文明崩壊後の世界を描く、鳴潮の ASG オープン ワールドの魅力を探る

2024年5月13日
Kuro Games は、高品質のコンテンツ駆動型ゲームの開発とオリジナル コンテンツの制作に取り組んでいるテクノロジー&インターネット企業です。当社は、3 つの卓越したタイトル Twin Tail BattlegroundPunishing: Gray Raven (パニシング:グレイレイヴン)鳴潮 (Wuthering Waves) を独自に開発しました。
Solon Li 氏は Kuro Games の CEO 兼プロデューサーで、10 年以上にわたりゲーム デザインとオペレーションに専念しています。Li 氏は、Kuro Games のオープンワールド アクション RPG、「Wuthering Waves (鳴潮)」の制作を監督し、開発のあらゆる段階を主導してきました。前作「Punishing: Gray Raven (パニシング:グレイレイヴン)」の大ヒットを足がかりに、Li 氏は、アニメ アクション ゲームのデザインとオペレーションに精通した多才なゲーム クリエイターとして、優れた知識を本作でも存分に発揮しています。
オープンワールド ゲームは、広大なランドスケープを探索するスリルと、戦闘の興奮が融合した、ファンタジーに満ちた冒険の世界を想起させます。プレイヤーは、多様なスキルや武器を駆使して、さまざまな敵と戦い、クエストに挑み、運命に課された試練に立ち向かい、その過程でゲームのワールドを変えていきます。

未知の世界に飛び込む魅力と、魅力的なシナリオやダイナミックでアクション性の高い戦闘シーケンスへの渇望が組み合わさり、ASG (アニメスタイル ゲーム) のオープンワールド ゲームはプレイヤーに絶大な人気を誇っています。これらのゲームは、冒険、戦闘、ソーシャル インタラクション、あるいは素晴らしい環境への没入など、豊かで楽しい体験を提供します。

このジャンルで成功を収め、市場を代表するタイトルを複数リリースしてもなお、これから登場する画期的なゲームについてあれこれ考えることは、とても面白く、興味が尽きることはありません。

2月19日、Kuro Games は ASG オープンワールド ゲーム鳴潮の 2 番目のクローズド ベータを発表しました。Unreal Engine を使用して開発されたこの PC およびモバイル向けのクロスプラットフォーム タイトルは、独自の文明崩壊後というテーマ、流れるような戦闘メカニクス、そして広大なオープンワールド ゲームプレイを特徴としています。Kuro Games の CEO 兼プロデューサーである Solon Li 氏に、このゲームについてお話を伺うことができました。
Courtesy of Kuro Games
はじめに、「Wuthering Waves (鳴潮)」とその開発チームについて教えてください。

Kuro Games、CEO 兼プロデューサー、Solon Li 氏
鳴潮は自由度の高いオープンワールドのアクション ゲームで、アクション中心の戦闘を繰り広げたり、広範な探索を行うことができます。このゲームでは、プレイヤーは眠りから覚めた Rover となって、記憶とアイデンティティを取り戻す旅を続けながら、仲間とともに強大な敵に挑みます。本作では、プレイヤーは自分のペースで自由に環境を探索し、インタラションすることができます。
開発チームについては、モバイル アクション ロールプレイング ゲーム「Punishing: Gray Raven (パニシング:グレイレイヴン)」のコントリビューターを含む、500 人以上のプロフェッショナルと、世界中の優れたスキルを備えるメンバーで構成されています。私たちの目標は、プレイヤーのゲーム体験を向上させることです。

鳴潮が ASG ゲーム市場において目指している固有のアーティスティック スタイルとはどのようなものでしょうか?

Li 氏:
鳴潮では、豊かな文明を表現することを目指して、シーンのシャープなコントラストと補色を強調しています。キャラクターの描写では、高度なアニメーション映像撮影技術を駆使しています。強力なフィルター効果を生み出す色補正戦略を好んで使用しており、典型的なフラット アニメーション スタイルとは一線を画しています。

鳴潮はどの UE バージョンで開発されていますか?またそのバージョンを選択した理由を教えてください。

Li 氏:
開発をスタートしたときの安定性と成熟度から、UE4.26 を選択しました。開発プロセスの進行に伴い、UE5 の新機能を UE4.26 に組み込むことで、必要な機能を統合しました。このアプローチにより、私たち固有のニーズを満たし、コンテンツ制作の安定した流れを維持することができました。

2D のアニメ キャラクターを 3D 環境に統合する際に主に考慮された点は何ですか?

