日本でVirtual Art Departmentを目指す。
Pixomondoが提供する
アカデミーが開校。
 

2024年12月19日
バーチャル背景と実物の被写体を同時に撮影することで、リアルロケーションのような撮影を実現するバーチャルプロダクション(以下VP)。アンリアルエンジンを用いた撮影手法であるIn-Camera VFX※の普及により、より効率的かつ難易度の高い映像制作を実現する技術として注目を集めています。
日本国内でも対応スタジオの数が年々増加し盛り上がりを見せる一方、この急成長を支える技術人材が不足しています。
特に、新たなる役割として求められている、リアルタイムレンダリングを活用した3DCGコンテンツを手掛けるVirtual Art Department (以下、VAD)人材の確保には大きな課題があります。
ソニーPCLは、VPで世界をリードするPixomondoが手掛ける教育プログラムをベースとした「PXO’s VP Academy for VAD」を、日本国内におけるVP人材育成のために開講しました。
 
※大型LEDディスプレイ、カメラトラッキングとリアルタイムエンジンを組み合わせた撮影手法のひとつ。主に3DCGで作成した背景(バーチャル背景)を大型LEDディスプレイに表示し、その手前に実際のオブジェクトや人物を配置してカメラで撮影することで、背景に映し出された場所で実際に撮影したかのような映像を制作する技術。
 

Pixomondoについて
 

アカデミー賞®やエミー賞®、VESアワードの受賞歴を持つVFXカンパニー Pixomondo Inc.(以下、PXO)は、ハリウッド大作から『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』などの人気ドラマシリーズまで数多くのVFXを手掛けています。

これまで20を超える業界アワード受賞とノミネート実績を誇り、世界中のストーリーテラーや制作総指揮者たちに信頼を受け、2001年以来、マーティン・スコセッシ監督のアカデミー賞受賞作『ヒューゴの不思議な発明』(2011年)やHBOのエミー賞受賞作『ゲーム・オブ・スローンズ』から、Amazonの『ザ・ボーイズ』、HBOの『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』、Netflixの『ほの蒼き瞳』など、象徴的な作品の制作に携わってきました。
 
VPでは、制作からポストプロダクションに至るまで、クライアントのクリエイティブビジョンの実現をサポート。インタラクティブ技術と独自のソフトウェア、ソリューションを駆使し、クリエイティブプロセスのすべての段階を通じて、映画制作者が想像した世界にバーチャルに没入することで、アイデアに命を吹き込みます。LEDを活用し制作したPXOの最新作品には、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』、『スター・トレック:ディスカバリー』、『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』、Netflix『アバター:伝説の少年アン』が含まれます。米国、英国、ドイツ、カナダに7つのスタジオを保有し、3つのLEDステージを運営しています。


ソニーPCLは、日本国内にいち早くVPの提供を開始した企業のひとつです。自社が運営する「清澄白河BASE」を拠点に、VPやボリュメトリックキャプチャなど、先端テクノロジーを活用した映像表現を作品制作で活用できる環境を提供しています。

PXOとソニーPCLは、2022年10月にPXOが米国ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント傘下になったことをきっかけに交流を開始。

2024年4月に行なわれたイベント「Virtual Production Boost 2024」では、合同のワークショップを開催したり、ソニーPCL製作のショート動画「リテイク」を共同制作するなど、連携が続いています。
 

 
Behind The Scenes of "RETAKE"

「PXO’s VP Academy for VAD」とは
 

PXOは、不足するVP人材の育成を目的に、2021年から北米で「PXO’s VP Academy for VAD 」(以下VPA)の提供を開始しました。

これまでのVP制作経験を基に、VFX制作におけるVPの必要性を理解しながら、受講後は撮影現場で戦力になるスキルが習得できる、実践的なカリキュラムです。
 

現代の映像制作に重要なVADの存在
 

VADは、伝統的なセット・デザインと最先端のVPテクニックをつなぐ、現代の映画制作にとって重要な役割を担います。主に担当するのは、VPやプリビジュアライゼーションの領域です。アンリアルエンジンなどのツールを使用し、キャラクター、小道具、背景など、すべての必要なデジタルアセットを制作します。さらにVAD アーティストは、それらの設計において、どれを現実空間で美術としてつくるのか、そしてどこをバーチャル空間上で表現するのかを決定します。
重要な役割のひとつとして、現実空間にあるセットやロケーションを、デジタルデータへとキャプチャする役割があります。フォトグラメトリなどの技術を使い、現実空間の精緻な3Dモデルを作成するこの工程でつくられたデジタル・レプリカを使用することで、リアル空間の俳優とバーチャル空間やバーチャル背景をシームレスに融合させることができるようになります。
また、VADアーティストはゲームエンジン等を使用し、バーチャル空間上でのロケハンも実現します。それにより、制作スタッフは撮影候補地に物理的に移動することなく、迅速にロケ地を検討することができます。また、撮影候補地で何ができるのか、十分にシミュレーションした上で決定することが可能です。
さらにもうひとつの重要な役割として、撮影監督のためのライティングシミュレーション環境の開発を行います。それを活用することで、撮影監督はさまざまな照明のセットアップなどを試すことができるようになります。それにより、時間とリソースを効率的に使いながら、撮影の品質に対するイテレーションを行なうことができるため、制作プロセスにおける自由度と柔軟性が向上します。
VADアーティストは、アンリアルエンジンなどを活用したリアルタイムレンダリングとデジタルツールをフル活用し、制作スタッフに創造的なビジョンを描くための新たな形を提供します。
 

ソニーPCL版「PXO’s VP Academy for VAD」とは
 

ソニーPCLが日本国内で展開する「PXO’s VP Academy for VAD」は、カリキュラムの日本語対応はもちろんのこと、日本の映像制作者の理解促進を目指した独自プログラムです。現在はオンラインを中心に提供をしていますが、今後はスタジオでの実習やワークショップの開催など、いろいろなバリュエーションの提供を予定しています。
第一弾として、映像クリエイター向けのオンラインメディアを中心に事業を展開する、株式会社Vookが運営する"Vook school"を通じて、プロフェッショナル向けの実践講座をオンラインで提供します。

オンラインでのオンデマンド学習を中心に、VFXの制作全般におけるVP活用の利点や必要とされるワークフロー、空間設計やライティングなどを含めたアンリアルエンジンの実践的な使い方など、VADに必要な知識を習得することができます。
撮影に向けた、LED背景となる3DCG制作はもちろん、アンリアルエンジンを使ったライティングシミュレーションやプリビズ制作など、プリプロダクション段階でのクリエイティブ探求についても学習することが可能です。

PXO's VP Academy for VAD公式ページ:https://vook.vc/p/virtual-production
 

カリキュラム

カリキュラムは約40時間におよぶ5つのコースで構成されています。各コース後には課題提出があり、学習深度を確認しながら学ぶことができます。

さらに、撮影の基礎知識として必要なカメラやLEDボリュームについて学べるボーナスコンテンツがあるほか、受講生には学習リファレンスとしてPXOが制作した3DCGアセットのデータ2種類を提供しています。

本取り組みはPXOの業界をリードする専門知識に加え、日本国内においてソニーPCLが「清澄白河BASE」で培ったVPによる制作ノウハウを組み合わせることで、次世代のVP専門家を育成するものです。

実践的なスキルを習得し、最新のVP技術を学ぶことで、映像制作の現場で即戦力となるスキルを身につけることができる「PXO's VP Academy for VAD」。
未来の映像制作を担う技術者としての第一歩を踏み出したい方は、ぜひ公式ページをご覧ください。
 

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