Image courtesy of BY Movie Production Company

BY Movie Production Company と Wargaming がバーチャル プロダクションを活用して World of Tanks の広告を 3 日で作成

エベレストや別の惑星など、あらゆる場所にクルーを連れて行きたいですか?BY Movie Production Company にお任せください。ベラルーシのスタジオには、設備一式を備えた 1,200 平方メートルの制作用複合施設があり、そこにはマンダロリアンにインスピレーションを得た最新の LED ステージが用意されています。

ゼネラル プロデューサー兼クリエイティブ プロデューサーの Olga Mikhalenka 氏にとっては、そのステージは、BY Movie Production Company が創業当初から採用していた、映像制作に対するオールインワン アプローチを反映したものです。「私たちは常に、演出、撮影、視覚効果まですべてを社内で行い、クライアントにサービスを提供してきました。マンダロリアンでバーチャル プロダクションの威力を目にしたとき、これこそが自分たちのパイプラインに欠けていたパズルのピースだとわかりました」と Mikhalenka 氏は述べています。

BY Movie Production Company のチームは 2020 年までに、長さ 18 メートルの曲面 LED スクリーンに投資することを決めました。急成長するバーチャルプロダクションの分野への土台となり、新たな提供サービスを可能にするものです。その設備投資はすぐに、World of Tanks の広告キャンペーンや BY Movie Production Company 初の Web シリーズなど、さまざまな新しいプロジェクトへとつながりました。
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正確さを追求した広告

「Wargaming から連絡があり、World of Tanks のイベント、Black Market のプロモーションを手伝えるかを尋ねられました」と Mikhalenka 氏は述べています。数千人が参加するこのイベントでは、戦車を含むゲーム内のレア アイテムを購入するチャンスがプレイヤーに与えられます。イベントの期間中、プレイヤーがオンライン ストアを見て回ると、戦車が割引になっている理由や販売終了になっている理由を紹介するミニ ムービーが表示されます。Wargaming は、ブラック マーケットでの戦車泥棒についてのガイ・リッチー風の広告を通じて、Black Market がどれほど強力なものであるかを表現しようとしました。

唯一の問題は、そのイベントのための写真とマーケティング資料が、すべて前もって作成されていたことです。BY Movie Production Company による広告には、あらかじめ作られたビジュアルに可能なかぎり似たフォトリアルな背景が必要でした。Mikhalenka 氏は次のように述べています。「失敗は許されませんでした。できるかぎり正確な結果を得られるようにするために、バーチャル プロダクションを使うことにしました」
 

BY Movie Production Company のチームは、戦車の格納庫やオフィスなど、Unreal Engine で複数のリアルタイム環境を作るところから始めました。監督の Ilya Kluysha 氏と撮影監督の Konstantin Ivanov 氏は、Unreal Engine の専門家と照明係の両方と緊密に連携し、それぞれの環境の見た目ができるだけ正確になるようにしました。環境ができ上がったら、Unreal Engine のマルチディスプレイ レンダリング テクノロジー、nDisplay を使用して、環境を自社の LED スクリーンに投影しました。実写撮影を行う部屋の準備を整え、俳優が 3D の背景と完璧にマッチするようにしました。
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3 日とかからないうちに、BY Movie Production Company のチームと Wargaming のクリエイティブ部門は 12 のバーチャルな場所で 4 つのシーンをキャプチャしました。Mikhalenka 氏は次のように述べています。「これほど短い期間でこれほど多くの環境をキャプチャするのは、Unreal Engine のバーチャル プロダクションなしでは不可能だったでしょう。Unreal Engine を使えば、セットでライティングを必要に応じてすぐ変更できます。ロケーションを再レンダリングする必要はありません。また、現実的な場所でもファンタジーの世界でも、好きなところに俳優を連れて行くことができます。風景を作ったり、クルーを世界一周の旅に連れて行ったりする必要はなく、時間とコストがかかりません」
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バーチャル プロダクションには、セットに VFX を組み込み、制御しやすくなるというメリットもありました。主役の背後で門を爆破する必要があったシーンでは、Kluysha 氏と Ivanov 氏は、ボタンを 1 つ押すだけで、適切なタイミングで爆発を起こすことができました。さらに、爆発の見た目やカラー グレーディングまで、ポスト プロダクションを待つことなく、セットで簡単にリアルタイムで変えることができました。
Image courtesy of BY Movie Production Company
World of Tanks の広告ができ上がるまでに、バーチャル プロダクションの作業はとても大きな成功を収めていたので、BY Movie Production Company は、バーチャル プロダクションをさらに試すために、新しい社内プロジェクトとして Dunno という Web シリーズを作成することにしました。

自社での Web シリーズの開発

Nikolay Nosov 氏によるロシアの有名なおとぎ話に基づく Dunno は、キャラクターたちが月で戦いを繰り広げるディストピアものの SF の未来へと視聴者を導きます。初期のアニマティクスから最終的なロケーションまで、すべての作成に Unreal Engine が使われました。撮影の際は前面に俳優が立ち、リアルタイムでキャプチャされました。
Image courtesy of BY Movie Production Company
Mikhalenka 氏は次のように述べています。「このプロジェクトは自然発生的なものでした。私たちは社内でさまざまなプロジェクトの撮影を行っています。それは練習のためであったり、将来のクライアントに自分たちができることをうまく示すためであったりします。Dunno の場合、バーチャル プロダクションとテクノロジーの概念実証として機能する、当社のオンライン プラットフォーム向けのシリーズを作成することが目的でした」

そのために、BY Movie Production Company はパイプラインを最大限に活用して、ポリゴン数の多いロケーションと 8K のテクスチャを作ることを重視しました。また、カメラ、レンズ、セットのデザインについて、実験を行い最適な選択肢を探りました。
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1 か月以内に、トレーラーのプリプロダクション、キャプチャ、ポストプロダクションが完了しました。

「通常の制作と比べると極めて迅速に作業を行うことができました」と Mikhalenka 氏は述べています。また、コーヒーを一杯飲んでいる間にストーリーを改善できたというエピソードや、Unreal Engine マーケットプレイスのアセットやシーンを利用して記録的なスピードでロケーションを開発できたということを明かしていただきました。

World of Tanks の広告と合わせて、バーチャル プロダクションが当社の将来にとってどれほど重要かよくわかりました。長編映画や広告のプロジェクトでは、できたものが気に入らないということになるリスクを抑えつつ、時間と費用を節約できます。ゲームのカットシーンやトレーラーでは、Unreal Engine の既存の環境に実写のキャラクターを加えるだけでよく、グラフィックスに何か月もかける必要はありません。ストーリーがどのようなものであっても、バーチャル プロダクションを使えば、ビジョンを実現する無限の可能性が開かれます」

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