折り曲げるアイデアをUE4で形に『Confettia』開発インタビュー

Yuya Shiotani |
2022年2月15日
専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)
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『Confettia』は2021年にHAL東京の学生12名の手によって制作されたPC向けのパズルゲームです。12名全員が初めて Unreal Engine 4 (以下UE4) を使用した制作である中、2021年度 日本ゲーム大賞アマチュア部門にて見事に佳作の受賞を果たしました。

今回、開発チームである「のんとのぶ」より代表してゲームデザイナーの檜垣 亮介さん、アーティストの新田 希望さん、プログラマーの神宮 伶哉さん、角田 竜一さん、藁科 空大さんの5名の方にインタビューを行い、彼らの作品に対する工夫や初めてのUE4を使用したゲーム開発に関してお聞きしました。
 
本日はお集まり頂きありがとうございます。さっそくですが今回制作された『Confettia』がどのようなゲームなのか教えて頂けますか?

開発チーム:『Confettia』は病弱な少年が手にした絵本の中に広がる遊園地「Confettia」でディアというロボットと一緒に止まってしまった電気を取り戻していくストーリーにしています。ユーザーは絵本の中のステージを折り曲げるギミックを使ってロボットをゴールに導くパズルゲームを進めていき全5ワールドをクリアすることを目的としています。
作品のキモである「ステージを折り曲げる」というギミックですが、どういった経緯で決まったのでしょうか?

開発チーム:今回の作品は日本ゲーム大賞アマチュア部門を目標としてチームで制作したため、募集テーマであった「メビウスの輪」から「ゆがみ」という点に着目してステージをゆがめよう。ステージを自由自在に動かそう。という発想に昇華させて行きました。最後には「ステージを自由自在に折り曲げ、紙を折って繋ぐ」ことでメビウスの輪を作る過程を再現しました。この「ステージを折り曲げる」というアイデアが他に類を見ない斬新さやおもしろさがあったのでゲームのキモとなるギミックとして決まりました。
『Confettia』ではレベルデザインやグラフィックデザインなどはこのギミックが活きるようにこだわりを持って制作しています。
 
その他、作品作りにおいてこだわった点について教えて頂けますか?

開発チーム:作品を作る上では開発期間が短かったのでとにかく完成させることを第一に考えて開発をしていました。作品として面白いことや実際に触って楽しいことなどユーザーが実際に触れた時の体験感という点にこだわりました。
特にキモである「ステージを折り曲げる」という挙動は平面のような見た目で折り曲げる様を見せるべきか、より立体的に見せるべきかなど試行錯誤して今の形になっています。
 
PVを見るだけでもゲームステージ、キャラクター、イベントシーン、UIなど多くのアセットが必要だったかと思います。これらはすべてチーム内で制作されたのでしょうか?

開発チーム:はい。UI等に使用したフォントを除いてロボットのキャラクターやステージの背景モデルなどはMayaで各テクスチャやUIデザインはPhotoshopやIllustratorで制作しました。そしてイベントシーンはCLIP STUDIO PAINTで制作しています。結果的にほぼすべてのアセットは自作アセットになりました。
 
全44ステージとのことでテストプレイが大変だったかと思います。テストプレイはどのようにしていましたか?

開発チーム:正直なところ短期間の開発中に多くのステージのテストプレイを行ったので途中で迷走しそうになった時がありました。その時は学校の先生を捕まえてテストプレイをしてもらい客観的な意見をもらうようにしていました。他にも開発チーム内のDiscordサーバーへ先生に参加してもらって、行き詰まった所や出来上がった物に対する意見などをもらうようにしていました。

とてもボリュームのある『Confettia』を制作するにあたってチーム人数や開発期間について改めて教えて頂けますか?

開発チーム:開発にはゲームデザイナー2名、プログラマー3名、グラフィックデザイナー3名、サウンドデザイナー4名の合計12名で制作していました。期間としてコンテストの募集テーマが発表された2021年2月1日から締め切りである5月31日までの4ヶ月間で開発しました。
このころはUE4の授業が始まったばかりで、チームメンバー全員が初めてUE4を使用して開発を行いました。そのためUE4を学びながら開発を進めることになり、学習と開発作業を並行することになりました。
初めてのUE4開発だったとのことですが、どのようにUE4を学びましたか?

開発チーム:初めにUnreal Engine JPのYoutubeチャンネルで公開されている「猫でも分かる UE4を使ったゲーム開発 超初級編」を使って一通り学びました。その他には過去の講演スライドを見たり、ネットで見つけた個人の方がアップロードされているYoutubeの動画やブログなどを通して学びました。

短期間かつ初めてのUE4開発に関わらずどうしてUE4を採用したのでしょうか?あえてUE4を採用した理由はありますか?

開発チーム:UE4を採用した理由は2点あります。まずはUE4初心者から見ると、UE4はキレイな絵が出そうな印象がありました。またUE4はブループリントが備わっているのでコーディングが必須ではないとのことで、プログラマー以外の職種でも直接実装作業ができるという2点で採用しました。
プログラマーからは「学校の授業などでコーディングを行っている上で、ブループリントはとても使いやすかったです。ブループリントはコードを書けない人でも機能実装が可能である点が利点だとは思いますが、コードが書けるからこそできるようなことが結構あります。今回の『Confettia』はすべてブループリントで制作したのですが、ビジュアルスクリプティングの良さとコーディングの良さの両方を知っているからこそ良い制作ができたと思います。」という意見も挙がり、UE4を採用して良かったと思います。
UE4を採用して困ったことはありますか?

開発チーム:開発当初にパッケージングが通らなくなる問題に直面した時は困りました。原因はプロジェクト名に日本語を使用している点が問題だったのでプロジェクト名などを日本語から半角英数字に変えることで解決することができました。
ただこの問題は「普段からパッケージングテストを行うように」と学校の先生から指導して頂いていたので早期に発見することができ、提出ギリギリで困るような大きな問題になることはなかったです。

UE4でお気に入りの機能はありますか?

開発チーム:UE4のタブがお気に入りです。UE4はビューポートやワールドアウトライナー、詳細タブなど多くのタブを自由に移動させることができるので、レベルデザイナーやプログラマーなど作業者ごとにレイアウトを変更した物を利用していました。他にもビューポートを2つ用意してそれぞれ別の2箇所からレベルを見た際の見え方のチェックや調整にも利用できて便利でした。今でもお気に入りの機能です。

他の学生に向けて何かあればお願いします。

開発チーム:UE4というと世の中に出ているタイトルがAAA級であったり、ハイクオリティな作品が多いのでハードルが高いイメージを持たれるかもしれません。ですが、今回の私達のConfettiaのように小規模かつUE4開発が初めてのチームでも全然開発できるソフトだと思います!Unreal Engine たのしいです!

ありがとうございました。

今回インタビューを行った『Confettia』はHAL東京 ゲーム4年制学科の檜垣 亮介さん、任 禹丞さん、神宮 伶哉さん、角田 竜一さん、藁科 空大さん、新田 希望さん、作田 綾乃さん、佐藤 優伍さんそして、ミュージック学科の大塚 晶史さん、佐宗 息吹さん、金丸 修斗さん、鈴木 雄大さんによって制作された作品です。ゲーム4年制学科の方は2023年にミュージック学科の方は2024年に卒業予定とのことです。彼らの今後の活躍に期待します。
 

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