Image courtesy of Robert Hall Photography

教育機関と企業が協力して Augmented Reality Center (拡張現実センター) を設立

変化と共にチャンスがやってきます。第 4 次産業革命によって、各業界は変革しており、製造やエンジニアリングなどの重工業は特にそうです。

ロボティクスから AI やリアルタイムまで、最新技術が従来型のワークフローを逆転させ、工場というものの概念を変え、これまでになかった新しいタイプの仕事が大量に生まれています。

多くの意味で、これらの業界は未知の領域にあります。この新しい情景を探求するプロセスには、教育機関と企業が共に取りかからなければなりません。

ですから、一緒にやりましょう。それが、ミシガン州のオークランド大学の Augmented Reality Center (ARC) という新しいイニシアチブの背後にある精神です。
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オークランド大学、College for Creative Studies (CCS)、地域の業界の企業連合の協力によって、ARC は学生を最新の拡張現実 (AR) 技術に案内します。

目的は、教授陣や業界の専門家と共に作業して、製造のさまざまな側面にリアルタイム技術を適用するというユニークな機会を、新しい世代に提供することです。

学生はインダストリー 4.0 で必要となる新しいスキルを学び、地域の企業は将来必要となる、増加する優秀な人材のプールを養成することに関与できます。ウィンウィンです。

「教育と産業のコラボレーションです」と、CCS のエンターテインメント アートの助教、Chase Holton 氏は言います。「AR/VR を毎日仕事で使うプロと、この絶え間なく進化する業界を担う準備のある学生を組み合わせることで、彼らの将来を確固たるものにし、これまで活用できなかった機会を与えるための、完璧な下地ができます」

では、ARC では何が行われているのでしょう。
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Augmented Reality Center (ARC)

ARC はクリエイティブでイマーシブな環境です。学生と教授陣、産業が、協力し関与し、幅広い産業のセクタにわたってイマーシブな技術の応用を探求することができます。

このセンターは 3 つの核となるイニシアチブを中心としています。

イマーシブなラボは、業界に対して最新のハードウェアとデモのための活躍の場を提供します。触覚グローブやあらゆる種類のヘッドセット、プロジェクションタイプのイマーシブ技術—それでいて、産業環境での実際的で日常的な応用をデモンストレーションする意図に結び付けられているものを考えてみてください。
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ラボに見られるプロジェクトは、GM などの自動車メーカーとの協力によるイマーシブなバーチャル ショールームから、ABB Robotics でのトレーニングと組み立てのプロセスを向上させる目的の実世界の工場のシミュレーションまで、あらゆるものがあります。

ARC のその他の重要な目的は、現場で必要な教育プログラムを作成することと、業界のパートナーをこの分野のプロジェクトで支援して、これらの技術を実際に事業に使用できるようにすることです。

「重要なのはコラボレーションです」と、ARC の創設者、Khalid Mirza 博士は言います。「このようなすべての企業間のコラボレーションを奨励し、問題を解決して、持ち帰って彼ら自身で使用できるようにしています」

学生にとっての機会

AR 技術は、企業にとってより費用対効果が大きく効率的なソリューションを生み出すことで、将来の製造において重要な役割を果たします。

ARC が門戸を開き続けることで、地域の学生にとっての機会は大幅に拡大しました。ARC の教育プログラム参加者は、ユニークで需要の高いスキルセットだけではなく、他の学生よりも強い競争力を身につけて卒業します。そのため、卒業後はこの急速に成長する分野で成功するキャリアの準備ができています。

「卒業生にこの知識を備えさせることで、デジタル メディアと物理的メディアが収束するこの時代が続く中で、彼らはさらに力強くなります」と Holton 氏が説明します。

しかしこれは企業とのパートナーシップなので、ARC は教育界でスキルを学ぶだけではありません。取り組んでいるプロジェクトは、産業界のパートナーからセンターに持ち込まれた実際のプロジェクトであることが多いのです。

Mizra 博士は、この実際的な実世界の応用は、ARC をユニークにしている要因の 1 つで、学生にインターンとしての足がかりを与えるものだと述べます。「大学と産業との間にリソースのスムーズな流れがあるような、オープンな関係を構築しようとしています」と同氏は言います。

