KPOPガールズ! デーモン・ハンターズは、単なる映画ではありません。もはや文化的な現象です。
このオリジナル アニメーションは、2 億 3,600 万回以上の視聴回数を記録し、Netflix 史上最も人気のある映画となっただけでなく、サウンドトラックは Billboard Hot 100 で 4 曲が同時にトップ 10 入りするという史上初の快挙を成し遂げました。
Sony Pictures Animation によって制作された本プロジェクトでは、従来のレイアウトやプレビズでは評価が困難な方法で、高速のアクション、密集した観客、コンサート規模のライティングを組み合わせています。
クリエイティブの重要な判断は、アクション、ライティング、マテリアル、エフェクトがそれぞれ単独で機能するのではなく、シネマティック レンズとどのように相互に作用するかを確認したうえで行う必要がありました。
これらの疑問に早い段階で答えるため、Sony Pictures Imageworks のチームはパイプラインの開始時点でクリエイティブなアイデアをより完成度の高い状態で視覚化する手段を必要としていました。そこで Unreal Engine が採用されました。
ピクセルレベルの最終ビジュアルをより速く実現
KPOPガールズ! デーモン・ハンターズは、超自然的な脅威から世界を密かに守る K-POP ガールズ グループ「HUNTR/X」が主人公です。
大胆なファンタジー アクション満載のストーリーの中で、韓国の公衆浴場を舞台にしたあるシーンが、Sony Pictures Imageworks にとっての転機となりました。このシーンで、主人公たちは水の悪魔に襲われながら、メンバーも実は悪魔である新たなライバル ボーイズ バンド、Saja Boys と対峙します。
Sony Pictures Imageworks のリアルタイム スーパーバイザー Jason Baldwin 氏は次のように述べています。「公衆浴場での戦闘シーンには圧倒されました。あらゆるマテリアルを駆使して、濡れていて、反射性があり、霧が立ち込めているような質感を表現できたからです」
Maya、Unreal Engine、USD をつなぐパイプライン
Autodesk の Maya と Unreal Engine 間のワークフローは、Sony Pictures Imageworks の KPOPガールズ! デーモン・ハンターズにおけるアニメーション パイプラインの基盤となる部分でした。
Holmes 氏は次のように述べています。「Maya パイプラインで開発されたアニメーション リグを Unreal Engine に取り込むことは非常に重要で、そのプロセスを自動化するためのスクリプトをいくつか作成しました」
チームがレイアウト ショットのアニメーションを完成すると、それらを Maya にパブリッシュし直し、レイアウト アーティストのすべてのアニメーションを保持することができます。
Unreal Engine によって、スタジアムのシーンに非常に多様な観客を配置できるだけでなく、プレビズ段階からコンサート全体の照明が環境に及ぼす影響を詳しく確認することもできました。
「それを実際に視覚化できる唯一の方法は、Unreal Engine を使うことでした」と Holmes 氏は言います。
プレビズ アーティストたちは、パイプラインの終盤ではなく初期段階において、思わず息をのむような美しいシーンを構築しました。これにより、Sony Pictures Animation と Sony Pictures Imageworks のクリエイティブ チームは、これまでにないほど多彩なビジュアル オプションを手にすることができました。
アーティストはコンサートの雰囲気を想像するのではなく、パフォーマンスのエネルギーやスケールをリアルタイムで体感しながら、各楽曲の感情的なインパクトを高めるべく、振り付けやステージング、ライティングをその場で調整することが可能になりました。このテクノロジーによって、チームは最初からスケール感にあふれ、真にシネマティックだと感じられる世界観を構築できました。
「このような経験は初めてでした」と Baldwin 氏は言います。
Imageworks は、このコンサート シーンで数百ものライトをアニメートした上で、USD 経由で Foundry の Katana にエクスポートし、Unreal Engine と Katana のライトを 1 対 1 で正確に一致させるプラグインを作成しました。
「フレームごとにキーをベイクする (つまり数千フレームと大量の不要なデータを生成する) ことなく、Katana で Unreal のアニメーションを保持するために F カーブをエクスポートする方法を実際に開発しました」と、Holmes 氏は述べています。
プレビズから最終ライティングに至るまで、当初のライティング カーブを維持したことで、コンサートのリズムとエネルギーは一貫して保たれ、アーティストは複雑なアニメーションを作り直すことなくイテレーションを続けることができました。
KPOPガールズ! デーモン・ハンターズにおけるこれらのライティング実験を通じて、Imageworks は可能性を探り、リアルタイムと従来のライティング ワークフローの垣根を押し広げることができました。
次世代のアニメーション パイプラインをビルドする
KPOPガールズ! デーモン・ハンターズは、最先端かつ高性能なテクノロジーがアニメーション制作の在り方をいかに革新しているかを体現する作品です。
本プロジェクトでは、Sony Pictures Imageworks が CG レイアウト パイプライン全体を刷新し、さまざまな工程の近代化を推進しました。リアルタイム技術と USD フレームワークを強力に組み合わせることで、これまで実現できなかった形で各部門を有機的に連携させています。
「この映画で築いた基盤のおかげで、現在および将来のプロジェクトにおいて、レイアウトとプレビズ プロセスにおいて、20 ~ 25% もの高速化と効率化を実現できていると実感しています」と、Holmes 氏は述べています。
「Unreal Engine で何ができるのか、自分たちに何ができるのかは分かっていたので、とにかくやってみました。そして、現時点では信じられないほど堅牢なパイプラインを構築できました」と、Baldwin 氏は付け加えます。
シーン開発のプロセスを効率化し、パイプラインを再構築することで、Sony Pictures Imageworks のチームは、パフォーマンスやスケール、そして映像が放つエネルギーそのものに、より深く集中できるようになりました。それは、KPOPガールズ! デーモン・ハンターズの核にあるダイナミックなストーリーテリングを力強く支えることにつながっています。
KPOPガールズ! デーモン・ハンターズは現在 Netflix でのみ配信中です。