1997年に創業した NEOWIZ は、ソーシャル プラットフォームとオンライン ゲームのパイオニアです。韓国の大手ゲーム会社の 1 社として、さまざまな PC および モバイル ゲームを 2003年からリリースしてきました。近年では、Brave Nine、Skul: The Hero Slayer、Lies of P、DJMAX RESPECT V など、複数の大きな成功を収めたタイトルを開発およびリリースしています。
世界でも有数の古典的おとぎ話に驚きの新解釈が登場しました!ぜひその詳細をご覧ください。ピノキオからインスピレーションを得た NEOWIZ と Round8 Studio が新しい物語を作り、次のアクション アドベンチャー ゲームとして Lies of P をリリースします。主人公のピノキオは、悪いことをする無口な操り人形ではなくなり、廃虚と化した都市、クラットをさまよい歩く戦士となります。
Lies of P では、プレイヤーは伝染病に感染した市民や人形型ロボットとの白兵戦に身を投じていくことになります。病や機能停止によって廃墟化してはいるものの、クラットの通りやインテリアはフランスのベル エポック時代のスタイルをまとっています。グランド ホワイエや美術館を戦いの舞台にしながら、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合った新しい武器を作成し、ユニークな能力をもたらす Legion Arms (レギオン アーム) を装備します。
Lies of P の成果はそのリリース以前からすさまじく、「Best Action Adventure Game」、「Most Wanted Sony PlayStation Game」、および Gamescom の 2022年度の賞である「Best Role Playing Game」を受賞しています。初めてのソウルライク ゲームの開発、強烈なゲームの雰囲気の作り方、ゲームを実現するにあたって Unreal Engine がどのように役立ったかについて、Round8 Studio に話をうかがいました。
Lies of P は、NEOWIZ と Round8 Studio にとって初となるソウルライク ゲームですね。 このゲームの影響について教えていただけますか?
Round8 Studio は、以前に Bless Unleashed を制作されています。これは MMORPG であり、Lies of P とは大きく異なるように思えます。 前回のタイトルの制作で Lies of P に活用できる部分やベースにできるところなどはありましたか?
Round8 Studio: ジャンル的に、Lies of P は Bless Unleashed とは大きく異なるといえるでしょう。Lies of P についてはゼロからスタートしました。しかし、Bless Unleashed を開発していたことで、Unreal Engine での開発の経験やノウハウのメリットを活かすことができました。
Round8 Studio: Lies of P では、ピノキオの原作の物語や、さまざまなキャラクター、キャラクターやゲームの設定の背後にある原作の嘘の要素から大いにインスピレーションを得ています。しかし、独自のひねりや解釈も込めています。ゲーマーが原作の物語をよく知っていれば、原作につながるところや原作を呼び起こすような部分を多数発見できるでしょう。クラットの都市を旅しながら、ゲーマーがこうした隠れた物語を見つけてくれることを期待しています。
画像提供:NEOWIZ Games
舞台は「ベル エポック」と呼ばれるフランスの一時代からインスピレーションを得ていますね。 Lies of P にこのようなデザイン面での選択が適切だったのは、どのような理由からでしょうか。
Lies of P のワールドやキャラクターのインスピレーションの元となった物語や歴史上の人物は、他にもありますか?
Round8 Studio: Lies of P は、誰にも馴染みのある話やおとぎ話のような作品など、複数の情報源からインスピレーションを得ていますが、一方では欲やカルト信仰といった、より大人のテーマも持っています。こうした影響は、映画、小説、絵画、ゲームなどに影響が広がっており、特定の例まで絞り込むのは難しいところがあります。また、チームでは、制作中に畏敬を感じるほどすばらしいインスピレーションを得ることもありました。
過去にはこうした影響について特定の名称を述べたこともあるのですが、インスピレーションということについては、当スタジオのクリエイティブなビジョンを形成する源が無数にあります。人々がこうしたインスピレーションをそれぞれ独自に解釈する方法を確認するのは興味深いことです。また、それは当スタジオが新鮮かつこれまでになかった解釈を生み出そうと取り組む中で Lies of P の表現方法を見出すことにもつながりました。
画像提供:NEOWIZ Games
Black Brotherhood (ブラック ブラザーフッド) は、ピノキオに襲いかかるキャラクターのグループですね。 このような特徴的な敵を制作したプロセスについて、詳細をうかがえますか?