ARC は教育と産業との橋渡しをすると共に、さまざまな学科の学生が、未来の課題を解決するために協力できるスペースも提供します。
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「早い段階での重要な決定の 1 つは、イマーシブ技術について話しているときに、それは単なるエンジニアリングではないと認識することでした」と Mizra 博士は述べます。「それは概念の半分に過ぎません。ハードウェアと、アプリケーション ソフトウェアをどのように構築するかです。もう片方は、それをユーザーにどのように提示するかです」

Holton 氏は、自分の安全地帯から出ることを学生に推奨することが、創造性の爆発やアイデアの相互交流につながることを、じかに見てきました。「どんな種類のインタラクティブ体験を開発する場合でも、技術者とクリエイターとの間にはかなり大きな知識のギャップがあります」と同氏は言います。

「ストーリーテリングの芸術性と性質を学ぶことは CCS では必須ですが、これはオークランド大学のエンジニアリングの学生にとって最重要項目ではないかもしれません。その逆も同じです」と氏は指摘します。

「教育機関と産業とのこのようなコラボレーションがあれば、互いに歩み寄って、これらの体験を可能にするだけではなく、知性の両側を活用して何か特別なものを生み出す方法の複雑さも、学生に教えることができます」と同氏は説明します。 

並行して学問を学ぶ学生たちと一緒に仕事をすることで得られる経験は、学生をうらやましい立場に置きます。
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「これをやっている大学が他にいくつあるか知りませんが、台頭するトレンドや技術に注目すると、これらの学科はどちらも同じぐらい重要です。そして、概念の反対側を認識している学生は、業界で必要とされる優れた人材になります」と、Mizra 博士は言います。

工学およびコンピューター科学部長の Louay Chamra 博士は、この点に同意しています。「STEM と産業設計が別の分野であると見なされることは多いですが、これらのテーマを相乗的に一緒にすることで、効率を向上させ周囲の業界を前進させる強力な機会を生み出しているのです」と同氏は言います。

産業と教育のパートナー連合 

ARC は、教育界と産業界の両方の共同設立者の間に存在する協力の精神によって実現しました。

そのような共同設立者には、ABB Inc.、AM General、Continental、General Motors、Hirotec America、KUKA Robotics、Magna International、MAHLE Industries、Rave Computer、Siemens、US Military Ground Vehicle Systems、それに Epic Games などがあります。

Epic は、Unreal Engine で優れた制作を行っていたり、3D グラフィックス コミュニティ向けにオープンソース機能を強化していたりする、幅広い業界からのクリエイターをサポートするために設計されたイニシアチブの、Epic MegaGrants プログラムを通して支援しています。
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「Epic MegaGrants は、雪だるまが現在 ARC にいる産業の優秀な人材のチームに成長するのを助けてくれた、最初の降雪だったのです」と Holton 氏が言います。

さまざまな分野からのパートナーによる、この刺激的なコラボレーションは、インダストリー 4.0 に向けて進歩し、その恩恵を共に手に入れる方法の青写真を提供してくれます。

どちらの機関も通常アクセスできないようなプロジェクトを取り込むのには、パートナーが必須で、これによりこれらの業界で何が起きているのかに光が当たります。

それによって、学生、つまり将来の従業員候補が、卒業したときに自分のスキルセットをどのように使えるのかを正確に学んで確認するための駆動力が生まれます。「ARC が成長し続ける中で、学生には ARC とパートナーを介したインターンシップのチャンスが増え、さらに多くのデモやプロジェクトを開発できることを願っています」と Holton 氏は言います。

Mizra 博士にとっては、これまでの ARC の道程で際だった学びがあるとしたら、それは「私たちが学んだ最大のものは、このコラボレーション、つまり当大学と College for Creative Studies と産業のコラボレーションのメリットは、私たちが一緒になることだということです」と氏は言います。

「一緒にアイデアをブレインストーミングして、ソリューションを考え、驚異的です」

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