Pose Driver Connect を使ってよりリアルなアニメーションを短時間で作成

2023年12月6日
高忠実度の 3D キャラクターを作成する際は、アニメーションをよりリアルに表現するためのあらゆる手法を採り入れることが重要です。そうした手法の一つに、メインのアニメーションに反応し、それを引き立てるセカンダリ アニメーションを加える方法があります。

キャラクターに関連するセカンダリ アニメーションの設定例として、アニメーターが直接制御しなくてもジョイントが他のジョイントに反応して自然に動くようにする設定があります。この場合、キャラクターの腕を上下や前後に振ることでキャラクターの鎖骨を回転させた際に、実際の体の動きと同じように、肩甲骨とその周辺にある各ジョイントも動きます。その結果、より細かく制御されたリアルなアニメーションを実現できます。また、最初の設定後は、こうした高品質なアニメーションを追加の作業なしで作成できます。
本日、Epic Games では新たな Pose Driver Connect ツールセットの公開を開始いたしました。このツールセットでは、こうしたセカンダリ アニメーションを Autodesk Maya で作成して Unreal Engine にインポートし、一対一でマッチするアニメーションとして再作成することが可能になり、最初から作成する手間を削減することができます。これによって、作業時間の大幅な短縮が可能になります。
 
現在、実験段階にあり、フィードバックを受け付けているこのツールセットは、放射基底関数 (略してRBF) を使用しており、Maya 用の Pose Wrangler プラグインと、Unreal Engine 用の Pose Driver Connect プラグインで構成されています。

Maya の Set Driven Key (ドリブン キーの設定) 機能をご利用になったことがあれば、Pose Wrangler の使用に関する基礎概念についてご存じの方も多いでしょう。端的に言えば、アニメーションを作成する際にジョイントを一方向に回転させると、周辺のジョイントも動いてリアルな変形が表現され、その時点でのポーズを作成できます。また、動きの元になる上記のジョイントを逆方向に回転させると、影響を受ける各ジョイントが再び変形するので、別のポーズを設定できます。その後、他の回転軸でもこのステップを繰り返します。
セカンダリ アニメーションなし (左) とセカンダリ アニメーションあり (右)
Pose Wrangler は、これらのジョイントのセットのそれぞれに対してソルバを作成します。ソルバは、ユーザーが設定できるいくつかのオプションに基づいて、ポーズがどのように補間されるかを定義します。このソルバはポーズとともに JSON ファイルでエクスポートすることができ、ポーズは FBX クリップとなります。重要な点として、これらのポーズをデフォルト ポーズからのデルタとしてエクスポートするオプションも利用できます。この方法では、その設定を類似するキャラクターにリターゲットできるため、さらに時間を節約できます。

Pose Driver Connect プラグインがインストールされた Unreal Engine では、このソルバとポーズをインポートし、まったく同じ演算を使ってアニメーション ブループリントでセカンダリ アニメーションを再作成できます。結果として、ゲームやアニメーションなどのリアルタイム コンテンツに向けた高忠実度のキャラクターをより短時間で作成できます。

これらのステップや設定の詳しい説明については、下記のリンクからチュートリアルをご覧ください。
 
Pose Driver Connect は MetaHuman や他のスケルタル セットアップで機能しますが、その用途はキャラクター アニメーションに限定されるわけではありません。本質的には、あらゆるオブジェクトのトランスフォーム (平行移動、回転、スケール) を、別のオブジェクトの回転に基づいて駆動することができます。さらに、その機能はブループリント ビジュアル スクリプティングと Python の両方で公開されるため、パイプラインで機能するオートメーションをプロセスに組み込むことができます。

Pose Driver Connect についてご興味をお持ちいただければ幸いです。ご質問があれば、Epic Developer Community のこちらからお問い合わせください。
 

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