Round8 Studio: Black Brotherhood は、ピノキオの原作にある黒いウサギを元にしています。これはどうしても Lies of P に盛り込みたいものでした。黒いウサギには、原作の物語にある独特の設定や、価値観、記憶に残る部分などが存在するからです。
武器作成と P の相互交換可能な Legion Arm の組み合わせにより、戦闘には圧倒的なバラエティがもたらされます。 Lies of P の戦闘に関する、チームによる設計の全体的な考え方について説明していただけますか?
Round8 Studio: Lies of P の戦闘に関する当スタジオの設計の考え方は、より多くのバラエティの提供と、楽しい体験の実現を軸としています。プレイヤーにとって、自分に合っていると感じる戦闘の体験を実現する柔軟性を提供したいと思っていました。それにより、Lies of P は確実に、プレイスタイルの選択肢を多数提供し、再プレイのしやすさを促し、最終的には満足のいくバラエティ豊かな戦闘体験を提供します。ここでは、武器のカスタマイズだけでなく、P の相互に交換可能な Legion Arm も寄与します。このアプローチは、複数のプレイスタイルを可能にするだけでなく、各プレイスルーで異なるユニークな体験を提供することも実現しています。
Lies of P の映像は非常に素晴らしい仕上がりになっています。 高忠実度のグラフィックスやビジュアル スタイルについて、チームではどのようなアプローチを行いましたか?
Round8 Studio: Lies of P の高忠実度のグラフィックスや全体的なビジュアル スタイルの作成は、さまざまな関係者を巻き込みながら、極めて注意深く行う、協力を伴うプロセスでした。すでにアート コンセプトの段階で、デザイナーとアート チーム間の協力やディスカッションが活発に行われました。ビジュアルについては、血なまぐさいものや、奇妙なもの、美しいものなどを同時に、さまざまなデザインで提示するように努力しました。
グラフィックスの面では、Lies of P に必要なデザインと品質を視覚的に表現するのに Unreal Engine が特に最適でした。さらに、Unreal Engine は、迅速なプロトタイプ作成、テスト、およびイテレーションによる開発を重視する、Round8 Studio のプロダクション スタイルともぴったりだったのです。Unreal Engine に搭載されているブループリントにより、ゲームプレイのメカニックやシステムを便利かつ効率的に実装する手段を得ることができ、開発プロセスが効率化されています。
Lies of P の開発に特に役立った Unreal Engine の機能はありましたか?
Round8 Studio: ブループリントはアクセスしやすく、多用途に対応するため、デベロッパーは迅速にプロトタイプを作成してテストし、最終的な結果を予想することができます。このことは、Round8 Studio にとって圧倒的なメリットがありました。
Lies of P がソウルライク ゲームであることを踏まえると、満足のいくインパクトがあるアクションを実現することが最優先事項となります。Unreal Engine のアニメーション モンタージュおよびアニメーション通知は、戦闘の体験を微調整するうえで、極めて重要な役割を果たしました。こうした機能のおかげで、チームではアニメーションやモンスターの AI をチェックするのと同時に、戦闘のイテレーションでバランス、タイミング、応答性を微調整することができました。さらに、Niagara の活用は、ゲーム内で多数の GPU パーティクルの動きやイテレーションを管理するのに貴重なものでした。この機能は、チームが動的かつ視覚的に印象的なエフェクトを作成し、全体的な没入感や環境のインタラクティビティを強化するのに役立ちました。