャリアを積めるように準備させることが理想的です。しかし、ビジュアル エフェクトのような分野では、納期が厳しく、高い品質が求められ、技術は常に変化しているため、卒業した学生は業界が求めるニーズに応える準備ができていない可能性があります。

このギャップを埋めるため、2000年に The DAVE (Digital Animation and Visual Effects) School が設立されました。フロリダのユニバーサルスタジオのバックロットにあるこの学校は、受賞歴のある教授陣と、スタジオ環境でのエンド ツー エンドのバーチャル プロダクション技術を含む最先端のトレーニングプログラムを誇っています。卒業生は、 Walt Disney Imagineering や Digital Domain、 ILM、 Marvel、Activision、Blizzard などの主要なビジュアル エフェクト企業に就職しています。
「私たちは、映画製作とゲームの未来がどのようなものになるのかを常に考えています」と、DAVE School のリアルタイム技術とパイプラインのインストラクターである Jason Embury 氏は述べています。「その未来はリアルタイムであり、私たちは、学生たちがこのようなタイプのプロジェクトに携わる時が来た時に、最先端でいられるように取り組んでいます。」

同校では、現在ビジュアル エフェクトとゲーム開発の2つのコースがあり、それぞれのコースにおいて、学習ツールと基礎的なスキルセットの両方で Unreal Engine を多用しています。

この 2 つのコースは最近、同校の学生と教員がバーチャルプロダクション技術と Unreal Engine を使用して開発した短編映画 「Deception」を共同で制作しました。この演習のポイントは、完成した作品ではなく、実際の制作と同じ時間的制約のもと、スタジオ環境で共同作業やイタレーション、問題解決を行うことで、学生が実際の業界から得られるような経験を積むことにあります。
 

「『Deception』の背後にあるアイデアは、学校が完全に所有するIP(intellectual property:知的財産)を作成し、それを学生の作品に使用するための有機的なストーリーテリング ツールにすることでした」と Embury 氏は述べています。「私たちの主な目標の1つは、実写映画制作のパイプラインを再現することで、それによって、学生が現代映画のコンテンツを開発する方法を実際に学ぶことができました。」
 

Deception: 分野横断的なプロジェクト

学校は2019年後半にバーチャル プロダクション パイプラインのテストを開始し、すでにある設備と知識で短編映画を制作できることに気が付きました。

12月までに、8週間の映画制作スケジュールを計画しました。2020年1月に授業が始まったときには、脚本は完成し、役者が揃い、全校生徒を含む制作クルーは50人以上にまで成長していました。「異なるコース間のコラボレーションは驚異的でした 」と Embury 氏は述べています。「最終学期のクラスは、発生したパイプラインの問題の多くを解決するために順応し、率先して取り組むという素晴らしい仕事をしました。」
チームは毎日学生たちと一緒に映像を確認し、毎週学校の劇場で上映会を行い、進行中の作品が大きなスクリーンでどのように見えるかを全員に見せました。

「8 週間という時間枠の中で制作しようとしていた膨大な量の仕事は、プロジェクトの 90% のレンダリング エンジンとして Unreal Engine を活用しなければ実現できませんでした」と Embury 氏は述べています。「レンダリングのイタレーションとコンポジットの更新を毎日、時には 1 日に何度も行うことができました。8 週間で 8 分以上のフッテージを作成し、その間に 10 万フレーム近くをレンダリングしました。」

「映画のビジュアル エフェクトのパイプラインでは、90fpsを出す必要はありません」と、DAVE School のアカデミックディレクターである Jon Gress氏は言います。「1フレームあたり15分でレンダリングすることに慣れているアーティストにとっては、わずか1fpsを達成できるだけでも夢のようなことです。」

この成功の後、学校は15台の新しいヘッドセットを導入してVRへの投資を強化し、すべてのクラスがより広範囲に参加できるようにしました。
 

スタジオ環境での学習

DAVE School の成功の鍵となるプログラムは、スタジオ環境を模して設計されていることです。教室はゲーム/VFXスタジオのようにレイアウトされており、講師は業界のベテランであり、カリキュラムはスタジオのパイプライン、業界の期待、スタジオでの実践に基づいています。

Visual Effects Society のメンバーである経験豊富な教授陣に加えて、DAVE Schoolでは、Pixar、Digital Domain、The Mill、Pixomondo、Dreamworks、Stargate Studios、Epic Games など様々な企業からゲストスピーカーを頻繁に招いています。

VFX トラックは、合成、グリーンスクリーンの抽出と統合、モーショントラッキング、マッチムービング、マットペインティング、シミュレーションなどのコアスキルに重点を置いています。同校は Unreal Engine を VFX カリキュラムに導入し、プリビズ、リアルタイム レンダリング、バーチャルプロダクションを行いました。
Gress氏によると、彼らが行うすべての作業に共通しているのは、学生が卒業した瞬間から業界での仕事に就けるように準備していることです。例えば、授業は月曜から金曜まで1日6時間、通年で行われ、学生は学習、制作、プロジェクトに取り組んでいます。「私たちが再現しているものはすべて 、プリプロダクションやデイリーズ、クランチタイムや締め切りまで、学生が卒業後のキャリアにおいて遭遇するものです」と彼は説明します。

