画像を超えて体験型のビジュアルデザインを試そう
January 10, 2018

画像を超えて体験型のビジュアルデザインを試そう

作成 Ken Pimentel

最初にデザイナーが紙にアイデアをスケッチして以来、どんなデザインになるかは画像を使って伝えられてきました。現在では CAD が普及し、レンダリングした画像が関係者にデザインの概念を示し、伝えるうえで大いに役立っています。ある建築家が、「設計図は相手を納得させられないけど、画像は効果があるんだよ」と話してくれました。この点で、レンダリングした画像を使用してデザインの意図を伝える価値が、デザイン工程の一部として、また関係者が参加する工程で認められました。 

ただし、静止画像でデザインや構造の詳細を伝えるのは明らかに問題があります。デザインの体験は静的ではなく、没入感があり、変化を続けるものだからです。デザイン工程で画像は欠かせませんが、体験することでデザインを評価するという我々の能力には十分に対応できません。デザイナーのアイデアを十分リアルな仮想体験に変換できるとしたら、実際に作業に着手する前に、どんなことを考えたり、問題を見つけたりできるでしょうか? 美的なもの、スケーリング、機能性を十分に評価できればデザインはどのように向上するでしょうか? 

体験の時代にようこそ 
 
Soluis Group では Radisson RED プロジェクトのデザイン工程にアンリアル エンジンを使いました。

「もしも」のパワーを解放する

アンリアル エンジンのようなリアルタイム技術を使用すると、デザイナーやアーティストはインタラクティブなデザインを作るために必要なツールを使って魅力的な体験を作り自分たちや他の人々を没入させることができます。紙上で動かないピクセルに代わるものとして、現在、コンピューターは新たな視点を試したり、構造物や物体とインタラクションしながらリアルタイムで反応したりします。こうした体験では動的な反応が得られるため、デザイナーは無数の「もしも、-だったら」のような仮定を自由に試すことができます。

「これをあそこに動かしたらどうなるだろう?」 

「見た目をこのように変えたらどうなるだろう?」

こうした疑問がよりよいデザインにつながるのです。

静止画像とは異なり、デザイナーが問題を見つけたらリアルタイムで変更することができます。没入感のある体験内でも変更が可能です。重要なものを中断したり、提案された変更を新たにレンダリングするために何時間も待つ必要はなくなりました。リアルタイム技術を採用することで、デザイナーとアーティストは一段と自然にインタラクティブに作業できるようになります。長時間かけてデザインに磨きをかけることが可能になり、フィードバックを待つ時間が減ります。

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Theia Interactive では、アンリアル エンジンを使って VR 体験を作りました。デザイナーはインテリアを様々に変える体験をすることができます。

デザインを体験するとは?

デザイナーとして静止画像で伝えられるものには限界がありました。この形式では、後でデザインをカスタマイズできません。リアルタイム技術では、デザイン空間でできることが拡大しています。静止画像のアイデアから離れ、様々なユーザー、クライアント、関係者に合わせて調整できる直接体験を作る方向へと進んでいます。

次のように考えてみてください。車の購入を検討しているとき、写真だけで判断して買ったりしないですよね。試運転し、乗り心地を試しますよね。シートに座り、車内の雰囲気を味わうでしょう。デザインを体験するということは同じようなメリットがあります。

リアルタイム エンジンを使うと、感覚を全体的に刺激し、その瞬間にユーザーを深く引き込む十分にインタラクティブなデザインを生み出すことができます。これは視覚、聴覚、場合によっては触覚を組み合わせて現実感を高めて作り出すことができるものです。デザインが現実世界に存在しているものであれ、想像上のものであれ可能です。

多様な体験をデザインする

ビジネスを広げる手段として、多くの産業で様々な企業が、ユニークな方法を用いてデザインを体験することを選んでいます。企業によっては、潜在的な顧客と優れた製品との間で感情的なつながりを高める非常に効果的な手段になります。

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Rotor Studio のアンリアルを使った販売コンフィギュレータでは、トヨタの車内の内装が現実のもののよう見えます。

オーストラリアを拠点とする Rotor Studios ではアンリアル エンジンを使って Toyota Showroom 360 を制作しました。顧客はタッチスクリーン インターフェースを使って車のモデルを表示し、デザイン要素、カラー設定など、あらゆるものをリアルタイムで調整します。他の自動車メーカーもリアルタイム技術を採用し始めています。顧客にインタラクションする手段を与えて、自動車を見てもらい、ドライバーに実際の乗車についてより身近に感じてもらいます。

アンリアル エンジンを使用することで可能になる体験の幅は広いため、多くの建築エンジニアリング セクターのデザイン会社がリアルタイム技術に目を向けています。実際の施工を始めるかなり前の段階で、構造設計や内装についてクライアントがインタラクションできるようにするためです。イタリアの建築会社、Lissoni Associates ではアンリアル エンジンを使ってインタラクティブなフォトリアル建築シーンを作りました。このシーンを元に作った最終的な建物と区別がつかないほどのリアルさです。Neoscape は、不動産の戦略とブランディングに重点を置いた広告制作を専門とする会社です。従来の建築ビジュアライゼーションの枠組みを超えて、動画やインタラクティブなリアルタイム体験をアンリアル エンジンを使って制作し、自分たちのデザインが持つ可能性にクライアントを没入させています。実際に作る前に建築空間を体験できることがもたらすメリットは、デザイン工程を根本的に変えています。

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Fusion は NASA と協力して火星への有人飛行体験をアンリアル エンジンで作りました。

VR と AR のアプリケーションも頻繁にリアルタイム技術と共に使われ、幅広いアプリケーションで一段と没入感が高いデザイン体験を実現しています。一方、NASA ではアンリアル エンジンと VR を使って宇宙飛行士を訓練しています。作り込まれた 3D 空間で国際宇宙ステーションのような仮想シミュレーション環境で無重力のトレーニング セッションを行うこともあります。革新的な例として、Abyssal では、アンリアル エンジンを使ってグローバルな海底油田のリアルタイム モニタリングを支援しています。地理的データと現実世界のカメラと同期する仮想オーバーレイ表示を組み合わせて海底のナビゲーションと視界の悪い中での作業を支援しています。

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Abyssal は、アンリアル エンジンを使って、深海潜水装置で作業している目に見えない海底のビジュアリゼーションを行っています。

アンリアル エンジンは、体験の時代を導いています。各業界では素晴らしい新しい方法で製品を顧客に見せて、様々な分野でデザイン上の課題に取り組むユニークなソリューションを生み出しています。

最後になりますが、写真が数千の言葉に値するとしたら、体験の価値はどれくらいあるでしょうか?

アンリアル エンジンとリアルタイム技術によって、ブランド価値を高める感動的なデザイン体験を作る方法について、さらに学びませんか? Unreal Datasmith のベータ版を是非お試しください。