Image courtesy of Flying Wild Hog

黒澤のサムライ映画にインスパイアされた Trek to Yomi は、今年の最もビジュアル面で印象的なゲームの 1 つです

Flying Wild Hog は 2009 年にポーランドのワルシャワで設立されたインディペンデント ゲーム スタジオで、その名前を聞くと、アクション満載、テンポの速い、独特といった高い評価が思い浮かびます。Hard ResetTrek to YomiEvil WestSpace Punks から Shadow Warrior 3 部作まで、Flying Wild Hog の作品は、品質とケアに対して、またポーランドの 3 つのスタジオと 300 を超える優秀な人材の刺激的で継続的な成長に対して高い評価を獲得しました。

Flying Wild Hog は、Koch Media と Embracer グループによる買収後、引き続き、プレイヤーをエキサイティングな新しい世界に引き込む独創的で高品質のゲーム体験を提供しようとしています。実績のあるプロダクション パイプラインと豊富な人材を確保した Flying Wild Hog は、想像を超えるものを提供することを目指しています。

Flying Wild Hog の詳細については、www.flyingwildhog.com にアクセスしてください。
命がけの旅を描いたゲームによって、その制作者たちも同じくらいの壮大な旅を体験するに違いありません。私たちが自分の村と愛する人々をすべての脅威から守ろうと誓った若き剣士 ヒロキ の物語を描く Trek to Yomi という横スクロールのアクション ゲームの開発を開始したとき、まさにそういったことが Flying Wild Hog で起きたのです。
 

私たちのチームは、モノクロの独自のスタイルを使用すれば、プレイヤーを江戸時代にいざなうことができ、黒澤明監督の往年のサムライ映画の雰囲気を出せるだろうと考えました。苦心したのは、Unreal Engine の機能を試し、独特のアート スタイルを使用し、カスタム FX とカメラ ワークを実行しながら、Trek to Yomi の面白さとアドベンチャー ゲームプレイのやりやすさを損なわないようすることでした。

では、テクニカル アーティストまたはリアルタイム イノベーターや、ゲーム開発に少しでも興味がある人のために、私たちが印象的なサムライ ゲームをどのように制作したか見ていきましょう。
 

シーンを設定する

構成については、私たちは劇場映画のようなスペースの配置にこだわりました。つまり、Trek to Yomi の各ショットは 3 つのプレーン (プレイ可能な領域、前景、背景) に分けました。私たちは、各フレームがクリアで、プレイ可能性を高めるように慎重に調整されていることを確認しなければなりませんでした。プレイ可能領域で、プレイヤーのアクションへのフォーカスを維持しながらも、アクションの軸を追加のライティングと細部で強調し、フォーカスの深さにより前景を拡大しました。

目の前のタスクからプレイヤーの注意をそらさないように、また見た目が美しくなるように、背景を構築しました。多くの場合、背景はプレイ可能領域に遷移します。つまり、ゲームプレイの期待を満たすように調整する必要がありました。私たちのチームは、Unreal Engine 用にカメラで任意の要素を非表示にできるツールを作成することができました。これによって、ダイナミックなアクションを作り出し、シーンの調整を行うことが可能になったのです。
ポスト プロセスは、イメージを悪くしたり、プレイヤーの体験を損なったりしないように、1950 年代の古い映画のような外観を受け継ぐように設計しました。プロセスは、歪み、白い点、ノイズなどで古いフィルム映画のような雰囲気を醸し出すように、主に明るさ、コントラスト、 ブループリント のバランスを取りました。
 

ツールキット

私たちは、 Niagara パーティクル システムを使用して、FX を作成しました。これは、当初の カスケード システムと比較すると、パラメータを作成しやすく、各モジュールで値を設定しやすいシステムです。これによって、ゲーム レベルの調整に対応して使用できるユニバーサルな VFX の可能性が広がりました。ビジュアルに小さな変更を加える場合にも、新しいパーティクル システムを作るよりも、このアプローチは実装しやすく最適な方法でした。
Image courtesy of Flying Wild Hog
レベル アート部門の作業をサポートするために、レベル調整用のエフェクトを備えたユニバーサルなブループリントを用意しました。これらは、ほこり、葉、炎、風、アノマリー FX に対応しています。各ブループリントには、特定のフレームに対する FX の外観を適応させるためのパラメータがいくつかあります。最も高度な最適化を実現するために、私たちはカスタム プリミティブ データを使用し、ダイナミック マテリアル インスタンスを使用しませんでした。これによって、レベルで使用した追加のブループリントごとに別のインスタンスのマテリアルを作成したのです。
 