Li 氏:
2 つの重要な要素は、時間帯 (TOD) とポストプロセス ライティングです。

基盤となるライティング システムの実装、特に TOD は、ASG プロジェクトには非常に重要です。Unreal Engine のカーブ ツールを使用して、キャラクターの明るさで自然な一日の変化をシミュレートし、3D 環境のライティングと一致するようにしました。これにより、オープン ワールドでのキャラクター描写の正確性が維持されるだけでなく、パフォーマンス パイプライン全体でのビジュアルの一貫性が確保されます。

さらに、「手描き」感を出すために、エンジンの物理機能に対しては慎重なアプローチを取りました。たとえば、特定の要素には限定的なサンプリングを使用しました。

ポストプロセス ライティングに関しては、独立したキャラクター ライティング パイプラインを設けました。このパイプラインを使用することで、プリセットや自動化ツールを使って環境ライティングを素早く調整することができます。今ではこのパイプラインは、キャラクターやスキルのデザイン ワークフローに不可欠です。

多くのモバイル ゲームがフォワード シェーディングを採用している中、鳴潮ではディファード シェーディングを採用した理由を教えてください。

Li 氏:
私たちの目標は、モバイル デバイスで一流のビジュアル クオリティを提供することです。これを達成するために、スクリーン空間反射 (SSR) やグラウンド トゥルース アンビエント オクルージョン (GTAO) などの技術を活用しました。こういった高度な技術は、レンダリング効率を高め、パイプラインを簡素化するためにディファード レンダリングを活用しています。

鳴潮のように新コンテンツが次々と追加されるオープンワールド ゲームでは、レンダリング技術が大きな課題に直面します。従来のフォワード レンダリングでは、シェーダーのバリエーションが急増し、メンテナンス コストが上昇します。ただし、ディファード レンダリングは、マテリアル、天候、一日の光の変化、大気の遷移を管理するうえでメリットがあります。パイプラインの複雑さが簡素化され、メンテナンス コストが低下するのです。

さらに、マルチプラットフォーム開発において一貫性の実現を目指すことで、開発コストの削減にもつながります。ディファード レンダリングにより、開発プロセスが標準化され、機能の実装と問題解決の効率が向上します。この統一性により、全体的な開発生産性が向上し、モバイル版に適応させる作業を行うアート チームの負担が軽減されます。

さらに、モバイル ハードウェアの進歩により、ワンパス ディファード技術を使用できるようになりました。この手法により、60 fps の安定したレートを維持しながら、読み取り/書き込み帯域幅を毎秒 1.5G まで大幅に削減し、高帯域幅に伴うオーバーヒートや高消費電力の問題を軽減することができます。これにより、モバイル アプリケーションのパフォーマンスを最適化するための強力な技術的基盤が得られます。

ディファード シェーディング パイプラインを採用した後、どのような技術的課題が発生し、どのように解決されたのでしょうか?

Li 氏:
ワンパス ディファード手法を実装したことで、特定のプラットフォームでの制限が明らかになりました。たとえば、Mali プラットフォームでは、ワンパス ディファードのために PLS を使用すると、アルファ ブレンドなしで 128 ビットのオンチップ キャッシュに制限され、1 つのレンダー ターゲットしか解決できず、深度フェッチによる余分なパフォーマンス オーバーヘッドが発生します。これらの課題に対処するため、エフェクトの実装を調整しました。

さらに、SSR や GTAO などのレンダリング エフェクトを、ワンパス ディファード ワークフローを中断することなく統合しなければなりませんでした。そのためには、SSR を生成するために前のフレームからの深度とシーン カラー データを活用し、現在のフレームで反射マッピングのために再投影を使用し、ノイズ除去技術で SSR の品質を向上させる必要がありました。

テストにより、ほとんどのモバイル デバイスは、中程度の品質で SSR を、高品質で GTAO を、大幅なパフォーマンス低下なしにサポートできることがわかりました。

中国の嶺南獅子舞文化を統合した凌陽など、高い認知度と魅力を確保するために、 キャラクターの特徴や性格のデザインについてはどのように取り組んだのでしょうか?

Li 氏:
アート デザインの初期段階では、制作プロセス全体を通じて強調できるキャラクター独自の特徴を特定することに重点を置きました。凌陽の場合の目標は、獅子舞文化のユニークな魅力を鳴潮のワールドに融合させることでした。獅子舞の所作と洪拳を組み合わせて動きをデザインし、ダイナミックで生き生きとした存在感のあるキャラクターを作り上げることができました。
Courtesy of Kuro Games
高品質なトゥーン レンダリングと細部まで作り込まれたカットシーンが、素晴らしいアニメ スタイルが構築されていますね。 リアルタイムではこのスタイルをどのように再現しているのでしょうか?

