現在では、業界標準で最高の解像度をさらに何倍もした解像度 (8K 解像度など) で、さまざまな形状および物理サイズのディスプレイ システムを使うことが珍しくなくなりました。これらの集合化されたディスプレイでは、しばしば、ライブで同期されているコンテンツを 60fps 以上で更新しなければなりません。 このような膨大なリアルタイムのピクセルを表示するには、各フレームのレンダリングをコンピュータ ネットワークに分散させる必要があります (各コンピュータはフレームのうちの 1 つのセクションのみをレンダリングします)。そしてさらに、各フレームは、セクションのエッジが正確に合致した状態で、しかもまったく同時に表示されるようにしなければなりません。
このように複雑なプロセスを簡単に実現するために、Epic Games は、Unreal Engine 用に nDisplay テクノロジーを導入しました。nDisplay とは、ネットワーク構成データ / 表示メカニズムに関する詳細情報 / レンダリングの分散機能 / 大型の表面およびスクリーンのための画像表示機能を組み合わせたものです。
新たなホワイトペーパー「nDisplay テクノロジー: リアルタイム コンテンツの制約なき拡張」では、nDisplay の裏側にある歴史と研究を探り、さまざまな種類の表示 / ネットワーク構成 / テスト / 同期について言及されています。nDisplay テクノロジーの核心部である nDisplay 構成ファイルについては、詳しく紹介されています。 また、このホワイトペーパーでは、MPCDI 規格と Scalable EasyBlend テクノロジーの実装についても触れられています。nDisplay では、両技術を使用することによって、変則的な形状で任意の、あらゆる種類の表面にコンテンツを表示できるようにしています。
大型ディスプレイを利用するのはどのような人々なのか?
In the white paper, we mention several use cases for nDisplay including live events, architectural visualization, and virtual production. Here’s a closer look at these and other applications for scaled real-time content. ホワイトペーパーでは、ライブイベント、アーキテクチャの視覚化、仮想プロダクションなど、nDisplayのいくつかのユースケースに言及しています。 スケーリングされたリアルタイムコンテンツ用のこれらおよびその他のアプリケーションを詳しく見てみましょう。ライブ イベントで
世界最大のインフレータブル ドームの内側にリアルタイム プロジェクションを利用して、ヒップホップのパフォーマー Childish Gambino は、Weta Digital と 2n Design の協力のもと、コンサートの参加者のためにリアルタイムのファンタジー世界を創造しました。2n は、NVIDIA Quadro P6000 グラフィックス搭載の、フレームロック機能をもつマシン 5台によってレンダリングされた 5.4K x 5.4K の画像を使いました。これをさらに魚眼レンズに分割し、12台のプロジェクターに送信しました。「nDisplay を使用してリアルタイム レンダリングを分散できるようにするとともに、このプロジェクトに必要な解像度とフレームレートが維持できるようにしました。これが肝でした」と、2n のアートディレクター Jeremy Thompson 氏は述べています。
軍事訓練用アプリケーションで
軍事防衛関連の業界は、没入型トレーニングのために大規模なリアルタイム コンテンツを先んじて利用してきました。訓練生は、実際の敵対的状況による危険にさらされることなく、リアルな感覚が得られます。「仮想トレーニングにおいて学習転移が成功するか否かは、没入性にかかっています」と、Epic Games のシミュレーション インダストリー マネージャーを務める Sébastien Lozé は述べます。没入感のあるドーム プロジェクションにより実現される環境とは、訓練生が没入したままで、仲間とのつながりを保ち、ハイテンポな操作に必要なスキルを身に付けることを可能にする環境であると彼は説明します。
映画製作のための没入感あるリアルタイム セットで
2019年8月、Epic は産業パートナーの Lux Machina、Magnopus、Profile Studios、Quixel、ARRI、DP Matt Workman とともに、ライブの LED ウォールを備えたバーチャル プロダクション セットアップをテスト運用しました。これらのウォールは環境と照明の両方を供給します。表示されたシーンによって俳優と小道具が照明を受け、反射も実現します。nDisplay は、それぞれ 4K 画像をともなった 3 つの LED パネルで表示されるリアルタイムのライブ背景を制御しました。Unreal Engine マーケットプレイスの Scalable Display Manager
Scalable Display は、nDisplay の機能をより広範囲のユーザーに使ってもらおうとの考えのもと、同社のキャリブレーション ツールの無料版として Scalable Display Manager for Unreal をリリースしました。この透かし入りバージョンの Scalable Display Manager を利用すると、nDisplay を使って、さまざまな形状とサイズのデュアル スクリーン構成にリアルタイム コンテンツを投影するテスト / 実験が可能となります。フル機能バージョンの Scalable Display Manager では、無制限のプロジェクターがサポートされています。Scalable Display Technologies から直接購入できます。スケーラブルなリアルタイム コンテンツの未来
nDisplay 関連の開発は現在も進行中ですが、新しくわくわくするようなチャンスが今や手の届くところにあります。プロジェクション マッピングや、これまでにないサイズと解像度をもつ巨大な LED キャンバスによって、シームレスで完全にライブ仕様の魅力的な 3D コンテンツが配信されている様子を想像してみてください。もはや、事前レンダリングされたコンテンツとリアルタイム コンテンツに差はなくなります。かつては限られた人たちしかアクセスできなかった複雑で高価なシステムが手が届くようになりました。世界は変化しています。Unreal Engine ユーザーは時代を先んじる ― 私たちはそう願っています。大型ディスプレイの新たな時代への旅を始めるには、ホワイトペーパー「nDisplay テクノロジー: リアルタイム コンテンツの制約なき拡張」をダウンロードしてみてください。