オーストラリア生まれの Hamilton 氏は、夢を追ってゲーム開発のキャリアを積むために、2005 年にヨーロッパに移り住みました。初めはロンドンの Splash Damage で働き、それからストックホルムへと移って、Grin、Starbreeze、DICE に勤務し、背景アートを専門としています。現在 Embark Studios でアート ディレクターを務める Hamilton 氏は、今でも時間をやりくりして、Memories of Australia などの個人的なプロジェクトに取り組んでいます。
オーストラリアでの幸せな子ども時代に体験した音、眺め、感情、そして愛情に満ちた思いやりのある家族の大切な記憶にささげるものとして、Hamilton 氏は Memories of Australia を作成しました。これは余暇の時間に取り組んだ個人的なプロジェクトであり、Unreal Engine でリアルタイム レンダリングされます。
Hamilton 氏は、クリスマス休暇でオーストラリアを訪れた際に、伝統的なフォトグラメトリー技術を使って短編映像用のコンテンツを収集しました。スウェーデンに戻ってからの数か月で、時間があるときとインスピレーションが湧いたときに、ゲーム開発、特に背景アートの経験を活かしてプロジェクトに取り組みました。
Hamilton 氏は以前のバージョンの Unreal Engine に触れてみたことはありましたが、現在の職場に来るまで、仕事で使ってみたことはありませんでした。幸い、そのテクノロジーを問題なく取り入れることができたうえに、ツールがオープンなものであったことから、クリエイティブ面で以前よりも細かい制御が可能になりました。
そうしたツールのなかでも Memories of Australia の制作で特に役立っているのが、Unreal Engine に組み込まれたマルチトラック エディタであるシーケンサーです。「アーティスト単独で、制作のあらゆる領域にかつてないほど対処しやすくなります。シネマティックの作成に関するツールはとても直感的で、映像製作者や趣味で制作を行うアーティストなどにも開かれたものです。アニメーションのインポート、カメラのセットアップ、カメラに揺れを加えることによる生々しさの追加、VFX のレイヤー化、ロットのキーフレーム設定などをドラッグアンドドロップで実行でき、信じられないほどスムーズなワークフローです」
Unreal Engine のストーリーテリング ツールの使用に関する Hamilton 氏のスキルは、Memories of Australia での感情を捉えるという目標の達成に役立ちました。この点が、観る人にとって深い効果をもたらしています。