All Walls Must Fall - 名前聞くだけでも謎めいているこのゲーム。さらに舞台はベルリンです。
元 Yager のデベロッパー達で構成される Inbetween Games が、冷戦が継続しスパイと暗殺が横行する 2089 年の地元ベルリンで展開するゲームを開発しました。
「レトロと斬新さが共存する冷戦時代のベルリンは、今はとても現代風の都市になっています」とデザイナーの Jan David Hassel 氏は言います。「もうすっかり解決したと思っていた問題が、復讐と共に蘇ります。個人の自由と繁栄への願いが、地域戦略の利害とぶつかり、世論はプロパガンダに大きく左右されます。これらをすべて、ゲームの中に取り入れました。」
ドイツのナイトクラブのビートに合わせてプレイするテク ノワールの戦術ゲームですが、プログラマーの Isaac Ashdown 氏によれば、テーマは「変化の必然性」だそうです。このテーマは技術面でも取り入れられ、Inbetween のレベル ジェネレータにより、ベルリン市内のクラブの壁は見事にリミックスおよび再調整されました。
ベルリン市内で数々のクラブにプレイヤーを送り込み、一晩でミッションを実行するストーリー仕立てになっています。場所はそれぞれ、デベロッパーの DiscoGenerator アルゴリズムでプロシージャルに作成されています。
「クラブごとに必要とする部屋のルールを簡単に決めて、それに合わせてクラブのレイアウトを生成するシンプルな設定です」と Ashdown 氏は説明します。「ダンスフロア、秘密の部屋、その他ミッション遂行に必要な部屋の数を決めます。基本的には、いくつかの部屋のセットを選択してから、レイアウトが毎回変わるようにスロットに割り当てます。」
アンリアル エンジン 4 向けプラグインとして Ashdown 氏が開発した DiscoGenerator は、広々としたクラブの空きスペースを埋める問題として処理します。片付け部隊が備品を積んだトラックを止めるかもしれないので、スペースはできるかぎり部屋だけに使用します。
これらはすべて 欲張りアルゴリズム で操作されます。Inbetween は、結果に関係なく、そのステージでとにかく一番魅力的な部屋作成オプションを計算する方法を取り入れました。クラブのような雑踏の中では、効率的にスペースを埋めることなどできないと Inbetween は考えたためです。その結果、ロビーと広いダンスフロアに続く玄関を含めて、建物に関連性を持たせることができました。アルゴリズムはこれを優先します。
まず最初に公共の部屋を作成します。トイレとバーはひとまとめにして玄関からアクセス可能にし、秘密の部屋は隙間を埋めるために後で使います。スペースの最後のスロットに「埋め合わせ用」の部屋と廊下を入れたら、ジェネレーターが最終的な仕上げとして、ドアを追加して抜け道の選択肢を増やし、外には警備員および客の列を配置します。
「このゲームは何度もやり直しができる作りになっています。登場するベルリンのクラブの組み合わせはゲームごとに変わるようにしているので、プレイヤーはプレイするたびに新しいクラブを探検し、初めてその秘密を発見するのです」と Ashdown 氏は説明します。「1 つの作戦につき、同じクラブに一晩で 1 回以上訪れます。」
建物以外では、群衆がクラブの暗闇で踊ったりたむろっている状態をシミュレーションするためにカスタム可能な AI システムをつくりました。
「アンリアルの AI システムはもっと複雑なビヘイビア向けなので、我々はその代わりに各 AI エージェントが周囲の人間とのインタラクションを実行するだけで群衆の挙動を生成できるシンプルなフロッキング ビヘイビア システムを使いました。
ゲームのソーシャル ステルスでは、自分がいるべき場所やしていることに自分の周りの AI エージェントが正当性を認めるかどうかがとても重要となります。
「ナイトクラブへの入場規則は、非常にわかりやすいです」と Hassel 氏は指摘します。「警備員が入場者をチェックする入口、公共の場、関係者以外立ち入り禁止の場所、VIP ななどです。」
2D で紙のようなキャラクターをアイソメトリックな背景にピン止めするアートスタイルの All Walls Must Fall が、アンリアルで作成されていることに驚く人もいたようです。
「アンリアル エンジン採用のゲームに対して具体的なイメージを持っている人は多いと思います」と Ashdown 氏は言います。「ですが、アンリアル エンジンで実際に作業している人間は驚きませんでした。」
All Walls Must Fall は PC 向け Early Access で配信中です。 アンリアル エンジンは現在無料です。
編集注記: PCGamesN は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。