Li:
私たちはグラデーションに重点を置いています。これには、エンジンと制作チームの緊密な連携が必要です。キャラクターのベース カラーやマスク テクスチャにグラデーションを使用することで、昨年の 1 番目のクローズド ベータから大幅に進化させることができました。たとえば、システム インターフェース上のキャラクターのグラデーションは、キャラクター制作チームが丹念に制作しました。
Courtesy of Kuro Games
UE4 では、エンジンのライティング機能、フェイク ボリューム フォグ、ポストマテリアルを使用して、思い通りのグラデーション エフェクトを実現しています。さらに、カスタム カラー グレーディング (LUT) を採用し、各シーンは安定した組み込まれたライティングで設計されています。これにより、一貫したライティングのベースラインが確保され、探索やナラティブ エクスペリエンスにおいて、グラフィックがプレイヤーの感情に直接訴えかけることができます。以下は、準備段階の調査で実施したカラー キャリブレーションの極端なテスト サンプルです。
Courtesy of Kuro Games
別の例として、キャラクター丹瑾 (Danjin) の PV はゲーム内部のライティング ワークフローを使用してレンダリングしました。当社のライティング アーティストは、カスタム ライティング コンポーネントを駆使して、光と影のダイナミクスを巧みにコントロールすることができます。
Courtesy of Kuro Games
また、パフォーマンス チームのビジュアル面でのディレクションのニーズにも対応し、可能な限りキーフレーム化しています。UE4 の強力なシーケンサー システムを活用し、できるだけ多くのビジュアル要素を含むように強化し、詳細な制御を実現しました。

たとえば、キャラクターのアルティメット (必殺技) でマークのアクティベーション エフェクトでは、ブレの強さや頻度をカメラの要件に合わせて細かく調整できます。
Courtesy of Kuro Games
キャラクターの動きや表情を表現するうえで、どのような課題があったのでしょうか?

Li:
開発の初期から中期にかけては、キャラクターの表情にはスケルトン技法のみを活用していました。ただし、この手法には 1 つ目の課題がありました。多くのリアルなアニメーションの表情を素早く正確に再現することが難しかったのです。その解決策として、ブレンドシェイプベースの手法に切り替えました。さまざまな表情を収集して分類し、包括的なライブラリを作成することで、DCC ツールチェーンでの制作がスピードアップしました。
Courtesy of Kuro Games
もう 1 つの課題は、表情の細かい陰影のレンダリングでした。パフォーマンスに必要な込み入ったライティングは、従来のフェイシャル シャドウ ソリューションが提供できる範囲を超えていました。この問題に対処するため、フェイシャル ライティングの設定を強化し、垂直方向の光源、つまり光源による感情表現を実現するなど、パフォーマンス固有のニーズにマッチした特殊な陰影のエフェクトを作成できるようにしました。たとえば、秋水 (Qiushui) のキャラクター PV で活用されている独特なトップ ライト エフェクトは、特殊なシャドウ テクスチャを使用することで初めて実現しました。
Courtesy of Kuro Games
3 つ目の課題は、キャラクターのリギング調整で、特に関節のような複雑で動的な部分の調整が必要でした。私たちは、これらのパーツを正確にモデリングするために RBF 技術に注目し、すぐにこの技術を検証して制作プロセスに導入しました。

音骸 (エコー) システムとキャラクターのアルティメット (必殺技) との統合により、戦闘体験が大幅に充実していますね。 その視覚効果のデザインと実装について詳しくお聞かせください。

Li:
音骸 (エコー) システムやキャラクターのアルティメット (必殺技) だけではありません。私たちは、戦闘ループ全体のビジュアル表現を統一しました。

ご存知のように、音骸 (エコー) のコンセプトは中国の伝統的なモチーフである瓢箪から着想を得ています。視覚効果デザインの面では、この文化的要素を反映し、音骸 (エコー) が螺旋状に吸収される効果を維持しました。
Courtesy of Kuro Games
音骸 (エコー) の能力の表現では、統一されたマテリアル コントローラーと Niagara エフェクト システムを利用し、戦闘ループ内に統合しました。視覚的な一貫性を維持するため、音骸 (エコー) エフェクトは、クラッシュ、落下、吸収、覚醒のどれを表すエフェクトであっても、ゴールドでレンダリングされます。これにより、溶解での曲線やその他の素材の側面の感覚が強調されます。
Courtesy of Kuro Games
本作の環境デザインは、モダン、SF、中国の伝統的な建築要素を融合させ、「Lightless Forest (光なき森)」のような特徴的な領域を作り出していますね。 こういったデザインは何をきっかけに生まれたのでしょうか?また、魅力的なビジュアルのほかに、どのような役割を果たしているのでしょうか?

