VERO が没入型バーチャル ツインで不動産市場の変革を推進

2024年8月1日
VERO プロダクト ディレクター、Rustam Kerimov 氏
Rustam Kerimov 氏は、建設業界で IT エンジニア兼不動産管理者という 2 つの役割を担い、多様なスキルを備えています。VERO では、これまでの30 か国以上での業務経験を活かし、イノベーションと効率性の実現に熱心に取り組んできました。プライベートでは、ヘビー メタルをこよなく愛し、歴史愛好家としての一面も持っています。
不動産テクノロジー (またはプロプテック) の技術は絶えず進化しており、不動産の開発、設計、マーケティング、管理の方法を進化させ続けています。

かつて企業は従来の図面や扱いづらい CAD レンダリングを活用していましたが、今日では不動産ビジュアライゼーションを手掛ける企業が Unreal Engine に搭載されている最先端テクノロジーを活用して、空間や建物だけでなく、都市全体のデジタル ツインを作成しています。

プロジェクトの初期段階でリアルタイム モデルに投資することにより、これらの企業はプロジェクトのあらゆる段階で、そして新しい要件が発生する際にもメリットを享受することができます。

VERO が先日手掛けたアムステルダムのデジタル ツインでは、アムステルダムを象徴するエリアの 1 つが、商業、テクノロジー、都市開発とエンターテインメントをどのように融合できるかを示すことができました。同社は、サウジアラビアでのビジュアル ツインに関する取り組みが、同国のマスター プランナーの取り組みの効率化に役立つことを期待しています。

Unreal Fest Prague での講演に続き、VERO のプロダクト ディレクターである Rustam Kerimov 氏に、同社が不動産開発のビジュアル、商業、デジタル アクセラレータへと発展した経緯と、同社が過去 6 年にわたり業務でどのように Unreal Engine を使用してきたかについてお話を伺いました。

VERO は 2016年の設立以来、大きな成長を遂げ、発展されていますね。VERO を立ち上げた経緯と、その進化と成長を後押しした要因についてお聞かせください。 

VERO プロダクト ディレクター、Rustam Kerimov 氏:
VERO は 2016年の秋に創設されました。当社は、オランダで権威あるプロジェクトに複数携わったおかげで、すぐにk国内でも、世界でも名前を知ってもらうことができました。当社は、最新のテクノロジー トレンドを取り入れ、不動産取引プロセスをかつてないほど円滑化することで、常に時代を先取りしてきました。この考え方が成長の推進力となり、現在では 40 名超のメンバーのチームが世界中で成功を実現しています。

この 5 年間で、不動産業界のビジュアル マーケティングはどのように変化していますか?

Kerimov 氏:
より高い基準に対する要求の拡大に伴い、ユーザー エクスペリエンス全体で、デジタル ソリューションの品質、インタラクティビティ、シームレスな統合に対するニーズが高まっています。当社は、ユーザー エクスペリエンスを向上させ、期待以上のものを提供するために、可能な限り AI の力を活用しながら、この課題に積極的に取り組んでいます。
Image courtesy of VERO
不動産ビジュアル マーケティングの変化において、Unreal Engine はどのくらい重要だったのでしょうか?

Kerimov 氏:
不動産業界の進化を見ていると、Unreal Engine は不動産マーケティングで驚くほど急速に普及しています。Unreal Engine はゲーム チェンジャーとして、あらゆることに対応できるソリューションになりつつあり、クリエイティビティと新しいアイデアを育む能力で変化を後押ししています。

貴社は、不動産のデジタル ツイン制作のエキスパートとなりました。デジタル ツインは、不動産モデルから地理的地域のプラットフォームまで、あらゆるものにとってなぜこれほど重要な要素になったのでしょうか?

Kerimov 氏:
デベロッパーや顧客の期待が高いため、特に都市部では、人目をひくプロジェクトが求められています。課題に加えて、当社は時々刻々と変化する都市計画の世界でよりスマートな意思決定を行うために、最新情報をすぐに入手できることの重要性を認識しています。
Image courtesy of VERO
アムステルダムでの業務、特にデジタル ツインの進化した活用方法がアムステルダムでどのように発展したかについて教えてください。

Kerimov 氏:
最初のうちは、急成長を遂げるアムステルダムの商業地区の画期的なプロジェクトを作成することに注力していました。ですがあるとき、地区全体のデジタル ツインを作成するというアイデアを思いついたのです。突然ひらめいたアイデアでしたが、このアイデアをぜひ実現したいと思いました。そして当社の優れた営業チームと協力して、このアイデアを実現することができたのです。あらゆる段階で微調整を重ね、ユーザー フレンドリーで、ワクワクしながら探索できるプロダクトになるように努めました。

