画像提供:Aaron Sims Creative

THE EYE:CALANTHEK が追及する Unreal Engine 5 早期アクセスによるリアルタイムな映画製作

2021年11月4日
Unreal Engine 5 早期アクセスMetaHuman Creator 、そして小さなアーティストのチームによってたった 6 週間で制作された THE EYE:CALANTHEK は、 Aaron Sims Creative (ASC) による謎に満ちた短編サスペンス映画です。これはフォートナイトおよびハロウィーンをテーマにした Fortnitemares イベント用にキュレーションされたバーチャル短編映画祭の Shortnitemares で 10月28日に公開されました。

映画は銀河系間保守作業員の Valentina (彼女は女性として初めて宇宙に行った Valentina Tereshkova から名付けられました) の物語です。彼女は遠く離れた惑星にあるドローンの修理に呼び出され、そこで敵対的な地球外生命体や、星から離れようとしても離れられない奇妙な力に遭遇します。
プロジェクトの一環として、Aaron Sims Creative は古代ギリシャ語で「イカ」を意味する「Teuthisan」と名付けた宇宙人を作成し、ダウンロードして Unreal Engine 5 早期アクセスで使用できるように無料公開しています。
Image courtesy of Aaron Sims Creative

実写からフル CG への方向転換

映画は当初、バーチャル制作技術を使用した LED ステージでの実写作品となる予定でしたが、クリエイターは不測の事態により、フル CG 制作に転換せざるを得なくなりました。この転換はすでに厳しい状況にあったスケジュールを圧迫したため、チームは進め方について慎重に選択する必要がありました。

余裕のないスケジュールは、まったく新しいアセットである地球外生命体を作成する時間に限りがあることを意味していましたが、実写プロジェクト用にすでに作成済みのものがあったため、それを新しいプロットに組み込むことになりました。

映画の監督である Aaron Sims 氏は、有名なクリーチャーデザイナーであり、ASC の設立者でもあります。彼が Valentina の声も担当している作家の Vivian Yoon 氏と協力し、このような制約下で達成できるものにコンセプトを発展させました。Vivian 氏が参加する頃までには、TurboSquid のアセットと Unreal Engine に組み込まれている Quixel Megascans を使用して宇宙船と環境がすでに確立されていました。Unreal Engine 5 では Quixel Bridge が Unreal Editor に組み込まれているため、Megascans を直接プロジェクトにドラッグアンドドロップすることができます。
Image courtesy of Aaron Sims Creative
「物語のアイディアはすべて、これらのアセットを使用し、それを取り巻く物語を作成することが基本となっています」と Vivian 氏は語ります。「Aaron と私は、自分たちを追い込むことで対策を練らなければならなくなり、その結果、新しい創造的なアイディアがひらめいたことは素晴らしい出来事だったと話しています。私たちは『どうしたらインパクトのある結末になるか?』ということから開始し、それが決まってからスクリプトを作り直して物語をまとめました」

映画の主演女優を MetaHuman Creator で作成する

しかし、キャラクターの 1 人である Valentina は当初、本物の俳優を起用する予定だったため、まだ作成されていませんでした。つい最近まで、まるで本物のようなデジタル ヒューマンを作成するには数週間、あるいは数か月かかっていましたが、Aaron 氏をはじめとするチームは、誰でも 1 時間ほどでデジタル ヒューマンを作成することができる MetaHuman Creator を使用することができました。

「このテクノロジーがなければ、今回のプロジェクトで人間のキャラクターを用意することはできなかったかもしれません。おかげでいとも簡単に彼女に生命を吹き込むことができました」と Aaron 氏は語ります。「MetaHuman Creator が登場する前は、決められた期限内にこのようなキャラクターを一から作成することは不可能でした」

Valentina の宇宙服とヘルメットは Maya で作成されました。彼女の口を覆うことにより、チームは非常に厳しいスケジュールでは間に合いそうにない唇の動きを会話に合わせるための作業への時間を省くことができました。
Image courtesy of Aaron Sims Creative

