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龍が如くスタジオの最新コンソール向けタイトル『 龍が如く 維新!極 』の開発に、Unreal Engine がどのように役立ったのか

Mike Williams
龍が如くスタジオは、2011 年から「龍が如く (海外タイトル:Yakuza)」シリーズの開発を主導してきました。10 周年を迎えた 2021 年 10 月、スタジオはエグゼクティブ プロデューサーの横山昌義氏が率いる新体制に移行しました。
龍が如くスタジオ チーフプロデューサーの阪本寛之氏は、2000 年に株式会社セガ・エンタープライゼズに入社して以来、プランナーとしてゲーム開発を行っています。2005 年から始まった「龍が如く (海外タイトル:Yakuza)」シリーズでは、監督を務めています。現在はシリーズ チーフ プロデューサーとして国内展開と海外展開を統括しています。
『龍が如く 維新!』が 2014 年に日本のみでリリースされたとき、「龍が如く」シリーズを取り巻く状況は今と大きく違いました。その 3 年後に『龍が如く 0 誓いの場所』が世界中で発売されると、欧米でシリーズ全体の認知度と人気が飛躍的に高まります。『龍が如く 維新!』のリリースからほぼ 10 年を経て、かつて「Yakuza」という名前で知られていたシリーズは、今や「Like A Dragon (龍が如く)」としても知られるようになりました。そして今回はついに、『龍が如く 維新!』がリメイクされた上で世界中のファンがプレイできるようになりました。

開発スタジオである 龍が如くスタジオ は、Unreal Engine を使用して『龍が如く 維新!』を完全リメイクしました。新作『龍が如く 維新!極』では、「龍が如く」のおなじみのキャラクターを幕末の歴史上の人物として再キャストし、幕末の歴史を新しいスタイルで表現しています。この記事では『龍が如く 維新! 極』のリリースについて、最新コンソール向けの開発はどのようなものだったのか、なぜ今がリメイクの適切な時期だったのか、その過程で Unreal Engine がどのように役立ったかについて話を伺いました。
 

『龍が如く 維新! 極』は、2014 年に PlayStation 3 と PlayStation 4 でリリースされた『龍が如く 維新!』のリメイクです。今がリメイクの適切な時期であると判断した理由を教えていただけませんか?

龍が如く シリーズ チーフプロデューサー 阪本寛之氏:
主な理由は欧米のコミュニティです。龍が如くシリーズの欧米のファンから、かなり前から「『龍が如く 維新!』をローカライズしてほしい」という要望が多く寄せられていました。2 つ目の理由は、セガのローカリゼーション チームの自信です。日本の歴史と深く結びついた作品なので海外向けのローカライズは難しいと考えていましたが、ローカライズ チームが「できる」と自信を持って言ってくれたのです。こうした 2 つの理由により、開発が開始されました。

『龍が如く 維新! 極』の開発におけるチームの主な目標は何でしたか?

阪本氏:
『維新! 極』の主な目標は、私たちが作るすべての製品と同じです。つまり、プレイヤーに楽しく高品質な体験を提供することです。『龍が如く 維新!』は、国内でも最も評価の高い作品の 1 つであり、あらゆる最新プラットフォームで世界中のファンにも体験してもらいたいと思ったのです。

『龍が如く 維新! 極』では、既存の「龍が如く」ファンの期待を裏切らないようにする一方で、新作ならではのユニークな体験をどのように提供しようと考えましたか?

阪本氏:
この『維新! 極』は絶対にプレイすべき決定版となるでしょう。ゲーム全体が一から作り直され、最新プラットフォーム向けに洗練されたものになっています。キャストも世代交代を行っています。『維新! 極』ではコア シリーズのキャラクターがカメオ出演しています。最も人気のある 2 つのタイトル『龍が如く 0 誓いの場所』と『龍が如く 7 光と闇の行方』はオリジナルの『龍が如く 維新!』の後にリリースされたので、今作ではこれらのタイトルで人気だったキャストが全員出演するように変えています。
『龍が如く 維新! 極』は坂本龍馬と新撰組の物語といったような、日本の歴史が元になっています。ファンが「龍が如く」に期待しているスタイルや雰囲気をそのまま維持しながら、日本の歴史をどのように同作品で再現しましたか?

阪本氏:
実際のところ、坂本龍馬が登場する幕末時代が舞台のゲームはすでにたくさんあります。正確な歴史をなぞるだけでは意味がありません。そのため、「こうしたコンセプトを新鮮味があり興味深いものにするにはどのようにすれば良いのか」や、「龍が如く」の特徴であるナラティブなストーリーテリング、ユーモア、トーンを歴史的な設定にどのように合わせるのかについて深く検討しました。今作は、スタジオ ディレクターの横山昌義氏の「謎の男、坂本龍馬が仮名を使って新撰組に入ったら?」という発想からスタートしています。そのアイデアからすべての要素をまとめ、「龍が如く」のエッセンスを加えました。

『龍が如く 維新! 極』で再び登場させるのが楽しみだったキャラクターはいましたか?

阪本氏:
キャラクター全員です。時を越えて皆を集結させることができて、うれしかったです。 

今作はリメイクですが、ゲームプレイ機能や元のゲームの要素として新しく追加したかったものはありますか?

