Image courtesy of Feynsinn, a trademark of EDAG

未来のスマート シティを走る自動車の仮想的なショールーム

By Stefan Wenz |
2021年3月17日
長い歴史のある物事のやり方が、革新的なイノベーションによって一変させられることがあります。現在起きているそうした大きな変化の 1 つが、自動車の進化です。

自動車のモデルは変化し、改善が行われていますが、量産品の自動車の基礎は長年にわたりあまり変わっていません。運転手が必要であるということと、化石燃料を使って走るということは、当然のこととなっています。

現在、電気自動車と自動運転車がそのすべてを変えています。次世代の自動車は大きなビジネスになるでしょう。世界で販売される自動車の 50% が 2040 年までに純電気自動車になるという推計や、2027 年までに自動運転車の市場が 63% 成長するという予測が出されています。

先進的な企業は、このパラダイム シフトによってもたらされる千載一遇の機会を活かそうとしており、革新的なデザインを作り出して、自動車に何ができるか、自動車はどうあるべきかを見直しています。

EDAG はそのような勇敢な先駆者の 1 つであり、国際的なモビリティ業界をリードする独立系のエンジニア サービス プロバイダーです。同社の自動運転車 CityBot は、個人の移動手段としてインテリジェントな選択肢となるものです。自律運転技術を都市でのモビリティのさまざまな面に応用しています。

そのコンセプトは未来のスマート シティに向けてデザインされました。未来のスマート シティでは、渋滞、駐車場、スモッグ、交通騒音は過去のものとなっています。

群知能を備えた多機能の完全自律型ロボット自動車である CityBot は、水素を使う燃料電池を動力源としているため、完全エミッションフリーを実現します。また、モジュール設計となっているため、旅客輸送、貨物輸送、清掃、ゴミ収集、公園のメンテナンスなど、用途に合わせてカスタマイズできます。
Image courtesy of Feynsinn, a trademark of EDAG
静かでクリーンな自動車の一団が、通勤する人を運び、道路を掃除し、荷物を届けるところを想像してみてください。気候変動が急速に進む時代で、このようなソリューションの重要性は増していくでしょう。その認知度を高めていくことが極めて重要になります。 
EDAG にとっては、認知度の向上とは、広いオーディエンスにリーチする方法を見つけることを意味します。CityBot を紹介するうえで、1 つの物理的な場所に縛られていると、CityBot を見ることができる人の数は限られてしまいます。パンデミックによってさらに移動が制限され、この問題はより重大なものとなりました。

その解決策となったのが、Unreal Engine を使って仮想的なショールームを開発することでした。このショールームによって、EDAG の顧客は世界のどこからでも VR で CityBot に触れることができるようになりました。また、EDAG は、このショールームを利用して、アニメーション付きのマーケティング用動画を作ることができました。
 

リアルタイムの仮想的なショールーム

Feynsinn は EDAG のブランドの 1 つであり、EDAG Group にソフトウェアと IT ソリューションを提供しています。製品の開発、製品の仮想的なプレゼンテーション、ノウハウ、アイデア、ツールの提供など、さまざまなことに取り組んでいます。

Feynsinn のビジュアライゼーション チームが CityBot の仮想的なショールームの開発を担当し、15 のインタラクティブな展示を作成しました。この仮想的な環境によって、EDAG は CityBot の機能と技術的な特長をシンプルかつ直感的な形で世界中の顧客に伝えることができるようになりました。 
Image courtesy of Feynsinn, a trademark of EDAG
通常は営業担当者による現場でのプレゼンテーションで伝えられる情報を、エクスペリエンス内のアニメーションとエフェクトで詳しく説明しています。チームはこの仮想的なショールームのために作られたモデル データと環境を再利用して CityBot のマーケティング用動画を作成し、時間と費用を節約しました。

Timo Kraus 氏は、このプロジェクトに参加した、Feynsinn のビジュアライゼーション担当プロジェクト マネージャーです。Kraus 氏は、仮想的な環境でマーケティング資料を作成し、営業の打ち合わせを行えるようになったことは、特に物理的な打ち合わせが制限される時期であったことから、EDAG に大きなメリットをもたらしていると言います。「より広いオーディエンスにショールームを見ていただくチャンスを手に入れることができました。EDAG は多くの革新的なエンジニアリング ソリューションを開発してきましたが、これまではその成果をこれほど多くのオーディエンスに届けることはできていませんでした」
Image courtesy of Feynsinn, a trademark of EDAG
仮想的なショールームにより、EDAG は CityBot の可能性を革新的な形で示すことができるようになりました。特定の場所に縛られることはなく、展示のための輸送に高い費用をかける必要もありません。

