Unreal Engine ゲーム テンプレートのアップデート

6月3日に公開された Unreal Engine 5.6 にあわせて、ゲーム テンプレートが大幅にアップデートされました。開発スピードを高め、カスタマイズ性をさらに向上させる内容となっています。

テンプレートに新機能「Variants」を追加

ファーストパーソン、サードパーソン、トップダウン、ビークルの各テンプレートに新たに Variants 機能を導入しました。これにより、さまざまなゲームプレイ スタイルに合わせたテンプレートを、よりスムーズかつ柔軟に作成、カスタマイズできます。

横スクロールのプラットフォーマー、オープンワールドのレース ゲーム、トップダウン型のストラテジー ゲームなど、用途に特化した出発点が用意されているため、プロトタイピングや開発をスピーディに進められます。

Variants 機能のオプションは、[New project... (新規プロジェクト....)] ウィンドウから選択できます。

パフォーマンス最適化

今回追加された Variants 機能は、開発ワークフローをより効率的に進められるように設計されています。さらに、テンプレート全体のパッケージ サイズも大幅に最適化、軽量化されており、Unreal Engine のダウンロード時間を短縮しつつ、機能面はより充実しています。これにより、開発開始から完成までの時間を加速度的に短縮できます。

下記で、それぞれのテンプレートで更新された事項をご紹介します。

ファーストパーソン テンプレート 

ファーストパーソン テンプレートには、FOV、スケール、ライティングを個別に調整できる高度なレンダリング機能が追加され、柔軟性と表現力が向上しています。また、構造とパフォーマンスを改善するために、完全実装されたキャラクターと、スムーズに一人称視点へ遷移するためのカスタム コントロール リグが追加されました。加えて、「Survival Horror」と「Arena Shooter」という 2 つの新しいバリアントが利用可能になりました。
 
Survival Horror」は、暗く不気味な雰囲気の物語演出を目的とした、ライティングとムードのプリセットが構成されたバリアントです。 

含まれる機能は次の通りです。
  • プレイヤー用フラッシュライト
  • 暗い環境のライティング設計に関するベスト プラクティスを示すサンプル マップ
  • スプリント機能と、それに対応する UI
  • ライトのちらつき
Arena Shooter」バリアントは、さまざまな武器や高度な戦闘アクションを備えた、対戦型シューター向けの環境を提供します。 

含まれる機能は次の通りです。
  • 多彩な武器ピックアップ
  • 弾薬のバリエーション
  • AI 対戦相手
  • 弾薬 UI
  • アリーナ風マップのサンプル

サードパーソン テンプレート

サードパーソン テンプレートは、アクション ゲームの開発に適した堅実な基盤を提供します。Unreal Engine 5.6 では、戦闘、横スクロール、プラットフォーマーなどの新しいバリアントが追加され、より幅広いゲームプレイ スタイルに対応できるようになりました。

戦闘バリアントには、戦闘メカニクス、敵のターゲティング機能、ヘルス管理システムが組み込まれており、アクション性の高いゲームを効率的にビルドできます。 

含まれる機能は次の通りです。
  • 手を使ったシンプルな戦闘
  • コンボ攻撃
  • AI 対戦相手
  • ワールド内ヘルス値バー UI
  • 戦闘マップのサンプル
横スクロール バリアント は、サードパーソン視点を横スクロール形式に適応させたもので、カメラや移動システムがあらかじめ設定されています。

含まれる機能は次の通りです。 
  • 固定カメラのサンプル
  • 制約のある平面セットアップ
  • ピックアップ
  • 片側コリジョンとドロップスルー コリジョンの相互作用
  • 床に固定してカメラをロックする例
  • 横スクロール用のサンプル マップ
プラットフォーム バリアントでは、高度なジャンプ、壁のぼり、動的な移動メカニクスなど、精密な操作が求められるゲームプレイに対応しています。
 
含まれる機能は次の通りです。
  • ダッシュ メカニクス
  • 壁ジャンプ
  • プラットフォーミング用のサンプル マップ

トップダウン テンプレート

トップダウン テンプレートは、見下ろし視点のゲームを制作するための基本機能を備えており、今回のアップデートで「ストラテジー」と「ツイン スティック」の 2 種類のバリアントが追加されました。

