© 2007, 2008, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA

『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン』: PSP の名作が Unreal Engine を使用して現代風に

Mike Williams |
2023年6月7日
株式会社トーセは 1979 年に設立され、ゲーム ソフトをはじめとするデジタル コンテンツの受託開発を、企画提案から開発、デバッグ、運営までワンストップで行っています。デベロッパー専業としては国内最大級の開発体制を擁し、Unreal Engine などの先進的な開発ツールの活用も含めて豊富なノウハウと技術力で、ハイエンドでハイクオリティなゲーム制作にも対応しています。トーセはお客様と協力して、たくさんの方に楽しんでもらえるデジタル コンテンツやサービスの創出に努めています。
『ファイナルファンタジー VII リメイク』(FFVII リメイク) は、1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』(FFVII) の幻想的なストーリーを語り直し、拡張する、最終的には3部作となるプロジェクトの始まりです。2020年4月に発売された『FFVII リメイク』は、原作のストーリーを現代の技術で新たに制作し、瞬く間にヒットしました。プレイヤーは、クラウドやバレットたちの冒険を初めて体験することも、現行の PC、PlayStation 4、PlayStation 5 でその冒険を再び体験することもできました。

株式会社スクウェア・エニックス (SQUARE ENIX CO., LTD.) は、続編である『ファイナルファンタジー VII リバース』(FFVII リバース) を制作するにあたり、PlayStation Portableで発売されていた『FFVII』の前日譚、『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII』も見直すことにしました。その結果、このゲームは現代化され、『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン』(クライシス コア -FFVII- リユニオン) が生まれました。IGN は、このゲームが「PSPで最も愛されたゲームの1つをプレイするための最高の方法であり、その過程でグラフィック、戦闘、音楽をほぼ完全に現代化した」と述べています。

『クライシス コア -FFVII- リユニオン』の制作過程について詳しく知るべく、スクウェア・エニックス社と開発パートナーの 株式会社トーセ (TOSE CO., LTD.) に、この前日譚の現代化、新しい戦闘システムの調整、そしてこのゲームを PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series S/X、Nintendo Switch、Steam で展開するために、Unreal Engine がどのように役立ったかお話を伺いました。
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Unreal Engine をどのように活用して PSP の名作をリマスターしたか教えてください。

トーセ社:
本プロジェクトでのUnreal Engineの活用方法は、かなり特殊な実装方法となりました。プログラムのソースコードなどはオリジナル版のものを活用し、 主に描画周りとアセットデータに対してUnreal Engineを活用しています。短期間且つ、高品質の開発が実現できたのはUnreal Engineの柔軟性の高さがあっての事だと感じています。

『FFVII リメイク』の開発で学んだことで、『クライシス コア -FFVII- リユニオン』の開発に役立ったことはありますか?

トーセ社:
『FFVII リメイク』制作チームの協力を得る形で、共通で登場するキャラクターおよびロケーションの3Dモデルデータの多くを活用しています。
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タイトルに「リユニオン」とサブタイトルを追加した理由を教えてください。

スクウェア・エニックス社:
本作は、リメイクほどではないですがリマスター以上の手間はかけているので、『リマスター』以外のタイトルを検討し、最終的に『FFVII』では馴染みがある『REUNION』という言葉が選ばれました。『REUNION』には再集結、再結合、再会などの意味があり、本作は時系列的には『FFVII』の前日譚、序章的な物語ですので、再集結して『FFVII リメイク』に繋がっているという流れが意識されています。

オリジナル版の「クライシス コア」から引き継いだアセットに対して、どの程度新たに制作されましたか?

トーセ社:
キャラクターのボーン構造、アニメーションデータはオリジナル版から引き継ぎつつ調整を行ないましたが、それ以外の部分である、エンバイロメント、UI、エフェクトも含めアセットデータは今作用に新たに制作しています。
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オリジナル版の「クライシス コア」から何を追加し、何を保持するかはどのように決めたのでしょうか?

トーセ社:
まずは開発スタッフ数名でオリジナル版のプレイを行い、昨今のゲームクオリティと比較し、仕様面含めて改修を行うかの議論・検証を行いました。オリジナル版から大切にしていた部分は守りつつ、ユーザーにストレスなく遊んでいただける事を重視しています。

例えば、オートセーブやリトライ機能、バトルのショートカット操作、目的地表示等を追加し、オリジナル版と比べると快適にプレイが楽しめるようになっています。

アセット面においては、開発初期にスケジュールやアセット量をはかるため、バトル画面のサンプル作成と、イベントシーンの検証を行いました。ゲームの大部分を占めるキャラクターイベントアニメーションを現行機相当のモデルに適用し検証を行った所、現在でも利用できるほどクオリティが高いものだとわかりました。基本的にオリジナル版のプログラム処理で動作するように、キャラクターのボーン数はほとんどがオリジナル版のものと同じになっています。

当初からモーション キャプチャが使用されていた事もありますが、カットワークの品質の高さや、フェイシャルアニメーションに関しても、オリジナル版のボーン数の事を考えると、そのまま利用できるレベルであった事は予想以上で、当時の開発スタッフのスキルの高さに脱帽でした。