最近の出来事によって、このメリットは浮き彫りにされました。Kraus 氏は次のように述べています。「COVID-19 の影響下にあっても、私たちはオンライン ミーティングや Zoom 会議以上のエクスペリエンスを提供できています。さらに、仮想的な会議で、ショールームの環境を使って技術革新について話し合うこともできています。たとえば、ドイツにいる専門家がメキシコのお客様とやり取りすることができます」

1 つの仮想的な環境から多数の営業用アセットを作成

Feynsinn のチームは 2012 年から Unreal Engine を使っています。最初は Unreal Engine を使った自動車のコンフィギュレーターの作成方法を調べるところから始めました。

デジタル ショールーム プロジェクトでは、Unreal Engine を活用して効率的に作業を進め、インタラクティブなエクスペリエンスと説得力のあるさまざまなマーケティング用アニメーションの両方を 1 つの仮想的な環境から作成することができました。Kraus 氏は次のように述べています。「2 つのプロジェクトで同じデータベースを同時に使用したことで、時間と費用を大幅に節約できました。どちらのプロジェクトも時間が限られていたので、このような柔軟性と相乗効果がなければうまくいかなかったでしょう。ほかにも、ごく短時間でレンダリングできたおかげで、いろいろと手間を省くことができました」
Image courtesy of Feynsinn, a trademark of EDAG
従来のアニメーション ワークフローから Unreal Engine でのリアルタイム アニメーションへの移行では、クリエイティブの自由度が向上するという望ましい副作用も生じました。「ショットとアニメーションの調整について、柔軟性が大幅に向上しました。変更をすばやく行うことができたので、費用を抑えることができました。リアルタイム エンジンのパフォーマンスを活用してマーケティングに使える品質のビジュアルを極めて高速にレンダリングできたことは、アニメーション プロジェクトにとって大きな意味がありました」と Kraus 氏は述べています。

VR のエクスペリエンスを提供することで、営業の会話に新たな面が追加されました。EDAG は、営業を進めるなかでエンターテインメント的な価値を顧客に提供できるようになりました。VR 内では、通常なら見ることができない技術的な機能を目に見えるようにして営業担当者が説明できます。
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この利点は、CityBot の仮想的なショールームで大きな効果を上げています。「VR によって、イノベーションを紹介し、新しい種類のエクスペリエンスを顧客に届ける可能性が開かれました。VR の没入感は興奮を生み出し、理解を促進し、製品への関心を高めることができます」と Kraus 氏は述べています。

Datasmith とシーケンサーによる時間の節約

Feynsinn のチームは、このプロジェクトでは Unreal Engine のコア機能、特に Datasmithシーケンサーを有効活用しました。

Datasmith はプラグインとツールのコレクションで、さまざまな種類のデータを Unreal Engine に取り込むための時間を大幅に短縮します。今回、元のデータは CATIA のデータベースにありました。チームでは Datasmith を使い、そのデータを Unreal Engine へと簡単にインポートし、作業を行うことができました。「その間、データを準備するための追加の手順は不要で、データを更新できる柔軟性もありました。Datasmith のレシピを作成して、CAD のインポートを効率化し、手作業でのデータ準備を最小限に抑えました」と Kraus 氏は述べています。

Feynsinn のチームは、このプロジェクトではシーケンサーを使用してアニメーションを作成しました。シーケンサーは Unreal Engine のマルチトラック エディタです。シネマティック シーケンスを作成し、リアルタイムでプレビューするために使用します。「シーケンサーはとても役に立ちました。ショットとアニメーションを整理して、更新と変更を Unreal Engine 内からどの時点でも柔軟に行うことができました」と Kraus 氏は述べています。

クリエイティブのさまざまな選択肢

CityBot のプロジェクトが大きな成功を収めたことを受け、Feynsinn はこのエクスペリエンスを利用して「Feynsinn パイプライン」を作成しました。このパイプラインは、同社のアーティストが Unreal Engine で作業を行うためのサポートとツールを提供します。

このような新しい仕事の進め方により、EDAG などの企業は、単にマーケティング アセットを高速でレンダリングできるだけではないメリットを得ることができます。Unreal Engine の強力な制作機能により、説得力がある XR エクスペリエンスデジタル ツイン仮想的なトレーニングなど、クリエイティブのさまざまな可能性が開かれます。

仮想的な世界が持つインタラクションとコミュニケーションの可能性を取り入れることで、EDAG は自動運転車のイノベーションの営業において先頭に立つことができるようになりました。

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