そのスピンオフ作品の一つが、『ウルトラファイト』です。この TV シリーズは、低予算で1970年に制作された 5 分間の短編作品です。かつてシリーズに熱狂し、そしてこの番組で新たに怪獣の魅力を知った子供たちはこの番組に夢中になって怪獣人気が沸騰、次の新たなウルトラマンシリーズの放送決定を後押しするつなぎ的な役割を担いました。
このプロジェクトでは、Unreal Engine の Live Link、Take Recorder、Virtual Camera が多用されました。「UE4.26 では Virtual Camera の機能をユーザー サイドで改造する必要がなく、そのままの形で使用することができたため、制作時間の大幅コストダウンが可能となりました」と金子氏は述べます。
金子氏によれば、スタジオブロスが担当したエピソードのほとんどのカットで、Virtual Camera によって作成されたカメラ データが使われています。「それによってカメラ データの作成作業が効率化され、その結果、1 日につき平均で 2 エピソード分の収録が可能になりました」とのこと。
監督を務めた樋口真嗣氏は、Virtual Camera で収録後にリアルタイムで、ファイナル イメージに近い状態の映像をチェックできました。リテイクしなければならない場合は、即座に再撮影することも可能でした。「Unreal Engine を利用すると、あらゆる工程が高速化されます。これが Unreal Engine の最も大きな利点の一つです」と金子氏。