戦闘はよりアクティブになり、『FFVII リメイク』に近いスタイルに変更されました。「クライシス コア」にこのような変化が必要だった理由を教えてください。

スクウェア・エニックス社:
本作をプレイする方は、『FFVII リメイク』をすでにプレイした方が多いと予想し、戦闘スタイルを近づけました。調整に調整を重ねた結果、オリジナル版のと『FFVII リメイク』の戦闘スタイルをうまく融合することが出来たと思います。
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Digital Mind Wave システム (D.M.W) は、主人公のザックスが究極のリミットブレイク攻撃にアクセスするためのルーレットホイールで、オリジナル版では特定の攻撃がフルスクリーン映像で表示されていました。このシステムは『クライシス コア -FFVII- リユニオン』でも健在ですが、現在は多くの場合、ユーザーインターフェースの上隅に現れます。この変更に着地するまでに、大きな試行錯誤があったのでしょうか。

トーセ社:
はい。多くの試行錯誤を重ねました。ユーザーはザックスを操作しながら敵との戦闘に集中しているので、戦闘を阻害しないように且つ、D.M.Wの状況をいかに分かりやすく届けるかがポイントとなりました。

UIレイアウトやD.M.Wの結果を知らせる表示タイミング、アニメーションの調整、色・明度等、様々な所を細かく調整しています。また、ストーリーを進めていく上でも、バトルのテンポを落とすことなく、D.M.Wで流れるイベントも楽しんでもらえるように設計しています。

PSPの小さな画面から最新のディスプレイに移行する際に、アセットやユーザーインターフェースで見直された点について教えてください。

トーセ社:
キャラクターやエンバイロメントアセットに関しては、よりディティールが求められるため、高解像度への対応と、よりクリアな映像となるようポストエフェクトやフィルタ等を使用しています。

UIに関しては、オリジナル版のUI構成も踏まえたうえで、全ての画面に対して構成の見直しと最適化を行いました。『FFVII リメイク』をプレイしたユーザーにも直ぐに馴染んでもらえるように、デザインや操作感は寄せるように意識しています。

オリジナル版で使いづらかった部分の改善、操作感やレスポンスの向上、便利機能追加など、快適にプレイできることを重視して調整しています。また、テクスチャの解像度などは各プラットフォームに合わせて最適な調整を行っています。
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『クライシス コア -FFVII- リユニオン』の開発に Unreal Engine が適していたのはなぜですか?

トーセ社:
PSP のオリジナル版のソースコードが C++ で作成されていたため、C++が使用できる Unreal Engine を使用することにしました。ソースコードを流用するにあたり、ゲームロジックに関してはブループリントは使用せず、プログラムコードのみで実装しています。 C++ のソースコードのみの、いわゆる昔ながらの実装も可能な Unreal Engine は、過去タイトルを移植するのに適した環境だと感じました。

『FFVII リメイク』がUnreal Engineで開発されていたこと、また今作は基本的にオリジナル版のプログラム処理で動くようになっており、アセットのグラフィック強化をある程度切り離して考える事ができたため、アーティストが直感的で扱いやすいUnreal Engine が適していました。また Unreal Engine マーケットプレイスの存在も大きく、様々なサンプルを購入し、学習する事で、プロジェクトの品質向上に繋げる事ができました。

『FFVII リメイク』で使用した多くのアセットを『クライシス コア -FFVII- リユニオン』に活用できましたか?

トーセ社:
キャラクターモデルとエンバイロメントモデルの3Dデータは、ファイナルファンタジーVII リメイクから多くのアセットを活用できています。限られた期間の中でグラフィックの強化を行うためには、データの活用が出来なければ難しかったと考えています。
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『クライシス コア FFVII リユニオン』は、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series S/X、Nintendo Switch、Steam 向けにリリースされました。Unreal Engine を使用して複数のプラットフォームでゲームを開発するのはどうでしたか?

トーセ社:
Unreal Engine が各プラットフォームの処理を吸収してくれているため、実装面においてプラットフォームを意識する必要がなく、非常に開発しやすかったです。ROM作成も簡単で、比較的早いタイミングから全プラットフォームを実機で確認することが出来ていました。また、画面解像度などの各種パラメータをプラットフォームごとに細かく調整することができるため、パフォーマンス調整も非常にやりやすかったです。

Unreal Engine のツールまたは機能で気に入ったものはありましたか?

トーセ社:
今作では Switch の処理負荷が大きな課題になりました。処理負荷対策を行うにあたり、処理負荷の計測に使用した以下のツールが非常に使いやすく、処理負荷の計測と対策を効率よく行うことが出来ました。 結果、Switchでも高品質のビジュアル表現を実現することが出来ました。

シーケンサーは機能が豊富且つ、スピーディーな編集が行う事ができ、イベントシーンが多い本タイトルでは欠かせないツールでした。ライティングやポストエフェクト、マテリアルの調整等、非常に作業が行ないやすいツールです。また、ブループリントウィジェットの存在は大きく開発に貢献しています。キャラクターモデルのデバッグ用ビューアーの実装、エンバイロメントデータのチェックツール、Unreal Engine マーケットプレイスから購入したアセットのテクスチャ変換やパッキングなど、こういった細かなツールをアーティストが独自に実装できたところは、開発速度の向上につながったと感じています。

お時間をいただきありがとうございました!『クライシス コア -FFVII- リユニオン』について詳しく知るには、どこを見ればいいですか?

スクウェア・エニックス社: 北米欧州: https://ffvii.square-enix-games.com/en-us/games/crisis-core/

日本: https://www.jp.square-enix.com/ccffvii_reunion/

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