「Daughter of the Inner Stars」の主人公、Fia のクローズアップ。

スポットライト

2026年5月5日

MetaHuman と UE5 を使用して、Daughter of the Inner Stars 上でスタイライズされたデジタル ヒューマンを作成する

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MetaHuman

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UE5

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Daughter of the Inner Stars は、ライブ ナレーション、アニメーション、シネマティック スコアを融合した、50 分間にわたるオリジナルのシンフォニック オーケストラ エクスペリエンスです。Nicholas Buc 氏と Melanie Hiluta 氏が作成し、James Vinson 氏が脚本と監督を務めたこの番組は、無益な宇宙戦争の銃火の中で、行方不明の父 Burto を捜す勇敢な少女 Fia の旅を追う物語です。

この物語を特に魅力的にしているのは、最終的な結末だけではありません。結末は間違いなく魅力的ですが、とりわけ素晴らしいのは、それを達成する過程にあります。

小規模なチームと限られたリソースで、クリエイターたちは MetaHuman と Unreal Engine を活用し、以前は不可能だと思っていたことの限界を押し広げました。これらにより、スタイライズされたビジュアル、リアルタイム制作、高忠実度パフォーマンス キャプチャを組み合わせ、現代のストーリーテリングに必要なまとまりのあるパイプラインを実現するという、新しい種類のワークフローへの道が開かれました。

フォトリアリズムと絵画調のビジュアルスタイルの融合


Daughter of the Inner Stars の最も特徴的な側面の 1 つは、そのビジュアル アイデンティティです。フォトリアリズムに全面的に傾倒するのではなく、エクスペリエンスのビジュアル ワールドの構築を任された Inferstudio のチームは、より触感的で表現力豊かな美学を目指しました。

「光沢のあるスクリーン中心のメディアの慣習よりも、むしろ絵本に見られるマットで物質感のある表現に重きを置きました」と、プロダクション デザイナー、撮影監督、VFX スーパーバイザーを務める Nathan Su 氏は説明しています。

同時に、Inferstudio は、チームの規模が小さく、それぞれのスキルセットを考慮すると、Unreal Engine でのリアルタイム ワークフローが唯一実現可能なアプローチであるとすでにわかっていました。

番組のビジュアルの初期テストでは、チームは絵画的な背景環境を作成し、制限されたアニメーションで 2.5D のイラスト キャラクターを合成しました。「シーンは、静止したポートレートや没入感のあるタブローのようなものとして捉えていました」と、Su 氏は語ります。その後、

MetaHuman Animator が公開されると、彼らは試しにキャラクターをフルの MetaHuman へと変換し、簡単なフェイシャル モーション キャプチャのテストを行いました。

「その時点で、ディレクターの James が、実際の人間の演技を作品に取り込める可能性に強い関心を示しました。そこで私たちは、静止したタブローという発想から、より動きのあるアプローチへと素早く方向転換しました」と、Su 氏は説明しています。

MetaHuman の高い再現性と精度は、このプロジェクトにとって大きな前進となりました。というのも、それによってキャラクターの複雑な感情におけるニュアンスや繊細さを、より深く表現できるようになったからです。 しかし、これにより新たな問題が発生しました。MetaHuman の強みはリアリズムにありますが、それが意図しない方向にビジュアルを押し進めてしまったのです。

「キャラクターの解像度が非常に高かったため、シーンがビデオ ゲームのカットシーンのように感じられるようになりました」と Su 氏は述べています。

彼らは、より絵画的な美学を再発見する必要があり、新たな実験を行うことにしました。 こうした背景が、Unreal Engine のレンダリングと AI アシストのスタイライズを組み合わせたハイブリッド パイプラインの開発につながりました。

「Unreal からすべてをプロダクション品質で基本的にレンダリングし、その後、ショーの最終フレームをすべて、開発したカスタムの AnimateDiff スクリプトに投入しました」と Su 氏は説明します。

Stable Diffusion による AI 処理は意図的に軽めに施されており、画像を根本的に変えるのではなく、エイリアシングやぼかしアーティファクト、テクスチャの継ぎ目といったデジタル特有の細かな違和感を取り除くことに重点が置かれていました。あわせて、髪のような部分のエッジや交差部分には、わずかな変化と柔らかさが加えられています。

重要なのは、画像を大きく作り替えることではなく、あくまで繊細に整えることでした。複数の出力を重ね合わせることで、ライティングや構図のコントロールを保ちながら、ディフュージョン的で絵画的な質感を加えています。

「ほとんどの場合、これは比較的シンプルな不透明度の調整で対応していました」と、Su 氏は語ります。「レンダリングした画像の上に、Stable Diffusion の画像を 30〜50% 程度の割合でブレンドしていました」

その結果として生まれたのは、イラストとシネマティックなリアリズムの中間に位置するビジュアル スタイルです。これは、ポストプロセス技術と組み合わせることで、リアルタイム パイプラインがいかに柔軟に活用できるかを示しています。
「Daughter of the Inner Stars」の CG キャラクター、Burto。
Images courtesy of Inferstudio.

