Datasmith の新機能:更新の迅速な同期

2021年9月27日
リアルタイム ビジュアライゼーションに取り組む人にとっての大きな課題の 1 つは、データの管理です。2017 年に Epic Games が Datasmith を初めてリリースしたとき、解決しようとしていたのはこの問題でした。

当時の Datasmith は 1 つのことを重視していました。それは、アーティストとデザイナーが Unreal Engine にデータをインポートするプロセスを単純なものにするということでした。建築、製造、トレーニングなど、ゲーム以外の業界の人々がリアルタイムのレンダリングとビジュアライゼーションのために Unreal Engine を利用したいと考えたときに、その手助けをすることが目的でした。

一連のプラグインから構成される Datasmith は、当初は CAD とデジタル コンテンツ作成の主要なソース約 20 種類をサポートしていました。Datasmith により、3ds Max、SketchUp、Revit から Unreal へとモデルをすばやく簡単に取り込むことができるようになりました。

それから 4 年が経ち、Datasmith は発展を遂げています。現在では、デザインのファイルを Unreal Engine に取り込むだけのものではありません。

Unreal Engine への接続の制約の解消

デザイン データを伴うリアルタイム ワークフローの理想像を設計するにあたっては、ソースのコンテンツを最高の忠実度で取り込むだけでは十分ではないとわかっていました。

ほかにも、基本的でありながら見逃されがちな 2 つの問題に対処する必要がありました。1 つは、各オブジェクトに関連するメタデータのプロパティを取り込むこと、そしてもう 1 つは、ワークフローが非破壊的なものになるようにすることでした。ワークフローが非破壊的であれば、デザインのデータに対してイテレーションを行い、加えた変更を失うことなく Unreal Engine 内のコンテンツを更新できます。

これらは、リアルタイム テクノロジーをデザインのプロセスと統合するうえでは不可欠なことであり、開発の基本方針となりました。

Unreal Engine が本当に制限のない制作プラットフォームとなるには、クリエイターが利用するほかのあらゆるソフトウェア パッケージとつながるための出入り口が必要です。その役割を担うのが Datasmith です。現在、これほど多くのデザイン フォーマットをサポートしているビジュアライゼーション テクノロジーはほかにありません。

Datasmith のプラグインは増え続けており、クリエイターが取り込めるファイルタイプは増加しています。プラグインのエコシステムを作り出し、オープン ソースの世界、デジタル ツイン、点群など、あらゆることに利用できる柔軟性を提供することを目標としています。
データをエンジンに取り込むのも大変なことではありますが、本当に難しいのは、DCC と Unreal Engine との間でファイルの見え方を同じにすることです。そのために Visual Dataprep を開発しました。

Datasmith は、シーンを Unreal Engine にインポートするとき、ソースのアプリケーションで作成されたジオメトリ、マテリアル、シーンの階層を維持するよう努めます。
しかし専門的なアプリケーションでリアルタイム レンダリング目的ではない用途で作成された 3D モデルの場合、そのままではリアルタイム レンダリング エンジンでの使用に適していないことがほとんどです。 

例えば、Rhino といったアプリケーションで実際の部品の製造のために作られたモデルや、建築プロジェクトを記録するために Revit で作られたシーン、Cinema 4D でプロシージャル生成の要素で構成されたシーン、といったものがあてはまります。

Unreal Engine の Visual Dataprep システムはこうしたデータに対する準備処理のワークフローを簡単に自動化することを可能にします。プログラマーである必要はありません。シンプルなビジュアルツールで、フィルターや操作の「レシピ」を作って保存し、他のシーンやプロジェクトでも再利用できます。 

データの取り込みと、自動化という 2 つの機能が長年培われた Datasmith のコアですが、Datasmith のツールキットがさらに強力に進化しつつあります。

Datasmith Runtime

数多くの CAD や BIM ファイルを Datasmith インポーターを使って Unreal Engine に直接取り込むことができます。直接インポートができないファイルについても、3ds Max、Rhino、SketchUp といったアプリケーションでインストールできる特別のプラグインをダウンロードすることができます。このプラグインで .udatasmith 形式でファイルをエクスポートすることができます。
このワークフローにより、アプリケーションまたはゲームを開発する際に Unreal Editor で Datasmith ファイルを利用できます。

新しい Datasmith Runtime 機能を使うと、Unreal Editor で開発中の環境に Datasmith ファイルをロードできるだけでなく、ゲームまたはアプリケーションの実行時に、それらに .udatasmith ファイルと CAD ファイルを直接ロードすることもできます。

これによって、建築業界と製造業界でビジュアライゼーションの作成に取り組む人が、CAD ファイルや BIM ファイルを即座にインポートして読み込むことができる、CAD ビューアーのようなビューアー アプリケーションを開発できるようになりました。

Datasmith Direct Link

アプリケーションの実行時に CAD と BIM のファイルを直接ロードできるのは重要な機能ですが、利用しているモデルに変更が加えられ続けている場合はどうなるのでしょうか。モデルが変更され、更新されたとき、その変更がすぐに反映されれば非常に便利です。それを可能にするのが Datasmith Direct Link です。

