Image courtesy of Gary James McQueen

Gary James McQueen 初のデジタル ファッションショーの舞台裏

2021年6月8日
塔の上に立つ神のような人影は、目を輝かせ、両腕を広げ、金色を纏っています。耳に残るエレクトロニカの曲が始まると、入り口から他の人物が現れます。顔は無表情、体はクロームに覆われています。太陽が昇ると彼は通路へ出て行き、期待の高まりとともに立ち止まります。

Gary James McQueen 初のデジタルファッションショーが始まりました。
Image courtesy of Gary James McQueen
4月25日にリリースされた Guiding Light は、ファッション業界が、持続可能性とデジタル ファッションの新たなトレンドを認識していることを示すひとつの先例と言えるでしょう。デジタルファッションについては、ゲーム用途だけでも2022年までに500億ドルの市場に成長すると予想されており、その初期段階で探求したい経験豊かなデザイナーには無数のチャンスが開かれています。

しかし、Gary James McQueen 氏のようなクリエーターにとって、デジタルファッションとシネマティック 3D の融合は、ビジネスチャンス以上のものをもたらします。それは、制約のないクリエイティブなサンドボックスです。20着のデジタル衣装で構成された Guiding Light のようなコレクションは、自分の写真にハイファッションを適用したい人がすぐに購入することができるゾーンです。あるいは、メタバース内のアバターにユニークなルックを追加することもできます。この映像は、まさにその第一弾となります。
 

「現実には存在しないような生地や、現実のファッションでは実現できないようなことなど、デジタル化することで、さらに可能性が広がります」と Gary James McQueen 氏は述べています。「自分の想像に合わせたデジタル空間を制作することは、はるかに便利で簡単なことです」
Image courtesy of Gary James McQueen
そして、それは本当です。10分ほどの時間で、Gary James McQueen 氏とMoyosa Media は、いかにデジタルファッションとシネマティック3Dの融合が現実のイベントと同じくらい人を惹きつけられるかを簡単に示しています。しかしこの映像をほんの一瞬でも見てみれば、このショーが従来のものとどのように違っているかわかるはずです。固定された視点がありません。気を散らすものもありません。カメラの動きから 3D 環境まで、すべてがデザイナーの思いつくままに調整され、デザイナーのビジョンを最大限に実現した体験を生み出しています。

「リアルタイムレンダリングでは、アニメーションを制作した後にカメラをセットアップすることができます。そのやり方おいてさらに創造性の自由度が得られます」と Gary James McQueen 氏は述べています。

Epic MegaGrant の受賞者である Gary James McQueen 氏と Moyosa が Unreal Engine に見出したその自由さが、広大な砂漠と神秘的な太陽の女神から、ショーに、“どこかに迷い込んでしまった”ような雰囲気をもたらす人里離れたバビロニアの建造物まで、Gary James McQueen 氏が頭の中で思い描いていた没入感のあるストーリーテリングのアイデアや、感情を揺さぶるようなショットの橋渡しとなりました。
Image courtesy of Gary James McQueen
このようなシネマティックなキュレーションの感覚は、モデルの追い方 (俯瞰、横、背後) から衣服の表現まで、プロジェクトのあらゆるレベルに及んでいます。従来のショーでは、フォトグラファーやカメラの配置による制約のため、視聴者には中距離でのルックしか提供できませんでしたが、『Guiding Light』の Unreal Engine カメラは、Moyosa と Gary James McQueen 氏がどこでも望む場所に設置することができるため、生地を戦略的にクローズアップすることができ、サーペンタインのボディスーツやブラッドラインズ コートなどを非常に際立たせることができます。
Image courtesy of Gary James McQueen

高級シネマティクスの制作

コンセプトから映像に至るまでのプロセスは、ファッションデザイナーにとっては馴染み深くもあり、また新しくもあります。衣服の観点から言えば、そのプロセスは、実際の衣服やシルエットを作成するために使用される Marvelous Designer から始まります。Marvelous Designerは、実際のデザインのように、実際の布地を縫ったり切ったりする手順を再現します(非常に簡単な形式に限定されます)。