Li:
このデザインのきっかけは、古代文明と現代文明の名残が混在する、文明崩壊後の復興途上の世界を描くというアイデアを思いついたことでした。プレイヤーは、無音区 (Tacet field) の影響を受けた放置車両や村の遺跡などの現代文明の遺物に遭遇しますが、それはこの世界の設定の歴史的背景を暗示するものです。
Courtesy of Kuro Games
荒野のマップを開発するにあたり目指したのは、プレイヤーの行動がこの世界に大きな影響を与えると感じられる環境を作ることでした。そのために、さまざまなテーマのマップをデザインし、プレイヤーがタスクを達成することで視覚的に報酬が得られるようにしました。
Courtesy of Kuro Games
鳴潮の天候システムはどのように実装されているのでしょうか?また、標準的な昼夜や天候の変化以外にも、何か固有の要素が含まれているのでしょうか?

Li 氏:
本作のアーティスティックなスタイルによりマッチさせるため、Unreal Engine 4 の物理的な大気システムではなく、スタイル化された昼夜のライティング システムの開発を選択しました。当社のシステムでは、事前計算を行うことなく、リアルタイムで正確な空の色を調整することができます。
Courtesy of Kuro Games
空をゲームのコンセプト デザインに近づけるため、ボリュメトリック クラウドを使用せず、より合理的な 2D から 3D のスカイボックス レンダリング プロセスを採用しました。この方法によって、時間帯 (TOD) によって変化する色や奥行きのある、多様な空の様子を作り出すことができました。
Courtesy of Kuro Games
リアルタイムのボリュメトリック クラウドを使用しないことに対処するため、雲が形成され、霧散していくアニメーションを含めることで、ダイナミックな雲の動きを追加しました。
Courtesy of Kuro Games
さらに、溯洄雨 (Retroact Rain) という本作固有の気象条件を導入し、空が反転した海のように見えるようにしました。このような特殊な天候の変化を実現するため、天候システムに基づいて、エーテルの海 (Etheric Sea) と溯洄雨のエフェクトの完全なセットを開発しました。
Courtesy of Kuro Games
プレイヤーは無音区 (Tacet field) に立ち入ると、空では雲が静止した状態で無音になり、中央のコードを作動させるとエーテルの海が徐々に満たされていくことに気づきます。これらのビジュアル要素は、ゲームの自然環境の一部であるだけでなく、パフォーマンスにおいても重要な役割も担っており、シーン内の雨粒の浮遊を操作できます。

この天候システムは、さまざまな開発チームのために、ゲームのオープンワールド、戦闘、パフォーマンス、ミッションのパイプライン全体に統合されています。また、一貫したビジュアル フレームワークを提供し、視覚効果での重複作業を最小限に抑えます。

今後も、アップデートのたびにゲームのビジュアル面での魅力を継続的に向上させ、チームのアーティスティックな才能を発揮し、鳴潮ならではの大気現象の描写をさらに拡充していく予定です。

モバイル版でも PC 版と同じように、パフォーマンスを低下させることなく、大量の樹木をレンダリングできたのはなぜでしょうか?

Li 氏:
これを実現するために、プラットフォームごとの分類と最適化戦略を採用しました。PC とコンソールでは、前景には実際の 3D モデルの樹木を、中景にはビルボードを、背景にはインポスターを使用しています。モバイル プラットフォームでは、前景にビルボード、中景と背景の両方にインポスターを使ってさらに最適化しています。

ビルボードは最適化プロセスにおいて重要な役割を果たしています。ビルボードは基本的に、元の 3D モデルの樹木を、常にカメラの方を向く多層の樹木の葉に置き換えることで、通常、モデルの樹木のポリゴン数の約 30 ~40% にポリゴン数を大幅に削減する一方で、同様の視覚効果を実現しています。

