久井亨氏 (シーノットスタジオ合同会社の創業者):私はドイツにある Nintendo of Europe (NOE) で働いていたときに、ゲームの開発を始めました。当時の私は、ヨーロッパのサードパーティのゲーム デベロッパー向けのテクニカル サポートを担当するエンジニアとして働いていました。そしていろんなデベロッパーのお手伝いをしていました。その経験から、自分でもゲームの開発を始めたくなったのです。
NOE を辞めて日本に戻ってから、独立して独自のゲームを制作するためにシーノットスタジオを創業しました。私は、日本にはまだまだ隠れた才能がたくさん潜んでいると信じているので、将来は多くのクリエイターさんたちがオリジナルのストーリーとキャラクターでゲームを制作するお手伝いができればいいなと思っています。
お二人が実現しようとしたデザインの方法論は、2018 年にリリースされた State of Mind に大きな影響を受けていると思います。このゲームの世界観が『浮世/Ukiyo』にどのような影響を与えたかを説明していただけますか?そして影響を受けた理由も。
久井氏:私は State of Mind の未来的なテーマとローポリ 3D のビジュアルのスタイルがとても好きでした。でも、State of Mind の規模やゲーム メカニクスも大きなヒントになりました。State of Mind には激しいアクションは必要ないので、アクション ゲームの得意でない人でもストーリーを楽しむことができます。(私自身もアクション ゲームはあまり得意ではありません。) State of Mind の平均プレイ時間は約 10 時間で、私自身のカジュアルなゲーミング スタイルに合っています。だからこそ私は、このようなゲームをもっとプレイしたいと思い、自分で作ることまで考えるようになったのです。