本日はよろしくお願いいたします!まず、Rotor Studios では Unreal Engine をどのように活用されているのか、教えていただけますか?
Rotor Studios のチーフ クリエイティブ テクノロジスト、Luke Sandford 氏:Rotor Studios は常にクリエイティビティと最新技術を融合させてきました。1998 年にフルサービスの制作会社として設立された Rotor Studios は、数々の受賞歴を誇る CG スタジオ兼ソフトウェア開発チームへと成長を遂げてきました。
2000 年代初頭に、実写映像から CG へ移行し、約 10 年前にはリアルタイム CG 技術である Unreal Engine を導入し、インタラクティブ ショールームのコンフィギュレーターを開発して、オーストラリア全土のトヨタおよびレクサス販売店に導入しました。
Unreal Engine のビジュアル忠実度およびパフォーマンスの継続的な向上と、より柔軟なコンテンツ構成を求めるクライアントの要望の高まりに対応するため、Rotor Studios では、CG 制作パイプラインのプロセスを拡張し、Unreal Engine をレンダラとして活用する方向で進めています。
Unreal Engine は、自動車のコンテンツや動画から VR/AR、コンフィギュレーターに至るまで、あらゆる作業の基盤となっています。高画質の静止画には、パス トレーサーを、動画にはシーケンサーとコントロール リグを、インタラクティブ機能には、Python、C++、およびブループリントを活用しています。
また、塗料、プラスチック、布地用の Substrate ベースのマテリアル ライブラリを構築し、さまざまな媒体で一貫したルック デベロップメントを実現しています。Rotor Studios の科学的キャプチャ プロセスは、きわめて高い物理精度で自動車の素材を再現します。
Unreal Engine は、当スタジオの CG 制作パイプラインにおいて、まさに中核を担っています。
Unreal Engine は Rotor Studios にどのような価値をもたらしているのでしょうか?
Sandford 氏:品質、柔軟性、そしてスピードですね。Unreal Engine を使うことで、以前の CG パイプラインよりも迅速かつコスト効率よく、クライアントにフォトリアルな体験を提供できます。また、当スタジオのあらゆるマーケティング コンテンツや体験に活用しています。Unreal Engine で車のライティング、シェーディング、アニメーションを作成し、共通のソースから、迅速にウェブ コンフィギュレーター、VR 体験、パーソナライズ可能なマーケティング コンテンツに展開できるのです。
統合された Unreal Engine パイプラインにより、車両のデジタル ツインを一度作成または更新するだけで、リアルタイム、モーション、スタティックなど、あらゆるアウトプットに使用できます。
Unreal Engine を使用することで、制作の柔軟性、アウトプットの品質、制作スピードが理想的なバランスで実現されています。
Unreal Engine を使うことで、仕事の獲得にはどのように役立っていますか?
Sandford 氏:当スタジオは、主要なお客様と 20 年以上にわたり取り引きさせていただいていることを誇りに思っています。当スタジオのお客様との仕事は、通常、コンサルティング ワークショップから始まります。お客様の要件をヒアリングし、3D アセット (ある場合) の現状を把握したうえで、リアルタイム ワークフローでお客様の問題をどのように解決できるかをデモします。
Unreal Engine は、そのプレゼンテーションで非常に役立ちます。リアルタイムに動作するフォトリアルで、構成可能な車両を実際にお見せすることで、お客様に興味をもっていただくことができます。複雑なプロジェクトにおける当スタジオの経験と実績が大きな役割を果たしているとはいえ、UE で制作したプロトタイプがお客様にとって非常に具体的な体験となり、これが大変役立っています。
UE を活用することで、Rotor Studios のお客様にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
Sandford 氏:自動車 OEM メーカーにとって、Unreal Engine は承認サイクルを短縮し、あらゆるメディアで一貫したフォトリアルな外観を実現します。
当スタジオのワークフローでは、アセットの再利用とモジュール型コンテンツを重視しています。UE で車両を適切に作成すれば、重複作業なしで、コンフィギュレーター、マーケティング画像、没入型体験などに活用でき、既存のパイプラインに比べて最大 100 倍迅速化できます。この「一度作成すれば、どこででも使える」という理念は、投資収益率 (ROI) を向上させ、同じ予算でより多くのコンテンツを提供することを可能にしています。
この手法を適用し、メルセデス、日産、フォードなどのブランド向けにインタラクティブ ショールーム XR (Google の ISXR を活用) 体験を作成しました。この体験では、Unreal Engine で制作したアセットが拡張現実 (AR) のコンテキストに導入されています。
これらのプロジェクトでは、お客様はスマートフォンを使ってフォトリアルな車両を実世界に配置したり、色やトリムを即座に変更したり、技術的なディテールをオンザフライで確認したりできます。
AR 体験では、コンフィギュレーターと同じ UE で制作したマスター アセットが使用されています。そのため、ウェブ、ディーラー、マーケティング チャネル全体でビジュアルの一貫性が保持されます。また、購入時の意思決定もよりスムーズになります。お客様は自分の思い描く車を実寸で確認し、インタラクティブにオプションを検討できるため、確信をもって購入できるようになり、全体的な体験が向上します。
同様に重要なのは、こういった体験がリアルタイムでインタラクティブであるという点です。どのアクセサリがどのモデルに対応しているかといった複雑なルールは、バックグラウンドでシームレスに処理されるため、お客様は直感的に操作できます。この使いやすさは販売プロセスでは不可欠な要素となり、購入者に魅力的で透明性が高く、最新の体験を提供することで、ディーラーや OEM は、より効果的に販売できるようになります。
つまり、Unreal Engine を使用すると、高忠実度の車両アセットを一度構築するだけで、複数のチャネルにそのアセットを展開し、現代の自動車購入者の心を掴む、リッチでインタラクティブな体験をこれまでよりも迅速かつコスト効率よく提供できるのです。
今後のビジョンについて教えてください。
Sandford 氏:私たちは、将来的には、すべてがオンデマンドになると確信しています。これには、静止画、動画、インタラクティブな体験など、あらゆるものが含まれます。Unreal Engine は、ジャスト イン タイムで作成できる独自の機能を提供し、モジュール式のクリエイティブなストーリーテリングの未来を切り開きます。
リアルタイム ワークフローは、自動車マーケティングの標準になりつつあります。動画、静止画、コンフィギュレーター、そして没入型体験を単一セットのアセットに統合することで、すべての人に大きなメリットがもたらされます。当スタジオは、プロシージャル ツール、AI を活用したコンテンツ制作、クラウド レンダリングに重点的に投資していきたいと考えています。
また、Unreal Engine のヒューマン マシン インターフェース (HMI) 開発における可能性についても検討を開始しています。HMI は、リアルタイム ツールが、単なるマーケティングではなく、車内体験そのものを制作するうえで役立つ、非常に興味深い分野です。
Epic がこの分野でどのような新機能を導入し、OEM とエンドユーザーの双方が直感的で視覚的に豊かなインターフェースを作成できるよう、どのようにサポートしていくのかを、とても楽しみにしています。
UE が進化を続ける中で、当スタジオは常に最前線に立ち、オーディエンスを魅了し、お客様の自動車販売促進に貢献できる体験を作成し、この素晴らしいツールキットが生み出す可能性を探求し続けていきます。
この機会をいただき、改めて感謝申し上げます。今後も引き続き協力し、より多くの UE ユーザーがこのエンジンを最大限に活用できるようサポートできることを楽しみにしています。