ストラテジー バリアントは、グリッドベースの移動システムを使ってストラテジー ゲームをビルドするために設計されています。
 
含まれる機能は次の通りです。
  • AI キャラクターのドラッグ選択
  • シンプルなキャラクターとのインタラクション
  • 屋根を透過するトランジション エフェクト
  • シンプルな AI 移動の例
  • 正投影カメラのセットアップ
ツイン スティック バリアントは、ツイン スティック シューター ゲームを制作するためのメカニクスを提供します。デュアル スティックによる照準と移動、そして戦闘に対応したキャラクター システムを備えています。

含まれる機能は次の通りです。 
  • シンプルな AI 対戦相手
  • 爆弾と射撃のメカニクス
  • シンプルなアリーナ マップ
  • スコアと乗数の UI

ビークル テンプレート

ビークル テンプレートは、ドライビング ゲームやレース ゲームを制作する際の出発点となるテンプレートです。今回のアップデートでは、オフロードおよびタイム トライアルのバリアントが追加されました。 

ビークル モデルはカスタマイズを簡単にするために、空のスケルトンにアタッチされたスタティックメッシュのパーツとしてモジュール化されており、マテリアルやテクスチャもパフォーマンス向上のために簡素化されています。さらに、スタティックメッシュおよびスプラインメッシュを簡単にスポーンさせる 2 つのブループリントが含まれており、これらは将来的にプロダクションに対応可能になり次第、プロシージャル コンテンツ生成フレームワークに置き換えられる予定です。また、ランタイム仮想テクスチャリング (RVT) がプロジェクト全体で有効化され、各マップでの描画品質と効率が向上しています。
 
オフロード バリアントでは、荒れたテレインを舞台にしたオフロード スタイルのゲームプレイに対応した、モジュール式コンポーネントや簡素化されたアセットが提供されます。豊かな地形が広がるサンプル マップも含まれています。 

含まれる機能は次の通りです。
  • オープン ワールド探索用マップ
  • オフロード対応の全輪駆動車両のサンプル
  • スプライン道路
  • ランタイム仮想テクスチャリング (RVT) マップのセットアップ
  • Hierarchical Level of Detail (HLOD) 構造体 
  • (メモリを節約するため、HLOD はビルドされていません)
タイム トライアル バリアントは、ラップ タイマーやチェックポイント ロジック、専用 UI などを備え、時間を競うレース エクスペリエンスのビルドをスピーディに行えるよう設計されています。

含まれる機能は次の通りです。 
  • シンプルなトラック マップ
  • ラップの通過地点を示すゲート構造
  • 時間とベスト タイムの UI

共有リソース

新しいテンプレート バリアントに加えて、バリアント間で共有されるコンテンツもアップデートされています。

レベル プロトタイピングには、Nanite 対応の高品質メッシュや、ドア、ジャンプ パッド、物理ダミーといった新しいインタラクティブ要素が追加されました。

キャラクターの「Manny」と「Quinn」には最適化されたマテリアルが適用され、素手や武器装備時の状態を含む新しいアニメーション セット (ダッシュ、戦闘、被弾、死亡など) も用意されています。

入力システムには、テンプレート全体で共通して使える標準化された入力パックが導入され、モバイル向けのタッチ入力やウィジェットベースの仮想サムスティックにも対応しています。

武器も追加されており、ピストル、ライフル、グレネード ランチャーなどが新たに登場しました。テクスチャやマテリアルは最適化されています。

テンプレートで次のプロジェクトを始める

まずは Unreal Engine 5.6 をダウンロードし、[New project... (新規プロジェクト....)] 画面から新しいプロジェクトを作成してみましょう。[Variant (バリアント)] ドロップダウン メニューから、あなたのニーズに合ったバリアントを選択するだけで、最適なテンプレートがすぐに使えます。シンプルな構成で始めたい場合は、ドロップダウンから [None (なし)] を選択すると、軽量版のテンプレートが使用できます。

さらに詳しく知りたい方は、Inside Unreal の「New Template Sneak Peek」動画をご覧ください。