インディーゲーム開発者の Gwen Frey 氏が単独での成功への道のりを語る

インディーゲームの開発者として成功することは、決して小さな偉業ではありません。それには勇気と才能、情熱、そしてハードワークへの大きな意欲が必要です。幸いなことに、Gwen Frey 氏はこれらをすべて備えています。しかし、彼女の旅は常に順風満帆なものではなく、浮き沈みに直面したこともありました。

 

Gwen氏が、サンフランシスコで開催されたGDC(Game Developers Conference)に出席したとき、ロチェスター工科大学で映画とアニメーションのBFA(美術学士)の最終年でした。そこで出会った新しいゲーム開発スタジオ Slipgate Ironworks のメンバーから、キャラクター テクニカル アーティストとしての仕事をオファーされました。

Gwen氏は躊躇しませんでした。彼女は荷物をまとめ、学位や家族、友人を残して大陸を横断しました。しかし、半年も経たないうちに会社は閉鎖され、Gwen氏と彼女の同僚は全員失業してしまいました。Gwen氏は幸運にも、Slipgate Ironworks の関連会社であるSecret Identity Studios からテクニカルアーティストとリガーとしての仕事のオファーを受け、Marvel Universe に携わりました。
Image courtesy of Chump Squad
2年後、Gwen氏は東海岸に戻ってきました。彼女はボストンのIrrational Gamesで、大ヒットしたトリプル A BioShock シリーズの一部である Bioshock Infiniteのシニア テクニカル アニメーターとして働きました。「このタイトルでの仕事は本当に好きでした。」と彼女は語ります。「私が担当したキャラクターは、高層ビルの側面に描かれていました。スーパーボウルの時には広告を出したのですが、それは巨大なものでした。」

シリーズの大成功にもかかわらず、Irrational Gamesに在籍して2年半が経過した頃、創業者が別の道を追求するためにスタジオを閉鎖することを決定し、Gwen氏は再び職を失ってしまいました。しかし、彼女の立ち止まることを知らないスピリットによって、彼女は明るい兆しを見つけることができました。「ボストンにいたとき、私は信じられないほど才能のある人たちに囲まれて、彼らと一緒に仕事をすることは本当にすきでした。そのうちの5人をなんとか集めることができたのです。」と彼女は語ります。「そして、私たちは自分たちのスタジオ、The Molasses Floodを設立しました。こうして私はインディーの世界に入りました。」

The Molasses Floodでは、Gwen氏と彼女のチームは The Flame in the Flood というゲームに取り組みました。当初、売上は不調で、チームはスタジオを維持するのに苦労しました。しかし、時間が経つにつれ、ゲームの出来ははるかに良くなり、現在も開発が続けられています。「このおかげで、完全に自分の力で独立するために必要な力と背景を得ることができました」とGwen氏は言います。

「私は自宅でサイドプロジェクトを始めたのですが、これは、大きなスタジオでは維持できない非常に小さなプロジェクトでした。そのため、チームと話し合い、私は独立し、この小さなプロジェクトに専念するということで合意しました。」 

そのため、 Gwen 氏は自身のスタジオ Chump Squadを設立しました。そして、その小さなサイドプロジェクトが大成功を収めた 3D パズルゲーム Kine となりました。「2年の歳月をかけて、今ではすべてのプラットフォーム、すべてのゲーム機でプレイできるゲームになりました」とGwen氏は言います。「昨年はGoogle Stadiaでのローンチタイトルにもなりました。このような結果につながったことを非常に誇りに思います。」

Gwen 氏は、Unreal Engine、特に ブループリント ビジュアル スクリプト機能なしでは Kine の開発はできなかったと語っています。「私は、フルタイム1 人のスタジオで、数人のコントラクターと一緒に仕事をしています。私は C++ はわかりません。そのため、このようなゲームを制作できない時期がありました。」と彼女は語ります。「このエンジンのおかげで、アーティスト出身でプログラミングの知識がない私のような人でも、ブループリントスクリプトだけで Unreal Engine を使ってビデオ ゲーム全体を制作することができるようになったのです。」 
Image courtesy of Chump Squad
Gwen 氏は現在、AI と機械学習を駆使し、コロナウイルスをめぐる共通の経験に触発された風刺的なパズルラーである Lab Ratという新作タイトルに取り組んでいます。「これまでで最高の仕事は、面白い技術、本当に使いたいと思う技術デモと、それを捉えて世界に向けて披露したいという気持ちが組み合わされる傾向があるように思います。」

Gwen氏の哲学は、確かに成果を上げているようです。 Lab Rat は最近、AT&T Unlocked Games(ゲーム開発における女性の地位向上を目的とした新しいコンペティション)で1位を獲得しました。

「自分が信じ、情熱を持っていることに取り組むことがとても重要だと思います」と彼女は語ります。「そして、これまでの会社で働き、タイトルに携わり、それでも解雇されるという経験をしてきた私は、特に小さなチームで仕事をしている場合や、自分が責任がある場合は、自分のやっていることを愛していることが非常に重要だと考えます。それがインディーになる理由だと思います。」

「インディーに行くことを決めるのは簡単なことでしたが、その難しさを知っていたら、絶対にやらなかったでしょう。ほんとうに大変です。」と彼女は述べています。「しかし、今ではインディーの開発者になったので、他のことをすることはないと思います。」

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