August 18, 2017

インディーのための展示会出展のコツ

作成 Jess Hider

はじめに

みなさん、こんにちは! アンリアル エンジンの European Community Manager の Jess です。インディー向けブログの第二弾をお届けします。まだシリーズ第一弾の記事をご覧いただいていない場合は、「インディーのためのマーケティング」) をチェックしてみてください。まず、今回の記事の執筆にあたり、ご協力いただいた David Dino 氏と James Megretton 氏 (Sumo Digital)、および Chris Wilson 氏 (Cardboard Sword) に謝意を表したいと思います。ベテラン出展者である彼らは、この記事について独自の視点やアドバイスを与えてくださいました。

この記事のアイデアは先月、Dare Academy で、自分の展示会の経験やその後に学んだことなどの情報を今年の参加者と共有したときに思いつきました。こうした情報は多くの方々の役に立つかもしれないと考えたのです。そこで自分が話した内容 (および前述の協力者の考え) を以下の 3 つのセクションに分けて記事にしました。

  • 展示会と設営: 出展理由、出展場所、出展方法は?
  • ブースの設営: 実際のブース制作
  • 個人的準備: 現場での運営方法

この記事が皆さんのお役にたてば幸いです。

Unreal Engine BoothGDC 2016 の Unreal Engine ブース

展示会と設営:

何故、展示会でゲームを披露するのか?

ゲームの開発過程では食事すら忘れるような、すべてを開発に注ぎ込む状況に引き込まれることがあります。ひたすら制作に打ち込んで、作ることに喜びを感じ、新しいアイデアがどんどん湧いてくる感覚です。しかし、行き詰まるときが誰にでもやってきます。同じ問題に何回もぶちあたり、全く別の見方が必要になることがあります。この場合通常、別の人の目が必要です。そこで展示会の参加を考えます。大勢の新鮮な視点が得られるからです。

出展することで、開発を離れて休息するだけでなく、無意識に様々なアイデアや考え方が入ってきて、未経験のプレイヤーの目を通して自分のゲームを見ることができます。基本的に無料のプレイテストを大勢の人に対して行うことができます。プレイヤーにたどってほしい経路を示す標識は、明確ですか? 80% の人が通り過ぎたら、再考の必要があるかもしれません。一連の困難な操作を乗り越えてやっと解けると思っていたパズルは、ポールに登って、ジャンプすることで大部分を回避できてしまうとわかることがあります。キャラクターが望んでいた場所にたどりつけない、と 100 人の人が怒って立ち去ったら、独自のコントロール システムを作り出す必要があります。

展示会はプロジェクトの欠点を見つけるだけでなく、成功を祝う場所でもあります。ゲーム開発で私の一番お気に入りの瞬間は、誰かが初めてゲームをプレイして思わず笑みがこぼれるときです。ゲーム内のジョークに対する笑い、難しいジャンプをこなしたり、強いボスをやっつけたときの誇らしげな笑い、とても興奮して、友達に話さなきゃという笑いがあります。その一方で自分が体験しているゲームに圧倒されて、夢中になって、コントローラーを放したくなくなり、「最高!」という笑いもあります。

Enjoying Gear VR Jeremy Anderson 氏 (London is Unreal Meetup のリーダー) が GDC 2016 で Gear VR を楽しんでいる様子

ゲーム開発は大変な作業ですが、自分が作ったゲームを誰かが楽しんでいるのを見るのは、自分がやってきたことが価値あるものだと感じられるだけでなく、さらに開発を続けるモチベーションを与えてくれます。これは、やみつきになります。

さらに、展示会ではこうしたことが単独で起こるわけではありません。大勢のデベロッパーとこうした体験を分かち合うことができるのです。自分の周りで展示している他の人々と知り合いになり、開期中の出来事を共有し、他のチームのゲームをプレイしたりします。帰路に着く頃には、沢山の新しい仲間ができて、ゲームのアイデアを得ていることでしょう。

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どこに出展するか?

