コンポジターである Whiteson 氏は、スタジアムを埋めるために 3D の群集を複製または生成するよう求められることがよくあります。Whiteson 氏によれば、これは時間がかかり難しい作業です。「決まって手間がかかる仕事です。トラッキング、キーイング、ロトスコーピング、ショットの要素のクローン、雰囲気との調和などの作業があり、年に 4、5 回くらいは依頼があります」
alter ego のチームは、コスト効率に優れたソリューションをクライアントに提供したいと考えていました。具体的には、自由に、クリエイティビティを発揮してストーリーを告げることができるソリューションです。また、群集の作成後には大きな影響が生じることがよくありますが、そういったこととは無縁のものです。
その解決に取り組んだのは PXO でした。PXO は国際的に活動している視覚効果とバーチャル プロダクションの企業であり、これまでにさまざまな賞を獲得しています。今年の前半には、HBO のテレビ シリーズ、Winning Time: The Rise of The Lakers Dynasty のために、VFX を利用したショットを 700 以上完成させていました。
Caledon Football Club のコマーシャルは Stage 6 で撮影されました。これは、PXO と William F. White International (WFW) が所有する、トロントにあるバーチャル プロダクション ステージの 1 つです。2,000 平方フィート (約 185 平方メートル) の半円形のボリュームに、720 個の LED パネルと 175 個の天井パネルが据え付けられています。映像制作者は、実写の映像と、LED ウォールおよび天井にリアルタイムでレンダリングされる最先端のデジタル環境を組み合わせて利用できます。
Courtesy of Pixomondo, alter ego, William F. White Int’l, Virtual Production Academy, Caledon FC
LED ウォールを使うようになる前は、Caledon Football Club のコマーシャルのようなプロジェクトに臨むとしたら、alter ego は、50 人から 100 人ほどの人を実際のスタジアムに連れて行き、あちこち動き回らせて、あとで映像をまとめる必要がありました。
あるいは、群集を CG で生成し、映像をトラッキングし、前景のアセットにロトスコーピングを行い、ライティングと雰囲気を合わせてすべてをまとめようとする必要がありました。「いずれにせよ、CG の群集を作成する必要があるのなら、撮影の前に時間をかけて作成し、Unreal Engine を利用して LED ウォールでリアルタイムにアニメーションさせるのがいいでしょう」と Whiteson 氏は述べています。
Courtesy of Pixomondo, alter ego, William F. White Int’l, Virtual Production Academy, Caledon FC
Caledon Football Club のコマーシャルについては、alter ego は、煙の実写映像を CG のスタジアムの環境に加えるとともに、現実のステージも煙でいっぱいにしました。こうすることで、どちらの要素も 1 つのソースからのもののように感じられました。ライティングについても同様でした。
Courtesy of Pixomondo, alter ego, William F. White Int’l, Virtual Production Academy, Caledon FC