Epic Games では、本作品のゲーム ディレクターを務め、Embers スタジオの共同設立者でもある Maxime Philipp 氏に、同社のチームによって本作品がどのように開発されたか、このようなビッグ タイトルの開発を小規模のチームでどのように管理したか、さらにアート志向の忠実度の高いゲームの制作を目指す他のインディー デベロッパーに向けたアドバイスについてお話を伺いました。
Philipp 氏: 先ほども申し上げたとおり、あらかじめ何の情報も与えられていないミステリアスな世界でプレイヤーの没入感を高めるゲームが私たちの目標でしたので、プレイヤーにパズルのピースを多少与えながらも、プレイヤー自身がそれらを組み合わせ、それぞれ独自のイマジネーションを使って隠された部分を解釈するゲームを開発したいと思いました。そして、ストーリーを伝え、各ステージの全体的な雰囲気を表現するうえで、没入感、アニメーション、音楽のみを使用するゲームにすることが面白いであろうと考えました。
Philipp 氏: 私たちは、ヒーロー ストーリーだけでなく、それぞれのボスに擬人化された感情をプレイヤーに理解してもらえるように、必要に応じてあらゆる手段を講じる必要がありました。同時に、プレイヤーには理解につながる重要な手がかりを与えて、それぞれ独自の解釈を行えるようにしたいと考えました。そのため、こうした部分的な情報の提供には、音楽、キャラクター アニメーション、シネマティックス、環境ナレーションを駆使しました。
Philipp 氏: このような小規模のチームでは、全員が自立して複数の役割をこなせる必要があります。Unreal Engine を使用することで、中間的な「統合を行う担当者」を省くことができました。たとえば、アーティストは自らの作業を自らで統合し、自分たちがベストと感じるアピアランスに調整することができました。また、プログラマーはその上に自分たちのロジックを簡単に統合し、利用可能なツールと一連のカスタム仕様のツールを使ってそれを即座に機能させることができました。
Philipp 氏: 私にとって最も重要なのは、ゲームのエッセンスに常に焦点を当て続けることです。ゲームに大した価値をもたらさない二次的なシステムや細かなディテールに気を取られることもありますが、そうした時間は、ゲームを際立たせて楽しめるものにするための最善のことに費やしたほうが良い結果となります。ゲームに関する新しいアイデアが浮かんだら、それを可能な限りすぐにプロトタイプ化して、その限界を見極め、ゲームでの十分な可能性が見出せないのであれば、そのアイデアは破棄すべきです。多くのアイデアを破棄すること自体を恐れてはいけません。そうすることが、ゲームのエッセンスに適した最高のアイデアを選び抜くための唯一の方法だからです。