ほとんどのゲーム開発では、予算に限りがあり、展示会に行くには時間的制限があります。こうした状況で、どのような展示会を選ぶのが最適でしょうか?

それはゲームを展示して、何を得たいかによります。パブリッシャー / プレス / 資金調達を対象にする場合は、大規模な展示会がよいでしょう (例、GamescomEGXPAXGDC)。単純にこうした大規模イベントは来場者数が多く、企業向けのものだからです。欠点は、はるかに競争が激しく、コストも高くつくということです。大きな展示会に出展する場合は、事前にできるだけ多くのミーティングを設定し、残った時間を当日発生したミーティングに充てることをお勧めします。現在、多くのカンファレンスでは、デベロッパーが企業とコンタクトを取りやすいようにミーティング サービスを提供しています (例、 Nordic での MeetToMatch)。

デザインやゲームの方向性についてプレイヤーからのフィードバックを望む場合は、比較的小規模な展示会の方が成果が上がるでしょう。プレイヤー数が少なければ、一人一人のプレイヤーに時間をかけて、定性的データを集めることができます。開発の初期段階では、開催期間が短い展示会の方がうまくいきます。ビルドのほとんどのバグが初日に明らかになり、一週間にわたる開催期間中に何回も同じバグが見つかる代わりに、一日だけ展示して、そのビルドの作業を一週間行い、更新したビルドを次週見せることができます。

タイトルを初披露する場合は、小規模展示会から始めることをお勧めします。展示会がどのように運営されるかについて多くを学ぶだけでなく、次回どんなことをしたらよいかのアイデアを得ることができます。さらに、大規模展示会に進む前に、適切かつ安定したビルドを用意することができます。

予算が厳しければ、ディスカウント料金で場所を借りたり、無料で使える場所を提供してくれるパートナーを探します。今年の EGX Rezzed でエピック ゲームズは、Unreal Engine Pavillion を主催しました。インディー チームは、無料で通常の倍のスペースを使うことができました。さらに、 GDC、 PAX East、PAX West でIndie MEGABOOTH を後援し、多くのデベロッパーがゲームを披露できる機会を設けました。これ以外に、Nordic、Develop、GDC のようなカンファレンスでもエピックと一緒にブースで展示するようデベロッパーを招きました。

こうした動きはエピックだけにとどまりません。いくつか例を挙げると、Nvidia、PlayStation、Xbox が常に展示する素晴らしいゲームを求めています。場所には限りがあり、需要は高いですが、試す価値はあります。こうしたプラットフォーム向けに制作しているか、その技術を使っている場合は、各チームに連絡して、何らかのチャンスがないか調べてみましょう。最悪でも「今回はなし」で、うまくいけば「OK」 の返事が得られます。

展示会向けのビルドをどのように作るか?

展示会向けにビルドを作る場合、プロモーション用かプレイ テスト用かの目標を決めます。両方はありえません。目標を決めたら以下を念頭に置いてください。

  1. プレイヤーの所要時間

展示会で 4 台のワークステーションを用意して、8 時間オープンにして、プレイヤーがデモを終了するのに約 20 分間かかるとします。妥当に思えるかもしれません。ただし、丸一日フル稼働しても、プレイできるのは 100 名に届きません。実際には、5 分から 10 分の間くらいがうまくいきます。プレイヤーにゲームをプレイしてもらう場合は、その時間内で達成感を味わってもらい、もっとプレイしたいと感じて帰ってもらえれば良いビルドです。

  1. プレイ内容

多くのゲームを始めるときに、チュートリアルを読んで、コントロールやシステムについて学びます。長時間プレイする場合は詳細に理解する必要があり、外部からのガイダンスなしに習得できます。展示会では、それを行う必要はありません。コントロールの仕組みを簡単に説明するか、プレイ中にアドバイスしてプレイヤーが何か楽しいこと、格好いいこと、素敵なことができるポイントまで誘導します。最も重要なのは、注目を集めることです。