そのプロセスがが完了したら、 Substance Painter を使ってマテリアルやテクスチャを追加し、あたかも実物のようなディテールを作り上げることができます。当然のことながら、服の見た目をあるべきものにするには、多くの努力が必要です。シルクに違和感があったり、思い通りに動かなかったりすると、イリュージョンが崩れてしまいます。幸いなことに、3Dアプリケーションは何年も前からこの瞬間のために備えてきたため、デザイナーがフォトリアルな正確さを追求する際に明確な道筋を示すことができます。

次に、衣服は Unreal Engine に取り込まれ、Moyosa の 3D 環境の中でどのように見えるか評価されます。ここでは、映画のようなルックを開発するためだけでなく、衣服の色が正確であることを確認するために、ライティングがその能力を発揮します。
この間、ショーのモデルは Gary James McQueen 氏自身によって作成されます。現在のところ、これには ZBrushが 使用されていますが、近いうちにデザイナーは MetaHuman Creator のようなもっと即時性のあるものを選ぶでしょう。その後、Moyosaがモーションキャプチャで追加した素晴らしいウォーキングを組み込みます。

「モーションキャプチャのキャスティングでは、適切なモデルを用意することが非常に重要です。ファッションよりも個性を重視します。そのキャラクターに命を吹き込むために、正しい個性をアバターに反映させようとしているのです」
Image courtesy of Gary James McQueen

リソースの節約、コストの削減

『Guiding Light』はすべて3Dで制作されているため、Gary James McQueen 氏は、時間のかかるファッション業界の常識にとらわれることなく、自分のビジョンをまっすぐに進めることができました。

「純粋にデジタルで 3D の衣服を作成することは、生産コストの面でも多くのメリットがあります。デザイン開発においては、パターンやテキスタイルを簡単に交換することができます。一方、物理的なファッションでは、すべてのプロセスを経なければなりません。これには多くの無駄が生じますし、時間もかかります。そのため、この方法でスピードアップすることができます」

Gary James McQueen 氏も、デジタルモデルを作成することで、実際のフィッティングモデルが必要なくなり、そのための費用やスケジュール管理も不要になりました。Gary James McQueen 氏は、服をデザインし、デジタルアバターに直接フィッティングすることで、クリエイティブな決断を下すために必要なすべての情報を得ることができました。
Image courtesy of Gary James McQueen
しかし、完全デジタル化による最も重要なメリットは、環境への影響でしょう。業界全体で持続可能性を求める声が高まっている中、Gary James McQueen 氏のショーは際立った方法を提示しています。デジタルで服をデザインし、発表し、販売する。物理的な素材も、物理的な空間もなく、想像力を画面に表現するだけです。

歴史的に見て、ファッションデザイナーは何十万ドルもの費用をかけて、数日で上下するセットを制作してきました。デジタルショーでは、そのようなことは一切不要であり、デザイナーが必要とする様式的な創造性を、1回限りの使用に伴うネガティブさを伴うことなく得ることができます。これは実用的で強力な方法であり、デジタルファッションの人気が高まり続ければ、それが当たり前のことになるかもしれません。
Image courtesy of Gary James McQueen
Moyosa Media の UK ビジネスリーダーである Ilana Magar 氏は、「将来的には、ファッションショーのあり方に対する人々の認識が変わると思います。多くの人たちが、ファッションショーに参加したり、それを見るために飛行機に乗ったり、世界中を旅したりする必要がないことを知るだけでも、大きな変化をもたらすでしょう」と述べています。

『Guiding Light』コレクションは、DressXで購入できるほか、Unreal Engineでインタラクティブに構築されたリアルタイムのバーチャルショールームで見ることができます。このショーは、www.garyjamesmcqueen.comでも公開されており、これは、メンタルヘルスの問題を抱えるイギリス市民を支援する慈善団体 Mind を支援しています。これは、2010年に叔父の Alexander McQueen 氏を亡くした Gary James McQueen 氏にとっても身近な問題です。

このチャリティに関する詳細はこちらをご覧ください: https://www.mind.org.uk/
Image courtesy of Gary James McQueen

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