初めから優れたデザインができることは滅多にありません。クリエイティブな工程ではイタレーション (反復) が不可欠であり、コンセプトに磨きをかけて最終的な承認を得るまで何回も調整が繰り返されます。デザインと製造の工程でたとえ 1 日でも短縮できれば、大きな効果があります。業界関係者によれば、製品を 1 日早く市場に投入できれば、5 千万ドルの価値があるだろうとのことでした。早めにアイデアをテストし、何がうまくいくかを検討し、デザインの妥当性を確認すれば、リソースの無駄を減らすことができます。
ライトとシャドウを使って AIRBUS ヘリコプターを細部にわたり再現した仮想プロトタイプを作成
仮想プロトタイプでインターフェースをシミュレーションして製造前に問題に対処
ただし、多くの業界ではデザイン コンセプトを作り出し、調整して磨きをかける工程に非常に時間がかかっています。こうした状況で、ますます多くの有能なデザイナーがリアル タイム技術と仮想プロトタイプを採用し、デザインからビルドまでにかかる時間を短縮し、デザインが意図するものを効果的に関係者に伝えています。
リアルタイム技術が生産ワークフローに与える 4 つの主要メリットについて説明します。
1. 思いつくままデザインする
数か月かかっていた生産サイクルを数週間、数週間を数日、数日を数時間に短縮することを考えてみてください。これこそ、リアルタイム技術が自動車、建築ビジュアライゼーション、製品設計などの分野におけるデザインと製造に与える効果です。
デザインに対するフィードバックは様々な形で発生します。しかし、従来のツールを使うと物理的モデルやオフラインでレンダリングされた CGI でも調整と更新処理で数日、数週間のダウンタイムが生じてしまいます。リアルタイム エンジンを使えば、3D アーティストは高い生産価値を生み出し、変更を迅速に実装して結果をすぐに確認することができます。
2.没入感のある体験を使って関係者の心をつかむ
VR や AR の技術を、リアルタイム技術とインタラクティブな 3D ビジュアライゼーションと一緒に使うと、他では見られないデザイン体験が生まれることもあります。従来の技術ではできなかった方法でクライアントや関係者にプロトタイプを体験してもらってその世界に没入させることができます。
着工前に、フォトリアルな VR 内で視覚化された家具付きの建物内を動き回り、360 度見渡せるのに、静止画像をレンダリングする意味があるでしょうか? こうした例は、リアルタイム技術によって実現できることのごく一部にすぎません。
この画像の部屋をアンリアル エンジンを使用して体験できるのに静止画像で満足しますか?
これからも静止画像が必要になる場面はあると思いますが、設計図や画像を見せるだけでなく、デザインに命を吹き込んで体験を生み出す時代になったのです。静止画像に代わる迫力ある体験を作成できる未来へと移行しつつあります。どちらが関係者を説得しやすいかおわかりですよね。
3.デザインの妥当性を迅速かつ効率的に確認する
仮想プロトタイプを使ってデザイン工程の早期に予期せぬ問題が見つかれば、プロジェクトのコンセプト作りから制作するまでのコストと時間の面で大きな効果があります。どの段階で問題を見つけたいでしょうか? デジタルで簡単に訂正できる段階、それとも実際にコンクリートを注ぎ込んだり、工具の製造段階になってからでしょうか? リアルタイム エンジンがもたらす今までの仕組みを変える大きなメリットとして、デザインの妥当性を迅速に確認できるということがあります。さらに、3D デザイン空間で自由に繰り返し作業できる柔軟性を備えているため、適応性の高いツールを使用してデザインに磨きをかけることができます。
上の画像は失敗例です。よく考えないで作業するとこんなことが起こります。
4.複雑なプロセスを合理化する
多くの消費材は複数の CAD データを元に製造されます。社内で様々な CAD ツールを使っていて、サプライヤーも違う種類のツールを使っているかもしれません。つまり、デザイン工程中に一か所ですべてのデータを確認するのはうまくいかない可能性があります。仮想プロトタイプを作るには、こうした様々な種類のアセットを最適化した VR 体験にまとめる必要があり、複数の CAD システムで数千万規模のポリゴンや多くのパーツを扱う場合もその必要がありますが、この作業はまだプラグアンドプレイのワークフローにはなっていません。ここでアンリアル エンジン内で仮想プロトタイプをサポートするためのプロセスの変換、最適化、自動化を行う Unreal Datasmith が役立ちます。
アンリアル エンジンはリアルタイム デザイン向けの完全にカスタマイズ可能なプラットフォームとして、優れたアーティスト フレンドリーなツールと、利用しやすいビジュアル スクリプティング機能とを組み合わせて、クリエイティブなビジョンを高速かつ直観的なプロセスで形にしていきます。3D アーティストはアンリアル エンジンを使って忠実度の高いアセットとインタラクティブなデザイン体験をより速く、効率的に高い柔軟性で作ることができます。繰り返しの作業を合理化すると、デザイン チームが作業しやすくなり、プロジェクトのパイプラインの作業の流れがかなり速くなります。
多くの大手メーカーがデザインとセールスにおける仮想プロトタイプの効果を評価中ですが、ハーレー ダビッドソンはその一社です。
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