  1. 仕上げ

ゲームでは、システムとメカニクスは多くの場合、重なる部分があり、相互に結びついています。そのため、何もかもを仕上げの段階まで持っていくのは難しいことです (それができていたら、リリースの準備ができたも同然です!)。メイン ビルドから分岐させて、展示会用のデモを作成することを検討してください。このようにすることで、開発の他の部分に影響を与えたり、チームの大勢の人の作業を中断させずに、間に合わせの改良を加えることができます。コンテンツ数は少ないが、同程度に仕上がっていれば、レベルのクオリティ レベルが大幅にばらつきがあるビルドに比べて不快感は少なくなり、没入感は高まります。自分たちのゲームで最高の印象を与えたいでしょう。ですから、まだ準備が整っていないものがあれば、展示会用のビルドから外してください。

  1. 早めに用意する

展示会の少なくとも一週間程前にデモのビルドを終了すべく全力を尽くしてください。展示会開催の数日前、数時間前に修正するよりも、早めに終わらせた方が精神的ストレスが大幅に減ります。ビルドの準備が整っていたら、現場に来てデモ展示するときに自信が付きます。

  1. 可能ならばスタンドアロンにする

可能ならば、外部のサーバーやインターネット接続を必要としないビルドを作成してください。これらは接続維持が難しいことがあるため、避けるのが最善です。あいにく、これが不可能なときもあります。その場所の IP がホワイト リスト化されている安全なサーバーに接続する必要があるかを確認し、他のセットアップがあればイベント開始前に準備してください。

ゲームのタイプによって一段と効果的にデモ展示できるものがあります。コントロールがシンプルで、スピード感があり、すぐに結果がでるゲームは最適です。すぐに手に取って、簡単に終わらせることができるからです。ストラテジー ゲームやナラティブ ベースのゲームは見てもらうのは難しいです。時間がかかり、プレイヤーが入り込むことが必要だからです。両方とも展示会というシナリオでは限界があります。展示会でうまくいく方法が見つからなければ、プレイヤーからのフィードバックを得る他の選択肢を検討してください (オンライン プレイテストなど)。

上述のすべてのことを念頭に、ブースの設営について考えてみましょう!

ブースの設営

自分たちの限界を知る

展示会毎に内容は全く異なります。自分たちのスペースをどのように変えられるか、何を用意できるかは展示会毎に異なります。他のチームとブースをシェアする場合 (パブリッシャーや国の集まりで、独自のスペースをもつことはよくあります)、一定のスタイルを守る必要があります。計画を進める前に、資料を読んだり、主催者に問い合わせて禁止事項があるかを確認してください。

法律的にやって良いこと、悪いことを確認してください。例えば、ボストンの PAX East では、展示フロアのユニオン ガイドラインでは、運搬に 2 名を必要とするものを 1 名で運ぶことは認められていません。現場で電動工具の使用は認められないという事実もあります。労働法に違反すると、高額の罰金が科せられ、ブースの閉鎖に追い込まれる可能性もあります。 

ゲームに合わせてスペースを作る

展示会は信じられないくらい騒々しくて、人の動きも活発です。皆さんのゲームは、穏やかでリラックスするような静寂な雰囲気のゲームですか? コンサート会場のようなスペースにいるプレイヤーに対して、静かな雰囲気をどうやって再現したらよいでしょう? 座って和める空間を作りますか? (展示会の最後の方で疲れた方々には歓迎されそうですね。) 周囲の騒音を抑えることはできますか? 人の動きによって邪魔されないように、周りの視界をさりげなく遮る方法はありますか?ゲームでオーディオが非常に重要な場合は、ノイズ キャンセリング ヘッドフォンが必須です。そうでない場合でも、準備するものリストの上位に入ります。

