Colin Hanford 氏は、イギリスのカーディフに拠点を置く Arup のビジュアライゼーションチームのうちの一人です。チームを構成するもう一人は、シニア ビジュアライゼーション デザイナーの James Jackson 氏です。この二人の間には、あわせて50年以上にわたりビジュアライゼーションに携わってきた経験があります。このチームは、Arupの事業部門、特にイングランド南西部とウェールズのインフラ、都市設計、交通計画プロジェクトを担当しています。
リアルタイムワークフローは、イギリスの高速道路と主要なA道路の運用、保守、改善を担当する政府企業である Highways England のために取り組んだ最近のインフラ プロジェクトで極めて重要な役割を果たしました。
イングランド南西部のブロックワースとカウリーという町の間で、A417高速道路の2つの区間をつなぐ新しい道路が計画されています。Hanford 氏と Jackson 氏は、プロジェクトのステークホルダーにデザインの意図を伝えることを目的とした、予定されている工事のビジュアライゼーション作成を担当しました。
ツールとプラグインのコレクションである Datasmith を使用することで、Unreal Engine にさまざまなデータ タイプをインポートする時間を大幅に短縮することができます。Hanford 氏と Jackson 氏は、プロジェクトの初期開発を行う 3ds Max からデータをインポートする際に、主にこのツールを使用しています。「Datasmith は私たちのパイプラインで非常に役立っています」と Jackson 氏は述べています。
Datasmithは、 RailCloneとともに Forest Pack Pro アセットに特化したサポートを提供しています。これにより、各エンティティを階層インスタンス静的メッシュとして直接変換できます。これは、オブジェクトが広い領域に分散している場合に高いフレームレートを提供する特殊なタイプのオブジェクトです。
樹木だけではなく、道路には多数の車を配置する必要がありました。以前は、車両交通 モデリング ソフトウェア VISSIM から 3ds Max にインポートし、必要に応じて調整した後、3ds Max から .fbx ファイルとしてエクスポートし、Unreal Engine でアニメーションの品質を保持していました。現在では、Datasmith を使用して VISSIM アニメーションを 3ds Max から直接迅速にインポートできるようになりました。
Reston Station Proposals October 2020 | Image courtesy of Arup
Jackson 氏は次のように述べています。「プロジェクトの期限が厳しかったため、Twinmotion を使用することによってデータ準備中でも高品質な静止画とアニメーションを迅速に取得できるようにしました。人や車両などのアセットの組み込まれているライブラリを使用することによって人間のスケールを明確にすることができ、設計の条件を特定するのに役立ちました。」
チームはこれらのプロジェクトを、現地のチームとイギリス北部の Arup の多くのオフィスにおいて、特に3Dビジュアライゼーションの作業に関する知識の共有とスキルアップを目的として活用しました。「新しいテクノロジーに適応することでクライアントが提示する期限を守り、新しいスキルを習得し、可能な限り最高品質のソリューションを生み出すことができました」と Jackson 氏は述べています。
全社的に採用されたリアルタイム ワークフロー
Hanford 氏と Jackson 氏の Unreal Engine での成功は、Arup 全体のビジュアライゼーションチームが、「私たちと同じ理由で」このツールをパイプラインに採用することにつながったと Hanford 氏は述べています。それは「使いやすさとビジュアル品質」です。
リアルタイム技術は社外の関係者からも熱烈に歓迎されています。「彼らはとても気に入っています」と Jackson 氏は語ります。 「彼らは、私たちが設計した様々なリアルタイム環境を試すために、定期的にクライアントを私たちのところに連れてきてくれます。」
Morrison's Island Public Realm and Flood Defence Project | Image courtesy of Cork City Council