Unreal Engine スポットライト:
キングダム ハーツIII

Daniel Kayser |
2020年8月7日
2019 年初めにスクウェア・エニックスがリリースしたキングダムハーツIII は、現行世代のコンソールのゲームとしては最も有名な作品の 1 つです。IGN はこの作品を高く評価し、『キングダムハーツIII』はあいかわらずハートに満ちあふれている、と述べました。

本作の開発を始める時点で、スクウェア・エニックスのチームは、何を作りたいのかについて、確固としたビジョンを持っていました。また、キングダムハーツ ブランドらしいエクスペリエンスのなかで Disney と Pixar の象徴的で多様な世界を融合させるうえで直面するであろう課題についても、よく理解していました。
 

エンバイロメント アート ディレクターの齋藤栄治氏は次のように述べています。「キングダムハーツIII では、Disney のもの、Pixar のもの、キングダムハーツ独自のもの、合わせて 10 個以上のワールドがあります。それぞれのワールドに独自のデザインとテイストがあり、最大の課題は、ワールドがそれぞれ大きく異なっているため、ワールドごとに独自のアセットを作成する必要があるということでした」

しかし、単に見分けがつく同様のアセットを作るだけでは不十分でした。開発者たちが望んでいたのは没入感を生み出すことで、そのためには、キャラクターやワールドを単に表示するのではなく、キャラクターやワールドとインタラクションすることが重要だったからです。

「もちろん、最も重要な目標はゲーム内に Disney の世界を再現することで、同時にそれをディズニーランドのようなものにしたいとも考えていました」とバトル ディレクターの柴田伯一氏は述べています。結果的に、チームでは、長く応援してくれているファンにもキングダムハーツに初めて触れる人にも親しみやすいエクスペリエンスを作成したいと考えました。「できるだけ遊びやすく理解しやすいゲームにしたいと考えました。また、ユーザーがゲームをテンポよくプレイできるようにすることがとても重要です。こうした点を目標として心がけ、開発に取り組みました」
こうした基本的な目標が、最終的にはプレイヤーがゲーム内で経験するインタラクションにつながりました。インタラクションのそれぞれが、そのワールドのものであると感じられるようにデザインされています。レベル ディレクター、大野和貴氏は次のように述べています。「それぞれのワールドをユニークなものにして、独自の楽しみがあるようにしようとしました。たとえば、パイレーツ・オブ・カリビアンのワールドでは船に乗ることができ、トイ・ストーリーのワールドはおもちゃ箱のように見えるなど、ワールドごとの独自のテイストを再現しようとしました」
当然ながら、そうしたキャラクター、ワールド、エクスペリエンスの作成は簡単なことではありません。そこで、チームは効率と生産性を最大化する形で協力する必要がありました。プログラマー、吉岡国登氏は次のように述べています。「アート チームにおけるポリシーはすべてのアーティストを支援することで、そのために、アーティストがそれぞれのリズムでマテリアルを作成できるようにしています。基本的にはすべてのアーティストが好きなようにマテリアルを作ってよいと認められているのですが、100% 好きなようにすると、とても重いマテリアルができて、いろいろ問題が起きてしまいます。そこで、ソース コードにアクセスできるのはリード クラスに制限して、私たちプログラマー チームがマテリアルに関する問題を発見し、解決するようにしました」
                    
幸いなことに、Unreal Engine のソース コードを掘り下げることができたために、チームはエクスペリエンスの各要素についてそのビジョンを実現できました。「ユニークな表現やビジュアルをたくさん作りたかったので、それを可能にするためにソース コードを大幅にカスタマイズする必要がありました。UE4 のソース コードにアクセスできなかったら、ユニークな表現のほとんどは不可能でした。ソース コードへのアクセスは私たちにとってはとても役立つことでした」と吉岡氏は述べています。

キングダム ハーツIII をプレイすると、ゲームのエフェクトが詳細で洗練されたものであることに気が付くでしょう。Unreal Engine のソース コードへのアクセスは、エフェクトの面でも開発チームに貢献しました。リード VFX アーティスト、林武尊氏は次のように述べています。「ソース コードへのアクセスはエフェクト チームにもとても役立ちました。エンジンをカスタマイズできなければ、キングダム ハーツIII で使われたエフェクトを実現することはできなかったでしょう。UE4 を大幅にカスタマイズするためにプログラマーの助けを借りたので、ソース コードへのアクセスなしではキングダム ハーツIII の多様なエフェクトを作り出すことはできませんでした。また、アニメーションやエフェクトの働きがイメージや予定と合わなかった場合にも、ソース コードを追って内部で起きていることを確認し、デバッグしたり問題を明らかにしたりすることができました。モーション エフェクトや表現に関するエフェクトで想定外のことが起きたときには、ソース コードへのアクセスはとても役立ちました」
もちろん、チーム メンバーの全員がソース コードを直接触れるわけではありません。そこで、キングダム ハーツIII の開発チームは、ブループリントによるビジュアル スクリプティングも利用しました。プログラマー、吉田武史氏は次のように述べています。「UE4 の最大のメリットは、タスクを役割ごとに簡単に区分できることでした。たとえば、従来の開発スタイルでは、プログラマーに最も高い負荷がかかり、チーム全体のボトルネックとなることがありました。しかし、UE4 を使えば、アーティストやデザイナーはプログラマーの支援なしで自分の仕事を行うことができるので、ゲームをとても効率的に開発できました」
ワールドごとの外観と感覚を実装するにあたってユニークなアイデアが大量にあったため、プロトタイプ作成とイテレーションの時間も、チームがブループリントを使う大きな要因となりました。吉田氏は次のように述べています。「ブループリントは複数の目的のために使いましたが、主にゲーム デザイナーがゲーム全体の流れを作るためと、モックアップを利用してプロトタイプを作成するために使用しました。ブループリントのモックアップでアイデアを確認したら、プログラミング チームがそれを洗練させて、パフォーマンスを最適化しました。ですから、ブループリントを使う最大のメリットは連携の迅速化でした。ゲームプレイが楽しくなっているかどうか、プログラミング チームに長い時間をかけさせることなくすぐに確認できました。また、過剰な頻度でビルドする必要もなく、ブループリントを使うだけでアイデアを確認できました」

キングダム ハーツIII の詳細情報は公式 Web サイトでご確認ください。

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