ゲームでプレイヤーが動き回る必要がある場合、どのように安全を確保しますか?自分も経験がありますが、他の人と肘がぶつかる、他の人を叩く、蹴る、押すなどのケースを多く見てきました。無意識に近づきすぎることが原因です。これまでも Wii や Kinect のようなものを使用するときに自分の周りの空間と人々の状況をあまり把握していない場合、問題になっていました。VR 体験の機会が増えていますが、プレイヤーは誰が近くにいるか全くわかりません。プレイヤーと周囲の人々の安全を確保するのは、ブース主催者の責任です。

Sprint Vector Sprint Vector by Survios、GDC 2017

これまであらゆるタイプの解決策を見てきました。フロアに昔ながらのテープを貼る、プレイ空間をミニ フェンスで囲み、誰かが間違って入り込まないようにゲートを付ける、別の色 (明るい色) のカーペットを敷いてプレイ スペースを示し、どこに立てば安全であるかを示す、周囲に人だかりができないように壁で囲まれた個々のポッドを用意するなどがあります。

Gary the Gull Gary the Gull (Motional Entertainment 制作)、GDC 2016

ゲームのコンテンツが青少年に適しているか、バイオレンスやアダルト向けのコンテンツを含んでいないか?こうしたコンテンツを含んでいる場合は、主催者に知らせます。多くの展示会では、18 歳以上を対象にした特別エリアがあります。あるいは、青少年がコンテンツを見ることができないように出展者がモニタを間仕切りなどで仕切る必要があります。

それ以外の理由から間仕切りが必要になることもあります。例えば、以下があります。

  • ゲームのフッテージがインターネットに流出するのを防ぎます。
  • 大事な種明かしがあれば、次のプレイヤーに知られて台無しにしたくはないでしょう。
  • 感情に訴えかけるゲームや (誰でも泣いている様子をカメラに撮られたくないはず)、ユニークなコントロール システムがある場合に (プレイヤーによっては人目を気にします) プレイヤーのプライバシーを保つようにします。

Seek Booth Seek Booth、Dare to be Digital 2014

私が、2014 年の Dare to be Digital に参加したとき、Team Five Pixels と一緒に、Seek という AR/VR 体験を作りました。タブレットをプレイヤー周囲の世界との窓口として使いました。プレイテスト中に一部の人々が自分の動きを他の人に見られるのを嫌がったため、ある程度のプライバシーが保てるように空間をデザインしました。上の写真のように囲いを作って二面を布で覆い、プレイヤーの姿を見えずらくしました。

ブースの装飾

スペースのレイアウトについて考えがまとまったら、装飾しなければなりません。アドバイスとしては、可能ならば目立つようにすることです (ゲームの雰囲気に合えばですが、明るい感じに)。ただし、ゴテゴテしすぎないように。

RiME Booth RiME by Tequila Works、EGX Rezzed 2017

上の写真は、今年開催された Rezzed Unreal EngineゾーンRiME ブースの様子です。我々と共に 14 チームが参加して、素晴らしい装飾をしました。エリア全体に広がる美しいグラフィックスを用意したのです。モニタの位置を考慮した上でグラフィックスが見苦しく途切れないようにし、テキストを上の方に配置して部屋のどこからでも人々の頭越しに見えるようにしました。

ほとんどのチームが同じようなテーマだったので、うまく行きました。他の 2 チームが後ろの方にいるのがわかりますが、この距離でも目立って見えます。ブースの装飾に、ソーシャル メディアの詳細を記載するのも良い考えです。来場者は常に写真を撮っているので、自分たちのハッシュタグや @ をはっきりと表示して投稿にタグ付けしてもらうようにします。

通常は、少なくとも一か月前までにブースの装飾について提出しなければなりません。調整、プリントなどの時間に余裕を持たせるようにします。そのため、早い段階で装飾について検討するようにしてください。

ハードウェア

ブースの準備で考えるべきもうひとつの点として、提出を求められるハードウェア要件があります。大ざっぱではだめです。必要なコンセント数に至るまで何もかもを含めるようにします。必要なタイプのケーブルやアダプタをリスト化し、非常に特殊なものが必要なら、自分で調達して持参した方が、主催者側に用意してもらうより良いでしょう。私の場合は、HDMI - Mini HDMI ケーブルをいつも持っていきました。

