提供:M2 Animation および Games Workshop

オルクの衝撃:M2 が Warhammer: Kill Team の戦いをリアルに表現した方法

Warhammer 40,000 の世界へようこそ。はるか遠くの恐ろしい暗黒の未来を舞台にしたこの卓上ゲームでは、終わりのない戦争の世界で、強力な軍隊が衝突を繰り広げます。人類は孤立し、異端者やミュータント、エイリアンなどの脅威に囲まれています。人類は果たしてオルクの侵略を止めることができるのでしょうか。

これは、Warhammer 40,000 Kill Team の戦いをリアルに表現した、斬新な CG シネマティックのあらすじです。では、その何が斬新なのでしょうか。他の多くのシネマティックと異なり、 M2 Animation のトレイラーはビデオ ゲームのリリースに関連したものではありません。これは、卓上ゲームの伝説的企業である Games Workshop によって制作を委託されたもので、Warhammer 40,000 Kill Team を再表現した映像として、その特別作戦や戦闘のファンにとっては特に待望のトレイラーだったのです。 
 

従来の Warhammer 40,000 のミニチュア戦争ゲームのスピンオフとして、Kill Team では Warhammer の拡張ルールがゼロから再構築され、ゲームはかつてないほどプレイしやすくなって合理化されています。Kill Team の 1 回のラウンドにかかる時間はわずか 45 分です。また、数体のフィギュアと背景があればプレイを開始できます。

「Games Workshop による要望は、Kill Team でゲームとしてゼロから新たな世界を切り開き、ファンに届けられるくらいに膨らませてほしい、というものでした」と語り始めたのは、M2 のディレクター、Filip Stanfeld 氏です。「ボード ゲームのリリースでハイエンドのシネマティックを制作するというのは、かなり予想外なことでしたが、私たちがこだわったのは、Kill Team のゲーム ルールのとおりにキャラクターやメカニズムを使いながらも、ボード ゲームのトレイラーの既成概念を完全に覆す作品にするということでした。最終的な作品は、高速かつアドレナリン全開の展開に富んだ戦いでありながら、プレイヤーの自宅で実際に行われていてもおかしくないものでなければなりません」
 

ゴールに至るまでの戦い

しかし、ボード上の Warhammer のキャラクターを画面で表現することは課題の連続でした。卓上ゲームとして愛され続けるこの作品は、物理的なミニチュアを使用して模型の戦場でプレイするもので、80 年代から世界で人気を博したタイトルの 1 つだったのです。キャラクター モデルは数世代にわたって数えきれないほどの時間をかけてイメージが塗り替えられ、さまざまな場面を思い起こすことで、想像によってゲームがリアルなものになります。
提供:M2 Animation および Games Workshop
「Warhammer 40,000 の世界はディテールに富んでいます。Games Workshop は、本やアート作品、ストーリーに関連するメカニズムをベースとした拡張ルールブックまで出していたほどです」と Stanfeld 氏は続けます。「一方でそれはすばらしいことであり、ベースにするドキュメントやアートが豊富にあることを意味していました。しかしもう一方では私たちのプレッシャーを一段と強めるものであり、多くの人々が想像する世界観に合わせてあらゆる制作を行わなければなりませんでした」

プレッシャーに拍車をかけたのが、グローバル GPU の処理能力不足でした。シネマティックの作業の開始直後にこれが始まったため、レンダリング ファームの拡張はほとんど不可能でした。「別の解決策を見つけるしかないと判明しました」と明かしたのは、M2 で CG スーパーバイザーを務める Chris Bardoux 氏です。「長い間、Unreal Engine のリアルタイムのレンダリング能力はすばらしいと思っていました。また、初期のテストでも、この課題に最適なツールとして納得の結果が出ました。最終的なレンダリングは、速度と品質の両方で私たちの期待をはるかに超える結果だったのです」
 

卓上から画面へ

最初のステップは、この画期的なシネマティックの戦闘シーンに必要となるあらゆるプロップ、環境、キャラクター アニメーションを Maya で制作することでした。すべてのキャラクターが小さなプラスチックのミニチュアになっているため、M2 のアート チームは Games Workshop と緊密に連携し、Kill Team の箱のセットから作った小さなフィギュアに近づくようにオルクやクリーグの兵士を作りました。
アセットとアニメーションが完成すると、Maya から Unreal Engine にすべてを転送するため、Bardoux 氏が Python による統合コードを作成しました。「ほぼすべての撮影のライティングとレンダリングに、Unreal Engine を利用しました」と Bardoux 氏は説明します。「リアルタイムのライティングと撮影の開発において、Unreal Engine は非常に役立つことがわかりました。このようなプロダクションでは、ライティングを最終的に確定する際にセットやカメラ レンズを同時に変更することは珍しくありません。撮影を適切に進めるにはすべてをうまく組み合わせることが不可欠なのですが、すべてを同時に実現できる制作の自由度には驚くばかりでした。」
提供:M2 Animation および Games Workshop
M2 がシネマティックを仕上げるまでに、28 シーンのうち 23 シーンが Unreal Engine から直接レンダリングされることになりました。その後、Houdini を使用し、火炎放射器や爆弾など、より挑戦的なシネマティック エフェクトが作成されました。さらにそれを Unreal Engine のプレートで構成してから DaVinci Resolve で色合いを調整して仕上げたのです。

「Unreal Engine はまったく使ったことがなかったので、これは不慣れな領域でした」と Bardoux 氏は語ります。「にもかかわらず、動画がどのようになるかをビューポートのフィードバックで直接確認できたのは、金額を付けることができないほど貴重なことでした。レンダリングの時間はほぼゼロになったため、すばやくさまざまなバージョンをイテレーションし、映像の品質向上に時間をかけることができました。このような経験をしたことで、当スタジオでは Unreal Engine をプロダクションのすべてのステージに含めることになりました。そして今は Unreal Engine 5 で作業に取り組めることを楽しみにしています。一般には、速さ、品質、効率の中から 2 つを選ぶ必要があると言われますが、Unreal Engine を活用すればクライアントに 3 つすべてを提供できるのです」

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