編集者注: ゲスト著者の Brian Crecente は、ビデオゲームのサイト Kotaku を設立し、Polygon を共同設立しました。彼はまた、Rolling Stone 誌および Variety 誌でビデオゲームの編集者も務めていました。現在、Pad and Pixel で出版社とビデオゲーム業界のコンサルティングを行っています。ソフトウェアとエンジンのイノベーションは最新のビデオゲームの原動力となりますが、ハードウェアとその進歩するテクノロジーは次世代を定義します。
「この機能により、3D モデルには複数の LOD が不要になります」と Epic Games の Sjoerd De Jong は言います。「ただし、それを動作させるためには、非常に迅速にデータにアクセスできる必要があるとともに、データが不要になり次第同じように迅速に削除できる必要があります。SSD は超高速であるため、コンテンツはほぼ瞬間的にロードされます。長年にわたり、グラフィックスの主な関心事は 3D 能力にありました。しかし、その進歩は、古い機械仕掛けの HDD が動く速度によって制限され始めてきました。しかし、SSD が標準になりつつある現在、HDD によって制御されていたグラフィック能力に変化が起きています。おそらくこれは 3D ゲーム史上初めてのことでしょう。」
「手が PC に触れるインターフェースも発達しました。これには、タッチパッドやキーボード、マウスなど、あらゆるインターフェイスが含まれます」と Goyanes 氏は言います。「それらはすべて、パフォーマンスと人間工学に特化した改善が行われています。それらは、さまざまな意図を込められた改善となっています。たとえば、プレイヤーにゲーム中に優位性を与えるためであったり、構成の美的感覚を際立たせるためであったり、キーストロークをより深くするためであったり、快適さを目指したマウスと手の整合性のためであったりします。場合によっては、お気に入りのゲームをプレイしている間にメタファー的な拡張性を感じてもらうためであったりもします。」
「アクセシビリティ コントローラーという物凄い進歩によって、ゲームプレイは民主的なものになりました。誰もがプレイできるようになったのです」と、Logitech の戦略的パートナーシップ マネージャーである Curtis Brown 氏は述べています。
Logitech G Adaptive Gaming Kit は、Microsoft の Xbox Adaptive Controller と互換性をもち、さまざまなボタンとスイッチが備わっているため、個人的なニーズに最適なコントローラーを作成することができます。
「これによって、自ら望む方法でゲームをプレイすることができる全く新しい層が登場しました」と Brown 氏は言います。私たちの多くは、自分のゲームプレイのスタイルに非常に関心をもっています。それは、色覚や、聴力、運動能力が十分ではない状態に置かれていても変わりません。このキットは、大手企業が初めて行った試みです。殻から外に出て、流れを変え、誰もがプレイし参加できるはずだと言ったのです。
Logitech の G Adaptive Gaming Kit
また、Logitech は、周辺機器への同社のアプローチを見直すために数年を費やしました。その結果、多くの製品を再設計することによって、仕事と目的に合った設計を行うべきであると分かったのでした。この見直しによって、同社はあらゆるサイズの手にフィットするマウスをそろえることとなりました。さらには、日常の使用から最小限の e スポーツプロ向けのものまで、あらゆる用途に対応する幅広いラインナップのキーボードを開発することを意味していました。
Brown 氏の考えでは、次世代周辺機器の新たな波が到来すると、より正確で高速なさまざまなマウス センサーの普及や、さまざまな触覚体験が可能なキーボード スイッチ、ハイエンド周辺機器全般の必要性を後押しし続ける e スポーツの隆盛が見られるとことになります。
Logitech のような企業にとって、長きに渡ってネックとなっていたものは、コンピューターとの入出力に関係するものでした。しかし、USB-C が定着し始めた現在、デバイスに多くの可能性の道が開かれました。たとえば、より多くの電力とより速い接続速度を要するデバイスなどを例として挙げることができると、Brown 氏は言います。また、ワイヤレス デバイスは進化を続け、最終的に有線のデバイスに取って代わるかもしれないと Brown 氏は予測します。
「コア ゲームプレイにレイトレーシングを最初に採用したゲーム Stay in the Light はすでにリリースされています。レイトレーシングは、鏡の反射のために使用されています。この鏡は、ランダムに生成されたダンジョンをプレイヤーが移動する際にモンスターの前進を阻むために使われるものです。ランダムに生成されるマップに反射をベイクすることは難しいため、レイトレーシングが使用されたのです。そのコンセプトを他のゲームのジャンルにも拡張してみましょう。FPS では、シャドウが敵の位置を教え、反射が敵の動きを教えることができますね。レイトレーシングされたシャドウとグローバル イルミネーションがホラーゲームに役に立つことも考えられますね。」
Burke 氏はまた、私たちが行うあらゆることを急速に変えつつあるテクノロジーとしてを AI を挙げています。ゲームも例外ではないと言います。
「AI は、レンダリング、物理、アニメーション、さらには放送に至るまで、ゲームに革命を起こすことになります」と Burke 氏は言います。「NVIDIA の DLSS テクノロジーは、ゲームにおけるリアルタイム AI の嚆矢となりました。ゲームをまず低解像度でレンダリングし、NVIDIA RTX GPU 上の専用 AI ハードウェア (Tensor Cores と呼ばれています) を使用して、ゲームをネイティブ解像度にアップスケーリングします。その結果得られる映像は、ネイティブ解像度に匹敵するクオリティを保ちながらも、パフォーマンスが 30〜70% も跳ね上がるというものでした。DLSS テクノロジーは、レイトレーシングにとっても貴重な相棒であることがわかりました。と言うのも、DLSS はパフォーマンス ヘッドルームを提供することによって、レイトレーシング環境が最大限活用され、出力される解像度は上がり、ラップトップのバッテリー寿命さえ延ばすことができるようになるからです。DLSS が使われているゲームには、Cyberpunk 2077、Death Stranding、Control、Minecraft with RTX、Fortnite があります。」
「そのことに対処するために、NVIDIA RTX GPU にはレイトレーシング専用の RT コアが追加されました。さらに、DLSS のようなスマート AI テクノロジーが備わることによって、望ましい解像度と画質を実現しながらもレンダリングするピクセル数を減らしたのです。」
Burke 氏は、最後に、レイトレーシングが開発者の QOL 問題にも大きな影響を与えるはずだと指摘します。
「従来のラスタライズによるグラフィックスでは、リアルな影、反射、照明を実現するために、ライトのベイクやその他のトリックが必要です」と Burke 氏は指摘します。「しかし、レイトレーシングを使用すると、その環境内での光が正確にシミュレートされるため、リアルな外観を得るための事前ベイクや特別なトリックは不要になります。そのため、ゲーム開発者にとって時間面と QOL 面での大幅な改善が期待できることになります。」