Datasmith Direct Link は、Datasmith Runtime に追加された機能です。Datasmith エクスポーター プラグインは、3ds Max、Revit、SketchUp、Rhino 用に加えて、4.27 で SolidWorks 用のものが追加されました。これらのプラグインをダウンロードしてホスト アプリケーションにインストールすると、Datasmith ファイルをそれらのアプリケーションへとエクスポートできます。

プラグインの内部には Direct Link と呼ばれるコンポーネントが追加されました。このコンポーネントは、Unreal Engine で作られたアプリケーションを DCC と接続し、変更が加えられたデータのリアルタイム転送を円滑に行えるようにします。

4.27 では、Revit、SketchUp、Rhino、SolidWorks 用のプラグインすべてで Datasmith Direct Link を利用できます。今後は Datasmith のプラグイン全体にこの機能を展開していく予定です。

建築家とデザイナーにとっての良いお知らせとしては、Unreal Engine を利用するアプリケーションである Twinmotion は、Direct Link 機能を介して Datasmith と接続できます。
この新しい方法で DCC アプリケーションと直接接続すると、これまで Twinmotion で利用できていた Direct Link プラグインを使う方法と比べて大きな利点があります。

モデルの変換が以前の方法よりも大幅に速くなるだけでなく、ワークフローの柔軟性も向上します。複数の DCC のソースにリンクしたり、Twinmotion でオブジェクトを移動したり、そういったローカルでの上書きを維持したりすることができます。

Unreal Engine と Twinmotion の両方で同じ Direct Link を利用できるようになったため、この 2 つのツールを利用するユーザーは、一貫したシンプルなエクスペリエンスを得ることができます。さらに、Datasmith は、Formz、Bricsys、Vectorworks、Navisworks、3ds Max などのサードパーティ アプリケーションとの接続を可能にすることで、Twinmotion のユーザーに新しい可能性をもたらします。
Ecohome by Jonathan Reeves Architect
新しい Datasmith Direct Link 機能を使うと、Twinmotion または独自の Unreal Engine アプリケーションを 1 つのウィンドウで開き、同時に別のウィンドウでほかのプログラム、たとえば Revit を開いたときに、Revit のデータを Twinmotion または独自の Unreal Engine アプリケーションへと転送できます。ファイルを操作する必要はありません。Revit で変更を加えて、ボタンを一度クリックすれば、その変更がアプリケーションへと直ちに反映されます。

将来的には、クリック操作を不要にして、より簡単にする予定です。変更はリアルタイムで自動的に反映されるようになります。予定されているこの AutoSync 機能により、Datasmith エクスポーター プラグインは、デザインに加えられた変更の差分をユーザーの操作なしで Datasmith Direct Link の接続へと送信できるようになります。まず、SketchUp、Rhino、SolidWorks、Archicad 用にこの機能を展開し、そのあとに対象を拡大する予定です。

Datasmith Direct Link (および AutoSync) により、アプリケーションを複数のデータ ソースと同時にリアルタイムで接続できるようになります。Revit、SketchUp、Rhino などのすべてが、Unreal Engine で構築したアプリケーションの 1 つのインスタンスへとリアルタイムでデータを送信します。

建築の設計とエンジニアリングを行う企業である Foster + Partners は、すでにこの新しいワークフローを活用し、Unreal Engine を利用する独自のツールを改善しています。

Foster + Partners の応用研究開発責任者、Francis Aish 氏は次のように述べています。「Foster + Partners の先端研究開発チームは、デザインのプロセスを改善するために、最先端のテクノロジーについて常に調査しています。空間のエクスペリエンスの分析と視覚化を同時に行える能力は、コラボレーションを活用する私たちのデザイン プロセスにとっては不可欠です」

「忠実度の高い視覚的な表現は、分析とその結果の伝達の両方にとって重要です。これまでに複数のツールを開発して、リアルタイム テクノロジーとレイトレーシング テクノロジーを使ってデザインの変更について即座に分析できるようにしてきました。実行時に機能する Datasmith のツールを利用して、リアルタイムでデザインのモデルを 3D 環境とリンクさせ、分析、XR、デジタル ツインのための独自のツールを拡張しています」

今後の展望

これまで紹介した新機能は、Datasmith の変革の始まりを告げるものです。将来的には、Datasmith は単なるファイル形式ではなくなり、リアルタイムの更新を可能にして、複数の接続を同時に利用できるようになる見通しです。

また、Datasmith の機能をクラウドで利用できるようにする計画もあります。データの共有、処理、最適化をクラウドで行うことで、強力な新しいワークフローを実現できます。

Epic には、ツールを接続し、ワークフローを開発する気風があります。あらゆる種類のデータを Unreal Engine に取り込みやすくするだけでなく、Twinmotion と Unreal Engine をつなぐブリッジなどを使い、そのデータに関してできることを広げます。
これまで、Datasmith エクスポーターは主に建築・土木業界の方々に活用されてきましたが、自動車、製造、映画、テレビ業界のビジュアライゼーションの専門家も、Unreal Engine の利用を開始するために Datasmith エクスポーターを使い始めています。
ID4 model of courtesy of Volkswagen
Unreal Engine にデータを取り込むというシンプルなアイデアから始まったものが、今ではずっと大きなものへと進化しました。

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