以下は警告として知っておいていただきたいことです。常時、電源に接続しないモバイル デバイスやコントローラーを使う場合は、デモ展示している倍の数が必要になります。例えば、4 台の PSVR キットを用意して、それぞれ 2 つの Move モーション コントローラーを使っている場合、合計で 16 個のコントローラーが必要になります。つまり、1 セットを充電しながら、もう 1 セットはプレイに使います。こうすることで電池が切れたらダウンタイムなしに簡単に取り換えることができます。

これだけでなく、すべての物に対して、少なくとも 1 つスペアを用意します。コントローラー、PC、モニターなどは、一番そうなってほしくないときに動かなくなることがあります。ですから、常にスペアを用意しておくとよいでしょう。

ブースを実際に設営するときは、早めに到着するようにしてください。ぎりぎりにやると、必ず何かが壊れたりします。設営にはできるだけ多くの時間をかけた方が無難です。こうすることで、機器が追加で必要になったり、緊急の修理が必要になっても、時間があれば手伝ってくれる人を探しやすくなります。展示会当日も早めの到着が大事です。前日に問題がなかったからといって、翌朝機能するとは限りません。自分の場合、ブースに到着したときに、あらゆるコードが抜かれていたことがあります。十分に時間の余裕を持って到着して、機器がちゃんと動くようにしてください。

ノベルティグッズ

誰でも無料のものは好きですよね。ノベルティグッズにお金をかける価値がないこともあります。帰宅後に捨ててしまう人も多いからです。しかし、何か記念になり、ゲーム独自のものを作ることができれば、価値のあるものになります。GDC で Snake Pass チームは、空気を入れて膨らむヘビを配りましたが、私は Sherman と名付けてまだ家に持っています。

Sherman the SnakeGDC 2017 で Alex と私の Twitch ライブに参加したヘビの Sherman

ステッカーは携帯、ラップトップなどに貼って楽しんでもらえますが、展示会の規則がないか確認した方がよいでしょう。GDC では、ステッカーの配布は禁止されています。自分たちのブランド名が入ったステッカーが貼られているのが見つかると、違反した会社に重い罰金が科せられます。

コースター、USB メモリー、栓抜き、ペンなど実用的なものはだいたい良い反応が得られます。単なる安物 (ごめんなさい) ではなく使えるものです。

ゲーマー以外が使えるものも考えます。Dare では、子供用にヘリウム不使用のバルーンと塗り絵を用意して喜んでもらいました。年上の兄弟姉妹や親がゲームをプレイしている間、小さな子供たちを飽きさせないようにしたのです。

個人的準備

ブースの設営が終了すると、いよいよ運営を楽しむ時がやってきます。単刀直入に言うと、誰もがブースの運営に向いているわけではありませんが大丈夫です。そう見えないかもしれませんが信じられないくらい重労働です。少なくとも 9 時間立っていて、絶えず人々とやりとりするので、肉体的、精神的に疲れ果ててしまいます。

個人的には本当に楽しく感じますが、自分は少数派だと思います。一日は長く、ストレスがたまることもあります。一日中元気を保てるように、コツを教えます。

宿泊場所を検討する

会場の近く、場合によっては会場内に宿泊するのは信じられないくらい料金が高く、予算に制限があれば無理な場合もあります。遠くになるほど安くはなりますが、会場と宿泊場所とのアクセス方法を考えなければなりません。予約時には徒歩 45 分でも大丈夫と考えるかもしれませんが、それが展示会でへとへとに疲れた後の土砂降りの雨の中だったら最悪です。

友人が会場近くにいれば、そこに泊まれるか聞いてみたり、仲間と Air BnB をシェアできるか検討しましょう。少し余分なお金を払って会場の近くにすることは価値があります。一日の終わりにすぐに自分の部屋に帰って荷物を置いたり、忘れ物をしたらすぐに取りに帰ることもできるし、足の疲れも少なくなります。