高品質のプレビズが、ビジュアルとストーリーに関する意思決定を最初から方向付ける

キャラクター アニメーションの概要を説明するため、Aaron 氏とモーション キャプチャ俳優の Christopher Graham 氏は Xsens スーツと StretchSense グローブを使用し、自宅でくつろぎながら Valentina と地球外生命体の両方の動きをキャプチャしました。その際、 Live Link を使用することで、ショットをリアルタイムにプレビューすることができました。

「キャラクターのパフォーマンスをブロック化するためのキーフレーム アニメーションの作成に何日も費やす必要がなかったため、プロセスがはかどりました」と Aaron 氏は語ります。「おかげで、あっという間にコンセプトの証となるものが出来上がりました」

彼らのアイディアをさらに実証するため、チームは高品質のプレビジュアライゼーションを制作工程の非常に早い時期に作成しました。「それがまるで完成品のように見えたことに驚きました」と Vivian 氏は語ります。「そこから物語が出来上がっていったのです」
Aaron 氏はこの重要性について説明します。「Unreal Engine での作成とは、限界を知ることです」と彼は語ります。「私はリスクを取ることが好きです。常に何があってもやり遂げられると考えていますし、壁にぶち当たれば回り道をしますが、このソフトウェアがあれば素早く回り込むことができます。多くの人びとはプレビズを白黒でレンダリングしたり、非常に簡単なものを作成したりしますが、私たちのプレビズはかなり完成品に近いものです。私たちは初日からそれらの難しい創造的な意思決定の質問に答え、その後、より柔軟性を持って物語を洗練し、練り上げていきます」

Unreal Engine 5 早期アクセスから最終ピクセルを作成する

初期のモーション キャプチャ データの多くが完成した映画で使われています。このデータは、キーフレーム化されたアニメーションを上にレイヤー化できるようにカスタマイズされた コントロール リグ が追加される前に Unreal Engine 5 のキャラクターに移行されました。これらのタスクや一部のショットの設定およびエフェクトを支援するため、チームは Shape Shifters Creative を導入しました。

フェイシャル アニメーションは、Unreal Engine で使用するすべての MetaHuman に備わっている MetaHuman のフェイシャル リグ を使用してキーフレーム化されました。口は隠れているため、多くの感情は目の表情を通じて伝える必要がありました。

最終的なフレームはすべて、埃やパーティクル、空や雲、煙など、最後の仕上げを追加するアンビエント エフェクトに Unreal Engine マーケットプレイス のアセットを使用しながら、Unreal Engine 5 でレンダリングされました。
Image courtesy of Aaron Sims Creative
「最終編集は Adobe Premiere Pro 2021 を使用しましたが、それ以外のポストプロダクションはすべて Unreal で行いました」と Aaron 氏は語ります。「表示されているすべての描画は、Unreal Engine 5 で作成されています」 

リアルタイムの映画製作が非直線的な意思決定と創造的なイテレーションに導く

このプロジェクトに携わった人全員に好評なことの 1 つは、Unreal Engine で作業することにより、たとえそれが製作工程の終盤であっても、新しいアイディアをすぐに開発して試すことが可能になることです。

「素晴らしいことは何かと言えば、直線的ではなく同時進行して作業ができたことです」と、ショーのプロデューサーの 1 人である Jill Gilbert 氏は話します。「今までの作業であれば、撮影したら最初に戻って作り直すものでしたが、私たちは常にすべてを磨き上げながら、同時進行で作業を進めていました。ギリギリの時間まで創造的な変更を行うことができたのです」

Vivian 氏はこの柔軟性を活かし、スクリプトの作成に新しい手法を取り入れもしました。「クリエイティブなプロセスは最終的に、スクリプトを使用しないところまで進化しました」と彼女は語ります。「私はセリフを書く代わりに録音したファイルを Aaron に送るようになりました。このようなことは、なかなか作業が進まない従来のアニメーションでは聞いたことがありません。しかし Unreal で作業すると、いくつもの音声ファイルを送ってそれを素早く映画の一部として開発できるため、物語のさまざまな方向性を試すことができました」

