3D housing visualized by Pennoni in Unreal Engine.
Images courtesy of Pennoni Associates

スポットライト

2025年6月25日

Pennoni FX Studios、I-95 CAP 大規模プロジェクトで Unreal Engine を活用し迅速なコラボレーションを実現

Pennoni FX Studios (PFX) は、ペンシルベニア州からフロリダ州にかけて数多くの大規模プロジェクトを手がけ、構造物がどのように建設されるか、地域がどのように変わるかをリアルに描いた映像とビジュアライゼーションを提供してきました。しかし、こうしたフォトリアルな資料の制作には、巨大な CAD ファイルを扱う煩雑な作業や、多数の修正や再レンダリングのために膨大な時間が必要でした。

それを一変させたのが Unreal Engine の導入です。Pennoni の副社長 Joseph Spadea 氏は、「私たちの主な提供価値は、公共向けの情報発信と承認プロセス支援にあります。Unreal Engine や Cesium といった最新技術を取り入れることで、従来のエンジニアリングサービスを強化し、より多くの成果をクライアントにもたらすことができるのです」と語ります。

このワークフローの改善が具体的に現れたのが、PFX が最近手がけた I-95 Central Access Philadelphia (I-95 CAP) 開発プロジェクトです。このプロジェクトは、デラウェア川沿いの地域で多様な交通モードの改善を図る複合的な計画であり、その中心的な要素の一つが、センターシティからウォーターフロントへのアクセス性と景観の向上、そして訪問者や地域住民のための新たな緑豊かな公共空間の創出です。
Bird’s eye view of the I-95 CAP project visualized by Pennoni in Unreal Engine.
Images courtesy of Pennoni Associates
この意欲的なプロジェクトには、60 箇所を超える新しい排水口の設置、複数の交通信号や頭上標識の交換、さらにペンシルベニア州の I-95 における初の先進的交通管理システム (ATMS) の設計が含まれています。このシステムには、車線制御信号、動的メッセージサイン (DMS)、可変速度制限標識、映像監視、渋滞検知といった機能が備わる予定です。 

92 の交差点で構成される交通モデルが開発され、段階的な工事や迂回措置に関連する将来および一時的な交通状況の評価に用いられています。また、影響を最小限に抑えるための包括的な交通管理計画 (TMP) も策定中です。 

さらに Pennoni は、DRBA Dolphin Protection System など、他のプロジェクトでも Unreal Engine を活用しています。Unreal Engine のようなテクノロジーにより、Delaware Memorial Bridge において、正確な設計変更の予測、デザインの適応、そして重要な施工段階の視覚化が可能になっています。
私たちは Spadea 氏に話を伺い、Pennoni が I-95 CAP やその他のプロジェクトで Unreal Engine をどのように活用しているのか、詳しく聞きました。
 
 

Unreal Engine を Pennoni ではどのように活用していますか?

S:私たちのチームでは、Unreal Engine を使って静止画レンダリング、アニメーション、インタラクティブな実行ファイルを制作しています。プロジェクトは、公共向けのキービジュアルや提案資料の支援から、クライアントとの現地プランニングにまで及び、設計をリアルタイムで確認しながら進めることができます。
Unreal Engine は、PFX にとって欠かせない存在となっています。というのも、それまで使っていた旧式で扱いづらく、カスタマイズの幅が限られていたレンダリング ツールから脱却し、Unreal Engine が持つ豊富な機能を活かせるようになったからです。
I-95 CAP project visualized by Pennoni in Unreal Engine.
Images courtesy of Pennoni Associates

I-95 CAP プロジェクトで Unreal Engine を使うようになったきっかけを教えてください。

Spadea 氏:I-95 CAP は非常に大規模な取り組みで、私たちは本当に数え切れないほど多くのエリアをビジュアライズしてきました。Unreal を使い始める前は、以前のソフトウェアでは CAP のシーンを開くだけで本当に何時間もかかっていました。ようやく開けたとしても、その中を移動するだけでも一苦労だったんです。今ではプロジェクト全体を Unreal に移行したことで、パフォーマンスは飛躍的に向上し、クライアントにシーン全体をスムーズに案内できるようになりました。Unreal Engine のおかげで、信じられないほどの時間を節約できています。