現在、このデジタル ツインは、商業、テクノロジー、都市開発の機能とエンターテインメントの要素をシームレスに融合させた、アムステルダムを象徴する区域をデジタルで再現しています。このデジタル ツインはもはや単なるモデルではありません。管理が容易であるだけでなく、マスター プランや都市インフラのさまざまな開発シナリオに柔軟に対応できる、進化するプラットフォームとして機能しています。この領域で Unreal PSG が活躍するわけですが、これは当社にとって大きな発見であり、想像以上の成果をもたらしてくれました。 

当社のデジタル ツインは、この地域のさまざまな企業によって、将来の意思決定や開発に利用されており、地域にとって経済的にさらに価値あるものとなっています。
Image courtesy of VERO
アムステルダムのデジタル ツインにはどのようなデータを取り込んでいるのでしょうか?

Kerimov 氏:
これは、このエンジンの魅力の 1 つなのですが、統合に対してオープンであるため、ほぼすべての種類のデータを視覚化できる無限の可能性を秘めています。当社はアムステルダムが提供するオープン ソースのデータを使用しました。たとえば、この地区内の近隣地域におけるエネルギー消費タイプを表示し、時間の経過に伴う変化を遡って調査することができます。 

静的データは、大量の情報の各種の分析処理に基づくことがあります。動的データは、IoT デバイス、交通機関の各種センサー、エネルギー インフラなど、まったく異なるソースから取得されることがあります。ビジュアライゼーションの問題は、チームのクリエイティブなアプローチに左右されますが、これは私たちにとって常に刺激的で挑戦しがいのあるプロセスです。

VERO では Unreal Engine をどのように使用しているのですか?また、チームにとって Unreal Engine が重要である理由を教えてください。

Kerimov 氏:当社のチームは、Unreal Engine を主にプロダクトの作成に使用しています。Unreal Engine をグラフィックとレンダリングに使用し、高品質の画像やアニメーションを作成しています。また、Web コンテンツのレンダリングにも使用し、すべてのプラットフォームですべての要素が適切に機能することを確認しています。
Image courtesy of VERO
貴社の業務にとって重要なツールや機能について教えてください。

Kerimov 氏:
パス トレーシングや Lumen のようなレンダリング テクノロジーを使用し始めたとき、こういった機能は、当社にとってゲーム チェンジャーになると感じました。実際当社のアプローチと仕事の進め方全体が変わりました。また、Epic Games が Nanite テクノロジーと HLOD を発表したときは、本当に感激しました。こういった進歩により、当社が実現できることが完全に変わり、新たな可能性が開かれたのです。 

Unreal Engine と Epic Games のエコシステム機能の中で、お気に入りの機能とその理由について教えてください。 

Kerimov 氏:
当社のチームにとっては、このエンジンの効率性とユーザー フレンドリーであるという点に大きな価値があると考えています。視覚的なフィードバックがすぐに得られるので、作業内容がすぐに確認できます。さらに、アニメーションとリアルタイム レンダリング ツールは、当社のワークフローにぴったりで、業務に欠かせないツールになっています。
Image courtesy of VERO
デジタル ツインと不動産ビジュアライゼーションの今後の方向性についてはどのようにお考えですか?

Kerimov 氏:
デジタル ツインの活用方法は急速に拡大しています。プロジェクトが拡大するにつれて、段階的なアプローチが非常に重要であることがわかってきました。当社はサウジアラビアでの業務を開始しました。サウジアラビアは、特に不動産分野で、大規模な投資と画期的なイノベーションのホットスポットとなっているのです。私は、将来的には、オンライン プラットフォームが、さまざまな詳細度やクールなビジュアルを備えた、素晴らしい 3D ワールドになると考えています。重要なのは、さまざまな種類の情報を融合させることで、ユーザーの注目を集め、参加したくなるような体験を創出することです。

VERO は今後どのようなことを、どのような方法で成し遂げたいと考えていらっしゃいますか?

Kerimov 氏:
当社の目標は、最先端テクノロジーを活用しながら、グラフィックをさらにリアルに表現し続けることです。同時に、さまざまな種類のデータを 1 つのプラットフォームに統合し、都市環境をより正確にシミュレートできるようにしたいと考えています。

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