皮肉なことに、アーリー アクセス版でこれまでに 50 万本以上の売上を記録しているこのゲームは、まとまりがなかった開発過程に似た要素を備えたものになりました。つまり、調査、発見、チームワーク、着実な進歩です。何かすばらしいものを作り出そうとする試みは、Deep Rock Galactic のわくわくするような探検に通じるところがあります。はっきりしないことが多いまま開発を始めたものの、チームでは、アーリー アクセス期間中のプレイヤーからのフィードバックを取り入れるという、1 つの明確な目標を念頭に置いていました。アート ディレクター兼共同創業者の Robert Friis 氏は次のように述べています。「当初から、オープンな開発を行い、コミュニティとしっかりコミュニケーションをとっていきたいと思っていました」
ゲームの明確なコンセプトとコミュニティを築きたいという目標を中心に据え、チームは多くの開発者が苦しめられる課題に挑みました。それは、楽しいところを見つけるということです。Ghost Ship Games のゲーム ディレクター兼共同創業者、Mikkel Martin Pedersen 氏は次のように述べています。「Deep Rock Galactic は一人称視点の Co-op シューティング ゲームです。友人と 4 人のチームを組み、宇宙を旅するドワーフの鉱夫の一団としてプレイできます。激しいアクションと探鉱の組み合わせは、ほかの Co-op ゲームにはないものです。友人と一緒に冒険に出るにはとてもいいゲームです」
もちろん、ほかのゲームとの違いを示すために、冒険にはユニークなところが必要です。Ghost Ship Games のチームは、早い段階からインタラクティブ性と驚きの要素を重視しました。「Deep Rock Galactic がほかの Co-op シューティング ゲームと異なるのは、環境がプロシージャルに生成され、100 % 破壊可能だということです」と Pedersen 氏は言います。「ミッションに出かけるたびに、新しい環境でプレイできます」
「最大の障害となったのは、世界をプロシージャルに生成することでした。それが技術的に最も重要なことであるとわかっていましたが、どうやったらいいのかはわかっていませんでした」とリード プログラマー兼共同創業者の Jonas Solhøj Møller 氏は言います。
CEO 兼共同創業者の Søren Lundgaard 氏は次のように述べています。「CTO が 1 週間姿を消し、戻ってきたときに『いいものを持ってきた』と言いました。彼が持ってきたのは、メッシュを生成して見た目をプロシージャルに決めるクレイジーなプロトタイプでした。結局それを使うことになったのですが、すごいとは思いつつも、いまだに仕組みはよくわかっていません」
プロジェクトの基盤ができあがったところで、Ghost Ship はアーリー アクセスとして作品を世界に公開することにしました。しかし、コミュニティからフィードバックを募ることに意欲を持ち、期待もしていましたが、かなり早い段階での作品の公開にはリスクも伴うということは認識していました。そこでチームがその脅威にどう立ち向かったのかというと、やっかいな問題に真正面からぶつかっていきました。Lundgaard 氏は次のように述べています。「安心して見せられるようになる前に見せてしまうことにしました。度胸が必要でしたが、うまくいきました。大きな見返りを得ることができて、成功の一因となりました」
チームがアイデアについて Unreal Engine で迅速にイテレーションできたことが、成功を収めるうえで大きな意味を持ちました。ブループリントは、ビジュアル スクリプティングが可能で、アーティストにとって使いやすいものであったため、Ghost Ship Games は、小さなチームとしては予想していなかったスピードでプロジェクトを進めることができました。「ブループリントを多用すれば、その過程でずっとメリットを得られることはわかっていました。Unreal で迅速にイテレーションできたことは、間違いなくそのメリットの 1 つです」と Lundgaard 氏は言います。
Friis 氏は次のように述べています。「アーティストの観点からは、Unreal はすばらしいものです。これまでいくつものゲーム エンジンを使ってきました。Unreal では、ゲームに入り込んで自分の手を汚して作業を行うことができます。私はプログラマーではありませんが、プロトタイプを作成して画面に表示し、こうしたいんだ、と言うことができます。これまでになかったツールセットです」
実績がある UE4 のツールを受け入れていくなかで、ゲーム デベロッパーとしての Epic 自身の経験が Unreal Engine に影響を与えていることにチームは気付きました。「Unreal Engine について本当に気に入っていることの 1 つは、これはゲームを実際に開発している人たちが作ったものだとわかることです」と Møller 氏は言います。「それはツールの品質から明らかです。組み込まれているものにほとんど手を加えることなくそのまま使えた、ということがたくさんありました」
まだアーリー アクセス期間中ですが、コミュニティからのフィードバックは、Deep Rock Galactic の開発中、チームにとって貴重なものとなっています。また、必要に応じて Unreal Engine のソース コードにまでアクセスできるため、チームは熱心に取り組んできたプロジェクトを完全に制御できるようになっています。Møller 氏は次のように述べています。「チーム全員が豊富な経験の持ち主であり、リリース前の最後の段階は非常に難しくなる場合があるということはわかっています。Unreal Engine のソース コードすべてにアクセスできるということは、私たちのプロジェクトにとっては非常に重要です。何かがうまくいかないときに、自分たちのコードに問題があるのかエンジンに問題があるのかすぐに特定でき、自分たちでその場で修正することすらできます」
修正が必要ないものがあるとしたら、それは、予想外のことが起きてきた、これまでの開発の過程かもしれません。「5 年前の自分に尋ねてみたら、スタートアップ企業に参加するなんて言わないでしょうね」と Friis 氏は述べています。Lundgaard 氏は次のように付け加えます。「これまで、ジェットコースターのような経験をしてきました。ときどきみんなそれに気が付いて、ちょっとスピードを落とさないと、という話をします。何が起きているのか理解する時間が足りないくらいのスピード感です」
Deep Rock Galactic は、現在 Steam でアーリー アクセス版、Windows 10 と Xbox One でゲーム プレビューが提供されています。ご自身で開発を始めることに関心をお持ちでしたら、Unreal Engine を無料でダウンロードすれば、すぐに始めることができます。