Image courtesy of FOX Entertainment. ALTER EGO™ & © 2021 by Fox Media LLC

バーチャルな歌手の台頭:Fox の Alter Ego

2021年12月14日
Alter Ego は唯一無二の歌唱コンテストです。Fox がゴールデンタイムに放送する、11 エピソードから成るこの新番組は、一見ごくありふれたものです。プロのスターとして認められるべく競い合う歌手がいて、グライムス、will.i.am、Nick Lachey、アラニス・モリセットなどの著名人が審査員を務めます。また、ライブの観衆として 200 人のファンがいます。しかし 1 つだけ、重要な違いがあります。Alter Ego のステージでライブ パフォーマンスを披露する参加者は、全員がアバターなのです。

アバターは、歌手がパフォーマンスに使う新しいペルソナを与えるだけではなく、歌唱コンテストのあり方を変えてもいます。Alter Ego は単なるコンテストの 1 つではなく、印象的なエクスペリエンスとなっています。ポピュラー音楽の受け止め方にまつわるステレオタイプを打破し、パフォーマーの外見の美しさや年齢よりも、デジタルのペルソナと、そこから発せられるユニークな声を重視します。
Image courtesy of FOX Alternative Entertainment
こうすることで、ありふれたフォーマットに変化をもたらしています。しかし、革新的な取り組みには課題も伴います。

Lulu AR のエグゼクティブ プロデューサーで、Alter Ego の共同エグゼクティブ プロデューサーを務める Michael Zinman 氏は次のように述べています。「そのようなことはできないのではないかと思っていました。モーション キャプチャ用のボディ スーツを着て歌いながら、ステージにアバターを立たせることはできます。しかし、生身の人間が出演する番組と同じように、1 日に 10 回のパフォーマンスを行い、予算を守り、ネットワーク全体とステージ上のプロデューサー全員に対して透明性を保ち、できるだけ単純にするとなると、容易なことではありません」

次世代のポップ スターの創造

Zinman 氏は、アバターに注目を集めるために、モーション キャプチャに関することを確定させ、舞台裏で行えるようにする必要がありました。そのために、Silver Spoon Animation に参加してもらい、キャプチャのプロセスだけでなく、キャラクターについても取り仕切ってもらうことにしました。6 週間のうちに、合計で 20 体のキャラクターを作成する必要がありました。1 つ 1 つのキャラクターが観衆と感情的な結び付きを生み出す必要があり、また、リアルタイムでの審査に差し障りのないものである必要がありました。

まず、50 人のアーティストから成るチームが各参加者と協力してキャラクターをデザインしました。ステージ上での各自のユニークなペルソナを正確に反映したキャラクターを作成し、4 種類のワードローブの選択肢と個別の視覚効果を用意しました。
番組での各パフォーマンスは、14 台のカメラを使ってリアルタイムでキャプチャされました。そのうち 8 台には stYpe トラッキング テクノロジーが搭載されていました。それから、目の色、身長、特殊効果などのアバターのデータと、モーション キャプチャのデータ、ライティングのデータ、カメラのデータが、メイン ステージの背後にある Unreal Engine のハブに送られました。
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こうすることで、バーチャルのアバターができあがり、舞台裏でのパフォーマンスを常にモーション キャプチャし、正確に反映できました。参加者が泣けばアバターも泣き、顔を赤くしたり、指で髪をとかしたりすることもできました。最終的なパフォーマンスはセット上のモニターへと直接送信できるので、観衆はできあがったキャラクターと関わりやすくなり、ジャーニーに没入できます。コンピューターで生成した映像が原因でストーリーに入り込めなくなるということはありません。
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Silver Spoon Animation のマネージング ディレクター、Dan Pack 氏は次のように述べています。「この番組にとっては DMX が非常に重要でした。DMX を使うことで、ライティング プログラマー、ディレクター、プロダクションの担当者たちがキャラクターについて多くの面を制御できたからです。従来のレンダリング パイプラインと比較した場合の Unreal Engine のメリットは、これまでであればレンダリングに時間がかかっていたであろう大きな変更についてプレビューできることです。そのため、DMX のコントロール パネルから、キャラクターの髪の色、目の色、テクスチャを変えたり、エフェクトを制御したりすることができます。リアルタイムのセッティングを取り入れたこの番組では、かつてないほどに DMX の利用を促進しました」
Zinman 氏は次のように述べています。「Alter Ego のような番組を成功させるには、Unreal Engine の DMX 機能が必要です。DMX は私たち全員にとっての共通言語、共通のプロトコルとなっています。また、これはテレビ ネットワークでのコンテスト番組をスケジュール通りに制作する唯一の方法です。1 つのコンソールでライティングのディレクターがスタジオの仮想的なライトと現実のライトをプログラムでき、別のコンソールでキャラクターをプログラムできれば、リハーサルをずっとスピーディに行うことができます。こうすることで、1 日に 10 回のパフォーマンスを行うことができました」

また、Silver Spoon は Unreal Engine の Live Link 機能で10以上のモーション キャプチャ インスタンスからアバターへのデータのストリームを行いました。実質的にレイテンシーなしに、Unreal Engine はその場で参加者からキャプチャしたアニメーションをアバターにリアルタイムに適用してレンダリングすることができました。Live Link は顔アニメーションにも使われました。iPhone や iPad から顔アニメーションをキャプチャしエンジンでリアルタイムにレンダリングすることを可能にする Live Link Face アプリを活用しています。Live Link を使うことで、Alter Ego において Vicon データパケットのための専用プラグインを開発する必要がなくなり、用意したスケルタルメッシュに自由にアニメーションを流し込むことが可能になりました。

よりインクルーシブな未来

制作が完了するまでに、Silver Spoon と Lulu AR は 80 以上のパフォーマンスの作成を支援しました。これは 12 時間分のコンテンツに相当します。どのパフォーマンスについてもポストプロダクションは不要でした。

Pack 氏は次のように述べています。「この番組を制作するにあたっては、大きなプレッシャーがかかりました。このような番組がこれほどの規模で、ゴールデン タイムのキャパシティで作られたことはこれまでありませんでした。リアルタイムのパーティクルのシミュレーション、リアルタイムのヘアのシミュレーション、リアルタイムのライティングを Unreal Engine 内で直接行っています。通常であればポストプロセスで作られるような、こうしたすばらしいエフェクトをリアルタイムで作ることができています」
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その結果、これまでであればステージに立つことを怖がっていたり、自分はテレビに写る価値はないと感じていたりしたアーティストにとっては、新しい形の自己表現を支援するバーチャルのアバターによって、成功するチャンスが訪れました。観衆にとっては、これは新しい経験です。果てしないクリエイティビティが物理的なルールよりも優先されます。Alter Ego は、バーチャルなアバターがゴールデン タイムに耐え得るものであることを示しています。次のシーズン、あるいは次の番組では、よりすばらしいものが見られるでしょう。

ご期待ください。

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