どこに泊まっても、会場への行き帰りのルート、特に夜遅い時間の帰り方を確認しておきます

チームの規模は適切に保つ

ブースの規模に応じて、適切な規模のチームで参加するようにします。大まかな指針としては、スクリーン数の半分の人数に加えて、2 名いるとよいでしょう。2 スクリーンで 3 名、6 スクリーンで 5 名、10 スクリーンで 7 名というようになります。つまり、プレイヤーを助ける人員と、プレイを見ている人々と話す人員がいて、誰かが休憩を取ってもすぐに代わる余裕がある人数です。

自分だけでブースの対応をすることになったら、友人を説得して助けてもらえるか検討します。食べ物や飲み物を差し入れてくれる人 (あるいはトイレ休憩などの短時間ブースの留守番をする人) がいれば、当日助かることでしょう。

快適な靴と服装

私は展示会用にリーボックのスニーカーを買いました。会期中はかなりの距離を歩きます。初めて GDC に参加したときは、靴が駄目になるほど歩きました。足を適切にサポートして、通気性の良い靴は、立っているとき、一日の終わりに靴を脱いだとき、翌朝再び靴を履いたときに大きな違いを生み出します。

展示会場は気温が高く、汗ばむことが多い場所です。私のように暑さが苦手なら、涼しさを保つ服装をして暑さを防ぐようにしてください。チーム T シャツは用意した方がいいですが、それについてのアドバイスです。ベースにグレイは使わないでください。汗ジミが一番目立ちやすい色です。

展示会中にブース外でビジネス ミーティングがあれば、まともな着替えを用意した方が無難です。展示会場では、ジーンズ、T シャツ、トレーナーでもいいですが、ミーティング (特に資金調達関係) に行く場合は、周りの人がみんなスーツを着ているので、展示会に立っているままの格好だとカジュアルすぎる感じがするでしょう。展示会の服装から雰囲気を変える以外に、私の場合は、ちゃんとした服を着ることで自信がわいて、緊張するミーティングの場合は助けになりました。無理しなくて大丈夫です。見苦しくない、まともなズボン、シャツ、トップス、靴があれば十分です。

自分で食料と水を用意する

水分補給は大事です。暑さと空調による乾燥のひどさには驚かされます。ブースに置く場所があれば、日中飲めるようにペットボトルの水のパックをチーム用に用意します。多くの会場には、ウォーター クーラーがあって空いたボトルを補充することができます。

開催時間中に食事できるとは限りません。実際、ランチタイムはありますが、自分が食べたいと思う時間には、10,000 名を超える来場者も食事をとるのです。地元のあらゆる飲食店には大行列ができます。できれば、前もって計画して、自分の食事を用意してください。

自分の場合は、朝食を山ほど食べるようにします。夕食まで食べるチャンスがなさそうだからです。いつ重要な会話が始まるか自分では選べません。ですから、シリアルバーのような簡単なものを持っていって、わずかな時間を見つけて食べてください。

衛生上の注意

極度な潔癖症の方がこの記事を読んでいたら、展示会を楽しめなくなるかもしれません。ものすごく沢山の人と握手をするので、消毒液を常に手元に用意するようにしてください。定期的に消毒してください。特に食事前は、展示会につきものの得体のしれない病気を避けるために重要です。

ハードウェアやみんなが触るハンドルも気を付けます。コントローラー、タブレット、マウスなどは、定期的に拭いてください。VR プロジェクトのデモをしている場合は、顔が触れるスポンジ面を覆う拭き取り可能な保護製品を購入する必要があります。ヘッドセットは使うたびに一回一回クリーニングしなければなりません!! 例外や言い訳は無用です。

安全を確保する

最近のほとんどの展示会では、応急処置 (あるいは正式な救急チーム) が必要な場合に備えて医務室があります。もし体調で気になっていることや持病があれば、こうした場所を到着時に予め確認し、スタッフにその内容を伝えておくとよいでしょう。