実際、卒業した学生は、職場での初日は学校での一日と同じようなものだったと言うことがよくあります。その結果、彼らはすぐに適応して貢献することができ、採用後すぐに昇進につながることもよくあります。Gress氏は、このペースで生徒が成功するための準備を整えた DAVE School のスタジオ環境を評価しています。
 

VFXカリキュラムへの Unreal Engine の統合

2010 年、業界の方向性を見ていた DAVE School の教員たちは、Unreal Engine を使用したリアルタイム パイプラインのトレーニングを開始し、最終的には Unreal Engine 4 をカリキュラムに組み込むことになりました。

2010年、Gress 氏は Epic の Unreal Developer Kit (UDK) を使用して実験を行っていた際に、リアルタイム レンダリングの可能性を認識しました。このことがきっかけとなり、プロダクションやプリビズ向けに UDK 3 を教える実験的なパイロット プログラムが開始されました
「映画のビジュアルエフェクトや3Dアニメーションの世界では、レンダリング時間は最もコストのかかる要素の1つです。私たちは、2012年からリアルタイムのバーチャル プロダクションに取り組んでおり、プリビズ、グリーンスクリーン、モーションキャプチャ、モーションコントロールの統合から始めました。」

現在では、ゲーム制作コースは完全に Unreal Engine に移行し、VFX コースでは、真のバーチャル プロダクション教育の一環として、コア コースで Unreal Engine を学習しています。

Embury 氏は次のように述べています。「私たちは、学校で最初に行われるモデリングの基礎クラスに Unreal Engine を取り入れ、新入生全員にモデルをエンジンに取り込み、初歩的なレイアウトを行う方法を教えています。その後、学生たちはキャラクターアニメーションをインポートし、スケルトンメッシュにセットアップする方法を学びます。Look Dev のクラスでは、Unreal Engine のライティングとマテリアルも活用しており、学生たちは自分の選択に対して即座にフィードバックを得ることができます。」

「Unreal の優れた点の 1 つは、学生が 3D 制作のあらゆる側面を迅速に探求できることです」と Embury 氏は述べています。「モデラーやレイアウト、照明アーティスト、アニメーター、テクニカル アーティストなど、学生たちが将来何になりたいかに関わらず、Unreal を使用することで、学生はクリエイティブな筋肉を鍛えることができます。学生たちは、より多くのことを探求することができ、失敗を気にすることも少なくなります。」

Embury 氏は、Unreal Engine を VFX のカリキュラムに統合したことで、学生の初期のコースでは、ゲーム開発と VFX のコースの間にある程度の合致が見られるようになったと付け加えています。例えば、Unreal Engineでは、モデルのインポート、アニメーションのインポート、ルック作成のプロセスは、どちらの業界でもほとんど同じであり、分野を超えた教育がしっかりと行われています。

「撮影現場でのリアルタイム技術の出現により、誰もが再び映画制作プロセスのより重要な一部になりつつあります」と Embury 氏は述べています。

Unreal Engine と未来

Embury 氏は、同校がリアルタイム プラットフォームとして Unreal Engine を選択した理由として、その強力な機能セットと豊かなビジュアルを挙げています。Embury 氏が最も気に入っている機能は、PBR (物理ベースのレンダリング) マテリアル システムと Unreal Engine のライティング ツールです。「ライティングを正確に描写し、それが現実世界とどのように相互作用するかは、リアルタイムでダイナミックなゲームや VFX コンテンツを作成するための鍵となります」と述べています。「現場で、またはグループ プロジェクトで作業しながら、簡単に変更やイタレーションできることは素晴らしいことです」と述べています。

Gress 氏は、多様なプロジェクトに対応できる Unreal Engine の柔軟性を高く評価しています。「映画やビジュアル エフェクトのプリビズや制作から、建築物のビジュアライゼーション、VR や没入型の体験まで、あらゆる分野への拡張性に優れている点が気に入っています」と述べています。

Gress氏は、リアルタイム技術は、学校がプログラムのリモートソリューションを発展させ、リモート プロダクションの可能性を探るのに役立っていると付け加えています。

「現在、多くのスタジオが、これまでとは全く異なる条件下で再び制作をスケールアップする方法を模索していますが、リモートワークは、学生が今後さらに理解を深める必要があるでしょう。私たちは、リモートワークを含む様々なパイプラインに適応するためのツールを生徒たちに提供したいと考えています。」

Embury 氏は、カリキュラムの一部としてリアルタイム学習プロセスやバーチャルプロダクション技術を提供することで、より多くの学校が恩恵を受けることができると考えています。「リアルタイム技術を最大限に活用できるようなコンセプトから始めて、その次に飛躍します」と彼は言います。「最良の学習方法は、実際にプロセスを経験することです。他のプロダクションと同様に、課題はたくさんありますが、重要なのは、リアルタイムで問題を解決するためにどのように適応し、対応するかを学生に示すことができることです。」

「イタレーションができればできるほど、より良いものになります」と彼は続けます。「リアルタイム技術は、3Dアーティストが学校を出てきたときには実行可能な選択肢として考えられなかったような、多くの産業への扉を開いています。」

Gress氏も同意見です。「リアルタイムはゲームチェンジャーです。それは学生の学習方法を変えるだけでなく、将来のキャリアに備えるために何を学ぶかを変えています。」

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