2019年7月16日
シミュレーションのディテールがすべて: デベロッパー Dovetail のこだわり
「愛好家のために、愛好家が作る」というモットーにより、釣りから列車まで様々なトピックの絶妙なニュアンスやディテールにこだわり、数十万の世界のファンが楽しむデジタルホビーを作り出しています。このデジタルホビーは、実世界のシチュエーションを忠実に再現し、プレイヤーがその中に留まり探検したいと思うようなシミュレーション体験としての形を取っています。
スタジオは爆発的に成長しています。Train Sim World 2020 をアナウンスし、Fishing Sim World: Pro Tour をローンチします。チャタムにある本社を訪問し、プロダクトを貫く基本方針と、両方のタイトルを実現する上で Unreal Engine が果たしている役割について伺いました。 Dovetail の Chief Operating Officer である Jon Rissik 氏はこう述べています。「Dovetail Games の中核は、愛好家のための体験を作り上げることにあります。ゲームというより、ホビーについて語ります。会社の基底には、常に、列車シミュレーションがありました。深い内容、高度な物理と、魅力的な体験を提供するものです。ですが、5 年前に釣りシミュレーションにも参入し、UE4 をはじめて使用するようになりました。」
この UE4 の導入がスムーズであったことから、エンジンをさらに活用するアイデアが生まれました。実際のところ、Fishing Sim World での UE4 の実験が、より多くのプロジェクトで Unreal を使用することに繋がりました。Train Sim World はその一つです。シニアアーティストの Jon Stewart 氏は以下のように述べています。「本当にうまくいって、満足していました。チームの多くが UE4 を使うことを楽しいと感じていたので、さらに大規模に Train Sim World でも使用を開始しました。」
特定の題材に対するシミュレーションゲームの作成は、市場の多くのエクスペリエンスの作成とは異なっています。鍵となるのは、コアユーザーは実世界における題材と比べてディテールを比較するということにあります。これは一般的に想像するより大きい影響をプロジェクトの開発に与えています。Rissik 氏は説明します。「多くの運転手やオペレーターが私達のゲームを遊んでいます。だから正しい内容にしないと、これらの専門家がまず最初に、私達が間違っていると、指摘してくることになります。」
ソフトウェアエンジニアの William Marshall 氏も述べています。「列車が自分にとって変な挙動をしている、ということを根拠に、ゲームが間違っているとプレイヤーが指摘することもあります。それが、一行のほんの小さな値の間違いだとわかったりすることがあります。プレイヤーがそれを見つけ出すというのは、本当にすごいことです。」
プレイヤーが求めるディテールを保証するということはエンジンのソースコードアクセスがなければ不可能でした。Marshall 氏は述べています。「私達の物理シミュレーションは他にはないもので、インハウスで完全に開発したものですが、今は Unreal に深く統合されています。Unreal のソースコードアクセスは私達にとって大きな助けになりました。ソースコードアクセスがなければ実現不可能だったゲーム機能も数多くあります。自分たちのコードを変更できるように、エンジンも変更できるのです。」
ソースコードアクセスによる柔軟性が、 Dovetall が持つ列車シミュレーションのビジョンの実現を助けました。Rissik 氏は語りました。「明らかに、UE4 は多くの重要な機能を提供していましたが、自分たちに必要なすべてを実現していたわけではありません。私達のソリューションは SimuGraph です。広大な地形を高速で移動する列車の各車両について物理挙動を正確にモデリングすることを可能にしました。」
Train Sim World の膨大なディテールは明らかに熱心な愛好家向けではありますが、Dovetail は製品の美しい世界と興味深いシミュレーションがカジュアルプレイヤーも魅了することを願っています。3D 環境アーティストの Jess Magnus 氏は以下のように述べています。「Train Sim World の主要なターゲットは鉄道ファンですが、カジュアルゲーマーやまだこうした世界に興味を持ったことがない人も、美しさを見出して試して楽しんでもらえればと願っています。」もちろん、環境とその中に存在するオブジェクトは、リアルに見えるだけではなく、リアルな感触を持つ必要があります。これは簡単なことではありません。Magnus 氏は述べています。「細かいディテールを持っているだけではなく、本当に実世界と同じように存在するものを作りたいと常に考えなければならないので、多くの課題があります。」
ファンが望むほどしっかりとした体験を実現することは難しい挑戦ですが、できる限り多くのプレイヤーに届けられるよう様々なプラットフォームでプロジェクトをリリースすることについては、Unreal を使用するというチームの決断により効率的に行えるようになりました。シニアプロデューサの Matt Peddlesden 氏は以下のように述べています。「Unreal Engine を選んだ理由の一つは、(ゲームを)様々なプラットフォームでリリースしたいということにありました。今はビルドシステムを用意して、PC ビルドができたら、ボタンを押せば PlayStation と Xbox ビルドもできる、という状態になりました。もちろん、追加作業が何も必要ないということではありませんが、少ない作業量でマルチプラットフォームにできるのは素晴らしいことです。」
再現された線路や湖を見ればわかるように、Dovetall は世界中の膨大なファンが学び、感銘を受けるような、真に没入できる別世界を作り上げています。Rissik 氏はこう表現しています。「私にとっては、UE4 は私達が情熱を持つものを実現することを可能にするものです。Dovetall Games では、Unreal でリアルにする、という話をよくします。Unreal Engine は生き生きとした世界に命を吹き込む力を与えてくれています。」