特殊効果

Trek to Yomi では、破壊されたものを再構築したり、残りのゲームプレイをアンロックするために、難問を解決する環境がプレイヤーにいくつか用意されています。Unreal Engine 内でこれを実現するために、私たちは時間をリバースし、オブジェクトを 2 つの要素に分けました。
  1. 私たちは、破壊されたオブジェクトのシミュレーションを別のプログラムで準備してから、適切なシーケンサーを使用して、これをリバースし、Unreal Engine にインポートしました。
  2. その後、煙、ほこり、小さながれきなどの VFX を追加しました。
Unreal Engine には Niagara で時間軸を制御する最適なソリューションがないため、システムで Is Solo モードに切り替え、時間軸をガイドするブループリントにこれを追加しました。しかしながら、このモードは、時間をリバースするときにフレームごとにエフェクトのインスタンスが必要だったので、フレーム レートが大幅に低下しました。この問題に対するソリューションのために、時間のリバースを再現するための別のシステムを作成することになりました。このシステムを使用すると追加のモジュールを使用しなければなりませんでしたが、必要なエフェクトを実現することができました。

FX を最適化および作成するときに、事前に定められたカメラ パスが非常に便利であることがわかりました。これによって、シンプルなメッシュで作成されたブループリントを使用することで、ボリュメトリック FX の使用をやめることができました。同様に、メッシュに配置したアニメートされたテクスチャを使用して、炎の FX をマテリアルとして作りました。これらのオブジェクトの回転はスタティックで、カメラに追従していませんでした。つまり、各フレームで自由に炎を調整できたということです。
 

カメラ、アクション!

シグネチャ カメラの動きを組み込むことにより、1950 年代のサムライ映画を想起させることができました。これによって、Unreal Engine 内でシステムを作成し、次のカメラの動きを実現しました。
  • ドリー
  • パン
  • ブーム
  • トラック
  • ティルト
このシステムによって、スタティックなカットおよびダイナミックなカットを作成することができました。これは、 スプライン に基づいており、プレイヤーのシーンでの位置に従って、カメラが移動します。シーン内の両方のスプラインの設定が適切だったので、特別なショットを実行することができました。私たちが使用した 2 つのスプラインは、CameraTrail (カメラ用) と CameraTrack (プレイヤーの追跡用) でした。両方のキーを追加して、プレイヤーに対して適切にカメラを配置しました。カメラの使用のベースとなるものは Unreal Engine の CineCameraActor で、これは追加の機能で補足されています。
Image courtesy of Flying Wild Hog
完全なショットを作成するために、レベル デザイナーは最初に、メインのカメラ、CameraTrail、CameraTrack や、特定のショットを遷移するトリガーを追加しなければなりませんでした。次に、CameraTrail と CameraTrack にキーを設定し、適切なパラメータ (フィルムバック、レンズ、フォーカスなど) を設定する必要がありました。さらに、キーフレームごとに、カットシーン、敵のスポーン、VFX などの追加のオプションを設定する可能性もありました。
 

まとめ

Unreal Engine 用に新規システムを作成しその機能を拡張する機能によって、私たちはスタイリッシュでアクセスしやすい剣術格闘ゲームのビジョンを実現し、サムライ映画からインスパイアされた美しさを受け継ぎ、プレイヤーを江戸時代に引き込むことができました。ビジョンに忠実に、ヒーローのヒロキと同じように旅を開始し、困難を乗り越えたのです。Unreal Engine ですぐに利用できるソリューションが提供されていなくても、私たちはソリューションを作り出すことができました。制限があるとすれば、それは人間の想像力だけです。
 

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