ただし、ビルボードを使用すると、特にシャドウに関する独自の課題が生じます。ビルボードはカメラの方を向いているため、そのシャドウはカメラの動きに合わせて回転し、シーンのリアリズムにおいて問題となることがあります。この問題に対処するため、シャドウのレンダリング時にビルボードが光源の方を向くように調整することで、この問題を効果的に解決しました。
Courtesy of Kuro Games
インポスターについては、インポスターのスライスを効率的に管理する動的にロード/アンロードを行うシステムを実装しました。このシステムとダイナミック テクスチャ配列を組み合わせることで、遠方の樹木のバッチ レンダリングが可能になり、効率性の高いレンダリングが実現しました。

鳴潮のメイン ゲームプレイ内の 2D 横スクロールのプラットフォーム ゲームやパズルなどのミニゲームのデザインと技術的な実装について詳しく教えてください。

Li 氏:
私たちの目的は、ゲーム ワールドを豊かにし、新鮮で魅力的なゲームプレイ体験を維持することでした。特に横スクロール形式は、ゲーム内のパルクール要素を強化するために選択しました。

技術面では、特にカメラ ポジションやキャラクターのコントロール、シーンの設定など、大幅なカスタマイズが必要でした。

カメラについては、カメラ ポジションを再設計し、新たな追従メカニクスを実装しました。キャラクター コントロールに関しては、横スクロールの動きに合わせて調整しました。3D 環境では、キャラクターが方向転換する際に角速度が発生するため、2D の横スクロールでは制御ラグが発生する可能性があります。その対策として、キャラクターの転向角を大きくしました。

シーン デザインについては、3D から 2D へのトランジションにより、プレイヤーの進路があらかじめ決められていたり、カメラの動きが制限されるなど、一定の制約が課せられました。そのため、シーン制作に合わせてカスタマイズされたアプローチが必要になりました。

鳴潮の開発に使用している UE を UE5 にアップグレードする機会があれば、本作のどのような点の強化または改善に注力したいとお考えですか?

Li 氏:
注力したい主な分野の 1 つは、Lumen の統合ですね。鳴潮のようなオープンワールド ゲームでは、変化に富んだ地形、ダイナミックな天候やライティング条件があるため、ベイク済みライティングでは十分に表現できない場合があります。ダイナミックな GI ソリューションがあれば、よりリアルな環境をレンダリングでき、プレイヤーの没入感を大幅に高めることができます。Lumen の優れた GI 機能と使いやすさは、非常に魅力的な選択肢です。

また、GPU パーティクル ベイクを含む Niagara システムのアップグレードにも注目しています。計算速度、消費電力、互換性などの現在のモバイル ハードウェアの制限により、大規模で視覚的に印象的なパーティクル エフェクトへの対応が制限されています。UE5 で Niagara のパフォーマンスと機能が強化されれば、より魅力的な戦闘体験を提供できます。

最後に、ゲーム、レンダリング、RHI の各プロセスでのマルチスレッドの改善に力を入れたいですね。鳴潮のような高速のアクション ゲームでは、スムーズなフレーム レートを維持することが重要です。マルチスレッドを最適化すれば、フレーム レートがさらに向上し、よりスムーズなビジュアルとゲームプレイが実現します。

高品質な ASG ゲームの開発に関するインサイトや経験について教えていだけますか?

Li 氏:
高品質な ASG ゲームを開発するには、ゲーム コンセプトと IP 設定を重視する必要があります。アートワークには一貫性が必要であり、これを実現するために、実装時にさまざまな評価プロセスを設けています。こういったプロセスにより、全体的な視覚効果を継続的に調整および改善し、プレイヤーの期待に確実に応えることができるようにしています。

もう 1 つの重要な側面は、各種プラットフォームでのゲーム体験です。私たちは、グラフィックのディテール、ゲームプレイ、その他の要素が同じ状態で、モバイルでも優れた基本体験を実現できるように努めています。また、モバイル プラットフォームにおけるプレイヤーのフィードバックに細心の注意を払い、特にプレイヤーのゲームプレイ時の快適性に重点を置いています。このインサイトは、鳴潮の最初の技術テストから得た重要な収穫でした。

PC 版では、高度な機能を取り入れています。前回のテストでおわかりのように、テクスチャの密度、メッシュの密度、さらにはデザインそのものを最適化しました。これにより、2K ディスプレイでの精細なビジュアルを実現しながら、モバイル デバイスでの高度な認識のしやすさを維持しています。

本日は貴重なお話をありがとうございました。 本作の詳細は、どこで確認できるでしょうか?

Li 氏:
インタビューにお招きいただき、ありがとうございました!最新情報については、本作の公式ウェブサイトおよび YouTube チャンネルをご覧ください。鳴潮は Epic Games Store のこちらでもご覧いただけます。

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