スタイライズされたキャラクター デザインに合うように MetaHuman をカスタマイズする


このスタイライズされた外観を実現するには、ポスト プロセスだけでは不十分でした。チームは、特にメインキャラクターの Fia については、MetaHuman アセットを直接修正しました。「彼女は Blender で作成したカスタムのヘア グルーム、アップスケールされた目、そしていくつかのカスタム スキン テクスチャを持っていました」と Su 氏は言います。

彼女の目については、チームは MetaHuman Creator (MHC) で実現できる範囲を超えたプロポーションを求めていました。 見た目を完璧にするため、彼らはまず MHC で希望の結果にできるだけ近いキャラクターを作成し、次に Unreal Engine から直接ヘッド メッシュをエクスポートして、Blender で編集しました。

「実際にスケールアップする必要があったのは目そのもののメッシュだけであったため、モデリング プロセスはかなり簡単でした」と Su 氏は述べています。

目のような特徴を標準的な制限を超えてスケールアップすることで、最終的にチームはデザインを 2D イラスト スタイルに近づけることができました。「正直なところ、そのすべてがこれほど実現可能だとは思っておらず、大きな衝撃を受けました。特に、多くの場合でツールを使いながら同時に学んでいたことを考えると、なおさらです」と、Su 氏は語ります。

他のヒューマノイド キャラクターについては、チームは MetaHuman のベースとなる顔や身体を使用しつつ、髪型や衣装、顔のディテールにカスタマイズを加えることで、よりスタイライズされ、手描き感のある美学を実現しました。

「MetaHuman のブループリントの仕組みは非常に扱いやすく、テクスチャやボディ メッシュを差し替えるだけで、独自性の高いキャラクターを簡単に生み出すことができました」と、Su 氏は説明しています。

MetaHuman はヒューマノイド キャラクターに対して柔軟な基盤を提供しましたが、リヴァイアサンのような非ヒューマノイドのクリーチャーに取り組む際には、アプローチが大きく変わりました。これには、各クリーチャーの解剖学的構造に合わせて調整された、完全にカスタムのリグとアニメーション ロジックが必要でした。

MetaHuman のように標準化されたツールやワークフローの恩恵を受けられるものとは異なり、これらのキャラクターは、プロシージャル リグからスプライン ベースのアニメーションに至るまで、より実験的な手法に依存していました。これは、人間の形態を超えた表現に取り組む際には、パイプライン自体も柔軟に適応させる必要があることを示しています。
「Daughter of the Inner Stars」の Fia と人間以外の CG キャラクター。
Images courtesy of Inferstudio.

顔とボディのモーション キャプチャを組み合わせてリアルなパフォーマンスを実現


パフォーマンス キャプチャは、ヒューマノイド キャラクターに命を吹き込む上で中心的な役割を果たしました。チームは、フェイシャル キャプチャ用に MetaHuman Animator を、ボディ トラッキング用に Autodesk Flow Studio を組み合わせ、その後、データを手動でマージしました。

「ボディのデータとフェイシャル キャプチャのデータを同期させる作業は、すべてのアニメーションごとに手作業で行う必要がありましたが、一度同期が取れると、まるで魔法のような結果が生まれました」と、本プロジェクトに携わったデジタル ヒューマン スタジオである IMPERSONAS の創設者兼 CEO である Nour Hassoun 氏は説明しています。

顔とボディの両方に 1 台のカメラベースのキャプチャ システムを使用していたため、チームは複数のパフォーマーを同時に互いにインタラクションさせることができました。

「もし複数のモーション キャプチャ スーツや、より高価なトラッキング システムが必要だったとしたら、このプロジェクトでモーション キャプチャを実施することはまず不可能だったでしょう。また、シーン内のすべてのパフォーマーを同時に収録できることは不可欠でした」と、Su 氏は語ります。

チームはさらに、Live Link Face の機能を活用し、スマートフォンを使ったフェイシャル キャプチャによって、低コストでのパフォーマンス キャプチャを実現しました。

「自転車用のヘルメットにセルフィー スティックや足首用のウェイトを取り付け、さらにダクト テープを少し使いすぎなくらい使って、かなりローテクなフェイシャル キャプチャ用リグを組み上げました。すると、驚くことにかなり安定して動作したんです」と、Su 氏は語ります。
Images courtesy of Inferstudio.
「パフォーマンス キャプチャは、このプロジェクトに取り組むほんの 1 年前でさえ、自分たちの規模やスキルセットでは到底扱えるとは思ってもみなかった分野でした」と、Su 氏は語ります。