このプロジェクトは、Unreal Engine と Cesium を組み合わせることで、「百聞は一見にしかず」を体現できた好例だと思っています。高品質なレンダリングと、カスタマイズ性の高いツールである Unreal Engine のおかげで、私たちは I-95 のようにコミュニティ全体をつなげ、変革を引き起こす「全体像」を描けるようになりました。それは、まさにビジョンを現実に変える力だと思います。
3D bridge, river, and ship visualized by Pennoni in Unreal Engine.
Images courtesy of Pennoni Associates

Unreal Engine は御社にとってどんな課題を解決してくれていますか?

S:Unreal が解決してくれた最大の課題は、効率とコラボレーションの 2 つです。以前のソフトウェアではかなり時間がかかっていた複雑なショットのレンダリングも、今ではごく短時間で完了できますし、ファイルサイズや計算負荷も軽く済みます。さらにバージョン管理機能が組み込まれているので、複数人が同じプロジェクトで同時に作業しても、お互いの進捗を上書きしてしまう心配がありません。
 
 

Unreal Engine を使うことで、どのように仕事の獲得に役立っていますか?

S:新しいクライアントと会うときには、必ず Unreal Engine を直接使ってプレゼンします。そのクライアントに関連のあるプロジェクトを見せて、「ファイナル ピクセル品質」のビジュアルを、実際にその場で一瞬で表示できるところを体験してもらいます。多くのクライアントは、私たちがこうしたテクノロジーを AEC 分野で使っていること自体に驚きます。Unreal は大規模なゲーム開発にしか使われないと思っていたようですが、私たちの活用例を見ることで、限られた予算でもハイクオリティな成果物を提供できることに気づいてくれるんです。
 
 

Unreal Engine の使用は、御社の顧客にどのようなメリットをもたらしていますか?

S:私たちが Unreal Engine を使うことで、顧客は高い精度とディテールを効率的に受け取れるという恩恵を得ています。たとえば、グローバル ライティングの位置調整や、地球全体のスキャン データを読み込んで、提案中のプロジェクトを正確な地理位置に配置し、完成後の様子をよりリアルに体感してもらうことができます。以前であれば、こうした調整には何日、あるいは何週間もかかっていたのですが、今では Unreal 上で数回のクリックで実現できるようになりました。
 
 

Unreal Engine の導入は、競争上の優位性につながっていますか?

S:間違いなくつながっています。Unreal を導入したことで、私たちは AEC 分野のビジュアライゼーションにおいて、他社より一歩先を行けるようになりました。実際、私たちの成果を見た他の企業から「Unreal の使い方を教えてほしい」と問い合わせが来たこともあります。
3D bridge and river visualized by Pennoni in Unreal Engine.
Images courtesy of Pennoni Associates

個人的に一番気に入っている Unreal Engine のツールは何ですか?

S:Unreal Engine 5 が登場して以来、ずっと感動しているのが Lumen です。ライティングがとにかく直感的で、しかも 60 fps 超であのクオリティの光表現が可能なんて、本当に驚異的です。
 
 

Unreal Engine の使用は納税者にもメリットがありますか? 

S:もちろんあります。Unreal Engine は、DoT などの政府機関が、設計についてより早く、より的確な判断を下せるように支援してくれます。エンジニアリングプランが視覚化されることで、理解が格段に深まるからです。これは一般市民向けのアウトリーチ活動でも同様です。橋や道路、施設などの計画を提示する際には、「自分たちの地域にどう実装されるのか」を具体的にイメージできるようなレンダリングを見せ、認識が一致しているのを確認することが重要です。
 
 

今後のビジョンを教えてください。

S:理想的には、私たちのチームとして「自分たちに何ができるか」の限界を常に押し広げていきたいと考えています。PFX は比較的小規模なチームですが、私たちは常に「映画やテレビ業界のすぐ後ろに位置する一方で、業界内の競合より一歩先を行く」という目標を掲げてきました。数週間ごとに Epic がリリースする新機能をチェックするのがチーム全員の楽しみになっていますし、これからどんなツールが登場するのか、とても楽しみにしています。