Image courtesy of Konami

Unreal Engine スポットライト:コナミの eFootball ウイニングイレブン 2020 モバイル

Daniel Kayser
1990 年代半ばまで歴史を遡ることができるコナミのウイニングイレブン フランチャイズは、世界中のサッカー ファンのお気に入りであり続けています。新作がリリースされるごとにリアルさを向上させながら、同時に拡大 (および熟練) しつつあるファンの期待に応えています。

数年前に、コナミは、できるだけ多くのプレイヤーにシリーズを届けると同時に、既存のファンが外出先でもゲームを遊べるようにしたいと考えました。そうした抱負とは別に、ウイニングイレブンのモバイル版をリリースし、毎年改善していくということは、開発チームがいくつかの技術的な課題に対処する必要があることも意味していました。開発チームは、利用可能なエンジンの選択肢について評価する必要がありました。
 

マネージャーの荒木一希氏は次のように述べています。「サードパーティ製のゲーム エンジンを使っていて、ある日、そのエンジンのサポート終了が近付いていることを知りました。そこで、いくつかのエンジンの評価を開始して、最終的に UE4 を選択しました。ウイニングイレブンは毎年新しいバージョンをリリースしています。バージョンごとにその時点でのサッカー シーンを反映したものにして、新しい機能を追加しています。Epic が、常に自らに挑み続け、Unreal Engine の新しいバージョンを頻繁にリリースし、新規プラットフォームとの互換性など、新しいテクノロジーを導入し続けていることがわかりました。UE4 は私たちのポリシーやコア バリューによくマッチしていると思いました。また、UE4 はドキュメントが豊富で、UE4 に熟練したデベロッパーは世界中に大勢います。UE4 を使えば、アーティストがエンジニアの助けを借りることなくイテレーションを行うことができ、非常にスピーディな開発が可能になります。こうした要因や、その他にもいろいろなことを考慮した結果、UE4 の採用を決定しました」

ディレクターの柳原秀紀氏は次のように述べています。「モバイル版の目標は、ゲームプレイの面でコンソール版と同等のユーザー エクスペリエンスを提供することでした。その目標を達成するために、UE4 を使用するオリジナルのコンソール版と同じようにモバイル版を動作させる必要がありました。もちろん、最大の違いはゲームの操作です。コンソール版ではコントローラ、モバイル版ではタッチ操作を使います。多くのプレイヤー、特に新規のプレイヤーがモバイル版でこのフランチャイズに触れることになるだろうと考えました。そこで、ゲームの操作を直感的でわかりやすいものにするために努力して、簡単で理解しやすい UI を作成しました」
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アシスタント プロデューサーの阿部洋介氏は次のように述べています。「もちろん、大きな挑戦でしたが、コナミがモバイル版に真剣に取り組んでいることを既存のプレイヤーに示すことができたと考えています。結果として、コンソール版と同等の品質をモバイル版で実現でき、サッカー ファンの間では大ヒットとなりました」

必然的に、コンソールとモバイルでの最大の相違点の 1 つは操作でした。開発チームは、ベテランのプレイヤーにはウイニングイレブンらしさを伝え、同時に新規のプレイヤーを迎え入れられる操作方法にしたいと考えていました。

阿部氏は次のように述べています。「ウイニングイレブンに慣れていない、あるいはモバイル版を始めたばかりの初心者にとって大きな問題となったのは、モバイル ユーザーにとっては操作が複雑すぎるかもしれないという点でした。この問題を解決し、初心者のユーザーのニーズに応えるために、モバイル版では 2 種類の操作方法を実装することにしました」
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1 つ目のタイプは『クラシック』です。モバイル デバイスの画面上にバーチャル パッドを表示します。このオンスクリーンのバーチャル パッドによって、コンソール版やほかのモバイル サッカー ゲームをプレイした経験があれば、ウイニングイレブンのモバイル版をすぐに始めて慣れていくことができます。2 つ目のタイプは『アドバンス』です。これはウイニングイレブンのモバイル版のために新規に開発しました。このモードでは、画面にボタンは一切表示されません。スワイプやタップのみで、何でも好きなように操作できます」

「アドバンス モードはとても直感的でわかりやすいと考えています。モバイルでのサッカー ゲームに慣れていないプレイヤーにとってもわかりやすく、最初からゲームを楽しめるようになっています。先ほど述べたとおり、新規のプレイヤーや初心者のために、直感的で最適な操作方法を提供しようと心がけました。ウイニングイレブンに慣れたプレイヤー向けには、コンソール版と同じくらい楽しい対戦モードを提供しようと努めました。この 2 つのアプローチによって、新規のプレイヤーと経験豊富なプレイヤー、双方にアピールできていると考えています」
 
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モバイル版を開発したチームにとっては、コアとなるゲームプレイ エクスペリエンスを維持するだけでなく、コンソールからモバイルへの変換を通じてゲームの高品質なビジュアルを保つことも不可欠でした。マネージャーの永井亨氏は次のように述べています。「ウイニングイレブンのコンソール版のファンからは多数の好意的なフィードバックをいただいています。ですから、モバイル版についても同等の品質のグラフィックスを目指しました。最も誇りに思っているのはライティングです。とてもリアルなビジュアルを作り出すことができました。シャドウがあることでプレイヤーにとって見づらくなり、ゲームをプレイしづらくなるというケースもあり得ましたが、そうした状況を回避することができました。リアルに見えて、プレイもしやすい、そういったゲームを作ることができたと考えています。これからも、より多くの UE4 の機能を活用して、ゲームの改善を続けていきたいと思っています」

コナミは、ウイニングイレブンモバイル版だけでなく、シリーズの次世代の作品のためにも Unreal Engine を活用する予定です。
 

ウイニングイレブン フランチャイズの詳細については、コナミの公式 Web サイトをご覧ください。

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