キャプチャした俳優の演技をスタイライズされたキャラクターにリターゲットする工程では、試行錯誤の連続でした。目の動きが大きすぎると Fia の目がクリッピングを起こしてしまい、特定の身体動作では腕が衣装のスリーブを突き抜けてしまうこともありました。

「テクスチャ マスクやカメラの工夫、そして丁寧なアニメーションのクリーンアップを組み合わせれば、解決できない問題はありませんでした」と、Hassoun 氏は語ります。

チームは、リアル系のキャラクターとスタイライズされたキャラクターとで大きく異なる点のひとつは、モーション キャプチャのクリーンアップが単なる「修正作業」にとどまらないことだと気づきました。その上に、クセを補正したり、誇張されたプロポーションにより豊かな生命感を与えたりするための、創造的な追加アニメーションの工程が存在しているのです。

「こうしたクセはあったものの、このワークフローは従来のアニメーション パイプラインと比べると、まさに大きな助けになりました」と、Hassoun 氏は語ります。「特に、チームにはいわゆるクラシカルな意味でのキャラクター キーフレーム アニメーターがいなかったことを考えると、その恩恵はなおさら大きかったです」

そのすべてのアニメーションのクリーンアップは、Unreal Engine で直接行われました。これは、チームが MetaHuman Animator から取得したパフォーマンス データの品質が高かったおかげで可能になりました。

「アニメーション コントロールの自由度やツール、制約、スイッチといった要素に加えて、リアルタイムでレンダリングできる点も含めて、本当に優れた環境だと思います」と、Hassoun 氏は語ります。

「特に、非常に細かなニュアンスが求められるフェイシャル キャプチャのクリーンアップにおいて、その良さが際立ちます。スコープにレンダリングされた結果がすぐに表示されると、調整、テスト、イテレーションがやりやすくなります。私たちは非常に小さなチームです。ツール間でデータをエクスポートおよびインポートするような余裕があるなら、その時間を映画の改善に費やす方が合理的です」
「Daughter of the Inner Stars」用の MetaHuman フェイシャル キャプチャ設定。
Images courtesy of Inferstudio.

リアルタイム シネマティック制作のための Unreal Engine


Unreal Engine は、制作全体の背骨として機能しました。UE のリアルタイム機能が、チームで行えることの可能性を根本的に変えました。

「この規模と複雑さを持つ作品は、従来の PBR レンダリング ワークフローでは私たちには実現不可能だったでしょう」と、Su 氏は述べています。「レンダリング時間だけでも致命的な負担になっていたはずですし、ましてや、異星の風景を横断するダイナミックなロング テイクや、生命やジオメトリが密集した世界を描くという野心を実現することなど、とても不可能だったと思います」

彼らは、Unreal Engine の主要なレンダリング テクノロジーによって、より少ないチームでより多くのことができるようになることに気づきました。

「Daughter of the Inner Stars の制作に着手したとき、Lumen と Nanite を利用することから、Unreal Engine で構築およびレンダリングすることになるだろう、とかなり早い段階から考えていました」と Su 氏は述べています。「Quixel Megascans のアセットとマテリアルへのアクセスも、非常に頼りになるものでした」

レンダリングを超えて、Unreal Engine はリアルタイム コラボレーションも可能になりました。「オンライン ミーティングを通じて、作曲家の Nick やディレクターの James と連携し、画面共有を使いながら、環境やカメラの動きについてリアルタイムでフィードバックを出し合うことができました」と、Su 氏は説明しています。「私たちが構築していたシーンはリアルタイム性を備えていたため、James が各ショット内の動きや演出をその場で確認し、細かくブラッシュアップしていくことが容易になりました」

これにより、従来のパイプラインよりも迅速に、より協力的でクリエイティブな意思決定を行えるようになりました。
「Daughter of the Inner Stars」向けに Unreal Engine で CG キャラクターをリギング。
Images courtesy of Inferstudio.

小規模チームが大きな物語を作れるように

 
Daughter of the Inner Stars リアルタイム レンダリング、手軽に扱えるパフォーマンス キャプチャ、そして柔軟なキャラクター ツールの組み合わせによって、小規模なスタジオでも大規模でシネマティックなエクスペリエンスを生み出せることを示す好例です。

それだけにとどまらず、本作はクリエイティブ テクノロジーにおけるより大きな変化をも示しています。

MetaHuman や Unreal Engine のようなツールは、単にワークフローを改善するだけでなく、インディペンデント クリエイターにとって「何が可能か」という定義そのものを塗り替えつつあります。「MetaHuman Animator のリリースが、このプロジェクトに対する私たちの目標とアプローチを完全に変えたと言っても過言ではありません」と Su 氏は締めくくりました。
「Daughter of the Inner Stars」に登場する、非ヒューマノイドの CG キャラクターである Leviathan。
Images courtesy of Inferstudio.

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