トークの習得

開始前に、チームの全員が話す内容を把握するようにします。主な持ち場、見せたい機能、今後の予定、消費者が求める発表、ゲームのセールス ポイントなどが考えられます。秘密にしておきたいことがあれば、全員がそれを話さないように気をつけます。プレスやメディアは必ずしも識別できるバッジを付けているとは限りません。ですから、全員と同じように感じよく接するようにします。答えたくない質問をされたら、「現段階ではお答えできません」とか「この件についてはまだ決定していません」と言えば十分でしょう。

さらに多くの人々と話すと、展示会開期中にトークは広がりを見せていくでしょう。大勢の人に自分のゲームについて説明していくうちに、何回も繰り返す同じ言葉や言い回しがあることに気づきます。特にプレイヤーの心をつかんだ言葉があればメモして、チームのメンバーと共有してください。

心の底から出てくる言葉で、自然に出てくるトークがあれば、大きな助けになります。私は Apple で Seek (前述の iOS タイトル) の即興の売り込みをしたことがあります。とても緊張していたのでデモをオートパイロットに切り替えました。その場で何かを作らなければならなかったら、セールス トークはうまくいかなかったと思います。うまくいって良かったです。

常にブースで何かが動いているようにします

誰もゲームをプレイしていない時間ができることでしょう。人は人を呼ぶため、ブースを空っぽの状態にするのは望ましくありません。人を惹きつけてプレイさせるにはいくつかの方法があります。誰も使っていないときは、ゲームプレイのトレーラーを繰り返し見せて、通りすがりの人がどんなゲームかわかるようにします。あるいは、自分でプレイして見せて、周りで人が見始めたら、コントローラーを譲ります。自分のゲームを沢山プレイして上手になっているといいでしょう。格好いい、すごいところを見せて、周りの人を驚かせてプレイしたい気分にさせてください。

最後にスマイルを!

自分のプロジェクトにワクワクしていたら、周りにいる人々もそうなります。これまで沢山目にしてきた悪いパターンですが、ゲームの言い訳から会話を始めるのはやめましょう。「ごめんなさい。まだこの機能はできていないんです」という代わりに、前向きな表現に置き換えます。例えば、「現在、これが機能していて、将来 x と y の機能を追加する予定です」というように言うのです。

誰かがゲームを褒めてくれたときに、「それほどでもありません。まだ足りないところがあるんです」なんて反応をせずに、単に「ありがとうございます」といって笑えばいいんです。謙虚さと自信過剰との間で適度なバランスを取ることができるラインがありますが、新規デベロッパーはネガティブに自らを卑下しがちのようです (特に英国の方々)。もしプレイヤーがゲームを気に入らなかったら、そう言うでしょう (特に子供は、はっきり言います)。ですから、言葉を真に受けずにひたすら楽しんでください。

楽しそうにしていれば近づきやすくなり、人々がもっと話しかけてくるようになります。誰とも話していないのは無駄な時間になります。私がこれまで築いてきた重要な人間関係の数々は、偶然の出会いであり、列に並んでいる間にたまたま話した人だったり、休憩で外に出たときに話した人だったりします。皆さんも、近づきやすい雰囲気を持つようにしてください。いつ何が起こるかわからないんですから!

Happy Developers 以下のチームの笑顔のデベロッパーの皆さんです。Sumo Digital, Ocean Spark Studios, Pixel Blimp, Puny Astronaut, Right Nice Games, Pantumaca Barcelona, Planet Alpha, KeokeN および Bulkhead Interactive

この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。あらためて、情報をくださった David Dino 氏、James Megretton 氏、Chris Wilson 氏に謝意を表します。これまで同様、何か質問や、みんなで共有できるご自身の展示会にまつわるコツや情報があれば、コメント欄に書き込んでください。チェックして可能な限りお答えします。