阪本氏:
戦闘における最大の変更点の 1 つとして、隊士カードと隊士スキルがあります。

[元のゲームで] 好評だったポイントの 1 つは、プレイヤーがリアルタイムでアクティブにできるパワフルな隊士スキルと一時的なパワーアップが可能な隊士カードでした。前作では一部エリア限定の機能でしたが、今作ではストーリー上使用可能になったらいつでも隊士スキルを使えるように変更しました。また、さらに洗練させています。前作からの新しい隊士も多く追加しました。Kenny Omega 氏や Rahul Kohli 氏、Nyanners 氏といったような特別ゲストも出演します。「龍が如く」のファンは、そういった心強い隊士のスキルを活用して戦闘を行えます。
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殴り合いの戦闘が多かった以前の「龍が如く」シリーズと比べて、『龍が如く 維新! 極』では武器での戦闘がより多くなっています。これにより、戦闘システムと全体的なゲームバランスはどのように変わりましたか?

阪本氏:
過去の「龍が如く」シリーズでは、カジュアルなプレイヤーでも簡単なボタン連打でゲームをクリアできるようにすることに焦点を置いていました。『維新!極』でも同じようにしていますが、ゲーム中にプレイがレベルアップした際の自由度をもっと高めたいと考えていました。そのため、プレイヤーが自分好みの特化したスタイルでプレイできるように、スタイルに合わせて武器と能力がレベルアップする設計にしています。

隊士カードは、プレイヤーが特定のカードを獲得することで新しい能力のロックを解除できるカードベースのスキルシステムですが、これはオリジナルの『龍が如く 維新!』では、バトルダンジョンに限定されていました。しかしリメイク版では、ゲーム全体で使えるようになっています。このように変更した理由について、詳しく教えていただけませんか?

阪本氏:
隊士カードをゲーム全体で使えるようにしたのは、単にこのシステムが楽しいからです。強力な敵を倒す方法をプレイヤーが戦略的に考えられるようにしたかったので、隊士カードが使用できる場面をさらに増やして、攻撃、防御、ユーティリティを計画的に実行できるようにしました。最終的にどう使うかはプレイヤー次第なので、龍馬のキットを自分好みにカスタマイズして楽しんでいただければと思います。

龍が如く」の前作ではミニゲームが人気でした。リメイク版のミニゲームはどのようになっていますか?

阪本氏:
一部のオンライン機能を除いて、オリジナル版のすべてのミニゲームが復元されています。また、龍が如くの定番ミニゲームにもいくつかの追加要素があります。歌まる屋の歌う (カラオケ) ミニゲームでは、ひょっとするとあなたの知っている曲が新しく追加されているかもしれません。
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『龍が如く 維新! 極』は、龍が如くスタジオで初めて Unreal Engine を使用したゲームです。このリメイクに Unreal Engine が最適だったのはなぜですか?

阪本氏:
『龍が如く 維新!』のリメイクが決まった時点で、チームでは Unreal Engine について詳しく調べていました。そのため、このエンジンの長所はよく知っていました。ライティングが主要な決め手となりました。「維新」の舞台は 1867 年だったので、自然光をきれいに表現する必要がありました。以前のゲームでは人工的なライティングが一般的だったので、大きく違うことになります。エンジンを比較した結果、UE のグラフィックが最も適していると判断しました。

『龍が如く 維新! 極』を制作する上で、1860 年代の京都という舞台とキャラクターを再構築するのに Unreal Engine がどのように役立ちましたか?

阪本氏:
これもライティングです。1860 年代の日本の建物は、障子や行灯などを通して自然光を取り入れるように設計されていました。こういったエフェクトもうまく再現できたと思いますので、楽しんでいただければ幸いです。
Image courtesy of Sega
開発プロセスで特に役立った Unreal Engine ツールはありますか?

阪本氏:
もちろんあります。プロセスの合理化と作業工数の削減に多くのツールが役立ちました。

一般的なツールでは、Unreal Insights が役立ちました。これでどの CPU スレッドがどれだけエフェクトを使用しているのかを視覚的に確認したり、ボトルネックを特定したりすることができました。

オブジェクトの作成では、スタティックメッシュ エディタが役立ちました。エディタの [デジタル コンテンツ作成 (DCC)] ツールを使用しなくても、最終的な [詳細度] の結果をビューアで即座に確認しながら、アセットを直感的に調整できます。キャラクター アーティストは、このビューアのおかげでライティングでの作業、詳細な情報の確認、各キャラクターに割り当てられたマテリアルとテクスチャ、ボーンとモーションへのアクセスがしやすくなりました。これにより、作業量を大幅に削減することができました。

Unreal の マテリアル エディタ は、『龍が如く 維新!』という古いゲームのリメイクを行うという点において特に役立ちました。マテリアル エディタの自由度が高いおかげで、元となったゲームの内容を確認するだけでなく、リメイク版に必要な表現を構築することができました。

最後になりましたが、龍が如くスタジオのゲームは、皆さんご存じのように映画やドラマのようなカットシーンが特徴です。シーケンサー ツールは、個々のカットのテクスチャを簡単に調整できるという点でデザイナーにとって非常に便利でした。

他にもたくさんありますが、特に便利だったのはこれらです。

貴重なお話をありがとうございました。『龍が如く 維新! 極』と龍が如くスタジオの詳細はどこで確認できますか?

阪本氏:
公式ウェブサイト で詳細をご覧いただけます。最新情報は Twitter の @RGGStudio をご確認ください。

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