Unreal Engine 5 早期アクセスが映画製作者に新しい可能性を約束する

Unreal Engine 5 はまだ早期アクセスの段階で、本番環境に対応しているとはみなされませんが、その作業は ASC のチームにとって初めての経験ではありませんでした。彼らは、プログラムの公開に合わせて発表されたサンプル プロジェクトの Valley of the Ancient に深く関わり、エンジンで完全にアニメートできる 巨大な 5,000 万ポリゴンのキャラクター を、UE5 の仮想化されたマイクロポリゴン ジオメトリ システムである Nanite を使用して作成しました。
Epic では Unreal Engine 5 はまだ早期アクセスのため、本番環境で使用することを推奨していませんが、Aaron 氏は気にしていません。

「これはまだ開発中で修正が加えられているため、変更があります。私が今作業しているものとはバージョンも違います。しかし、UE4 とは違うインターフェースは非常に快適です。私はこのインターフェースの外観、ナビゲーション、そしてツールが気に入っています」と彼は語ります。

エンジンでのアニメート用の新しいツールの他に彼が気に入っている新機能には、ライトマップのベイク処理に対する必要性を排除する Unreal Engine 5 の新しい動的なグローバル イルミネーションおよび反射システム、 Lumen があります。
Image courtesy of Aaron Sims Creative
「映画製作者としてライティングは非常に重要なため、Lumen はワークフロー内で大きな割合を占めています」と彼は話します。「ASC のチームにはしばらくの間、エンジンでのアニメーション作成に力を注ぐよう指示していました。UE4 でも素晴らしい成果を出せましたが、このプロジェクトでは UE5 の新しいツールとコントロール リグを活用することができました」

Unreal Engine を使用した映画製作の未来

Aaron 氏に Unreal Engine を使用した創造の旅を終わらせる様子はありません。「映画製作者としての私にとって Unreal に関して最もエキサイティングだと感じることは、自分で自分の映画を作成し、リアルタイムに自分の物語を語れることです」と彼は話します。「今まで、これほど詳細で創造的な自由は実現不可能でした。これは映画製作者にとっては始まりに過ぎず、ソフトウェアが進化し、教育資料が増えていくにつれ、誰でも自分が望む物語を伝えることが容易になると感じています」
Image courtesy of Aaron Sims Creative
Aaron 氏の映画業界でのキャリアは 30 年以上に及び、その中で多くの変化を見てきました。「私たちは実際の効果、メイクアップ効果、パペットやアニマトロニクスから VFX までを経験し、今は VFX のグリーンスクリーンやブルースクリーンの「後で修正する」精神の時代に失われていたリアルタイムなセットでの体験を Unreal が映画製作者に戻してくれたと感じています」と彼は話します。 

経験豊かなベテランは、今もテクノロジーを使用して映画製作のプロセスを強化する新しい方法を夢見ています。

「セットの LED スクリーンと Unreal Engine を使用してセットの拡張機能を作成することにより、映画制作者は出演者とスタッフを世界中のどこにでも連れていくことができるようになり、それによってすべてが変わりました」と彼は続けます。「私はより実用的なメイクアップ効果で経験を積んでいるため、次のステップは CG のクリーチャーを LED スクリーンのセットに登場させ、俳優と映画制作者は実際にそれを見て作業できるようになることだと感じています。

「THE EYE に着手する前、私たちはこのプロセスを短編実写映画で試してみるつもりでした。そのプロジェクトではタイミングやその他の要素が揃いませんでしたが、誰かが次にそれを行い、それによってクリーチャーベースの VFX は変わるでしょう」 

それまでの間、Aaron 氏が Unreal Engine で実現させたいと考える新しいアイディアは尽きることがありません。 

「THE EYE を経験した後、私は個人的に物語をすべてエンジンで作成することに夢中になり、そのプロセスを本当に楽しんでいます」と彼は語ります。「これを使用して語りたい物語がたくさんあります」

    Unreal Engine 5 早期アクセスを入手

    UE5 は 2022 年初頭に正式リリースされる予定です。今すぐ早期アクセスをダウンロードして、コントロール リグを完備した 9 本足の Teuthisan とともに新しい機能を探究しましょう。
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