Image courtesy of Alexandru Popescu and Tim Ben Cole

Short Film Challenge Australia の参加者の声

2021年4月7日
このたび、Epic Games は、オーストラリアの 8 つすべての州/地域の映像制作支援機関と協力して、第 1 回となる短編映画のコンテスト、Unreal Engine Short Film Challenge Australia を開催しました。1,800 件以上もの応募をいただき、その多くは、これまで Unreal Engine を使ったことがない人たちによるものでした。参加者全員を対象に、Unreal Engine での映像制作技術について、2 週間の無償トレーニングを実施しました。参加者はそれからチームを組んで、それぞれのプロジェクトを提案しました。

優秀な提案を作成した 16 のチームにそれぞれ 2 万オーストラリア ドル (約 160 万円) が提供され、各チームがわずか 6 週間で映画を制作しました。完成した作品は、クリエイティブなストーリーテリングの幅広さと、オーストラリアの人材の優秀さを示すものとなっています。ファイナリストの作品すべてを Vimeo Showcase でご覧いただけます。ここでは 4 チームにお話を伺いました。
 

Decommissioned

国際宇宙ステーションが舞台の Decommissioned は、謎に満ちたサスペンス短編映画です。古くなり、科学実験のために ISS から宇宙空間へと投棄された宇宙服が、生命を持つようになります。コマンダー (船長) を努める宇宙飛行士 Diaz を待ちうける結末は恐ろしいものです。
 

ライター兼ディレクターを努めた Josh Tanner 氏は、制作会社 Perception Pictures で共同ライター兼プロデューサーの Jade van der Lei 氏とともに 10 年以上にわたってさまざまなジャンルの短編映画を制作してきました。本作の脚本はしばらく前から構想にあったもので、今回のコンテストは映画を制作する理想的な機会となったと Tanner 氏は述べています。

「脚本は 3 年前に執筆したものです。今回のコンテストが開催されて、この作品を制作する機会が訪れたと思いました」

このコンテストを通じて、Tanner 氏は Unreal Engine でのバーチャル プロダクションの技術に初めて触れました。その 1 つが、限られた予算内でのインカメラ VFX の作成でした。

「要するにコンシューマー向けの 4K プロジェクターを使ってリア プロジェクションしたわけで、いかにも低予算のやり方です。しかしやってみて驚きました。OK、これだ。これなら使える、と思いました」
Image courtesy of Perception Pictures
Tanner 氏にとっては、このような技術は映像制作のあり方を変化させるものです。「Unreal Engine でのバーチャル プロダクションは、ある意味では新しいアート部門のようなものです。ねえ、地球を回転させられるかな、と言うのは奇妙な経験でした。普通はセットでそのようなことは叫びません」

Eggs Cannot Fly

奇抜なアニメーション コメディ短編、Eggs Cannot Fly の制作者たちは、このコンテストの前には Unreal Engine を使ったことがなかったばかりか、3D CG の作業経験もありませんでした。その点を考慮すると、この作品はいっそう注目に値します。

意図的にフォトリアルではないスタイルを選択したこの作品は、孵化することができなかった、あるタマゴの物語です。主人公のタマゴは、タマゴは飛ぶことができないという周囲の後ろ向きな意見と戦います。
 

この作品は LateNite Films によって制作されました。LateNite Films は包括的なサービスを提供する制作スタジオで、幅広いジャンルの革新的なシネマティック コンテンツを作成することに定評があります。

このプロジェクトのリード Unreal Engine アーティスト兼プロデューサー、Chris Hocking 氏は次のように述べています。「最初は本当に、Unreal をどうやって開くのか、というところからのスタートでした。用語や言葉遣いもわからない、まったくの専門外の領域でした」

そういった事情から、ファイナリストに選ばれ、実際に映画を作成するように言われた時点で、LateNite Films は、できもしないことを引き受けてしまったのではないかという懸念を払拭することができていませんでした。「30 秒ほど喜んでから、ああ、作らなくてはいけないんだなと思いました」とライター兼ディレクターの Natesha Somasundaram 氏は述べています。
Image courtesy of LateNite Films
COVID-19 に伴う制限があったため、制作はより困難になるおそれもありましたが、最終的には Unreal Engine のリアルタイム性が役立ちました。Hocking 氏は次のように述べています。「全員がリモートで作業をしていて、すぐに Zoom 会議に参加できました。そこでたとえば、うまくいっていないロケーションについて Natesha から指摘があれば、Unreal Engine マーケットプレイスでアセットを手に入れて、それを使ってリアルタイムですべてをビルドし直すことができました」

この経験はとても満足感の高いもので、グループにとって新しい可能性が開かれました。「最初の時点では想定もしなかったような、とてもすばらしいものを作ることができました。ライター兼ディレクターとしては、まったく新しい考え方を取り入れることができました。必要なものは何でも作ることができて、扉は広く開かれています」と Somasundaram 氏は述べています。

Weather Girl

制作者によるとヤングアダルト向けのレトロフューチャリスティックでローファイなサイファイ映画である Weather Girl は、未知なる力を秘めた少女、Molly の物語です。Molly は両親の離別に動揺し、憂鬱な家庭の事情と向き合っています。Molly はその能力として、手から蒸気を発したり、指先から稲妻を放ったりすることができます。また、映画には、燐光を発するネズミも登場します。
 

ライター兼ディレクターの Stef Smith 氏は、サイファイと VFX を多用する作品のファンですが、以前はこのジャンルに手を付けることはできないと考えていました。

Smith 氏は次のように述べています。「今までずっと、VFX の作業をするのは怖いと考えてきました。ポストプロダクションに手間も費用も時間もかかりすぎるからです。ですから、このコンテストの魅力は、6 週間で何か作らなければならないという点でした」

Smith 氏は、課題に取り組み始めた時点では何がわからないのかもわかっていなかったと認めています。「いろいろとわかっていないことは理解したうえでこのプロジェクトに参加しました。最初にトレーニングを受けて、ああ、わからないことがこんなにたくさんあったのか、と思いました」

このプロジェクトでは、インカメラ VFX と指をトラッキングする技術を使いました。この経験を経て、Smith 氏は今後同様のプロジェクトに取り組むうえでの自信を獲得しました。
Image courtesy of Stef Smith
「個人的には、コンテストの価値は自信を付けることにあります。テクノロジーを使う方法と、テクノロジーに合わせた執筆の方法について学ぶことができました。Unreal Engine の応用範囲は驚くべきものです」と Smith 氏は述べています。

Cassini Logs

最後に紹介するのは、5 万オーストラリア ドル (約 400 万円) を獲得した、コンテストの優勝作品 Cassini Logs です。フル CG の美しいサイファイ アドベンチャー作品で、映像作家の Tim Ben Cole 氏と Alexandru Popescu 氏によって制作されました。この映画の主人公である、凍てついた世界に暮らす老科学者は、コロニーの不吉な見通しを変えるべく、土星の衛星で海中ドローンを使い、花粉のサンプルを収集しようとしています。
 

制作者によると、Cassini Logs の脚本は、ストーリーから、キャラクター、セットのデザイン、演出上の判断、撮影技術まで、全面的にアニメーションを使うアプローチを採用し、Unreal Engine で制作することを意図して執筆されました。このプロジェクトを現実のロケーションや従来の視覚効果を使って開発しようとしたら、実現不可能であるか、膨大な時間が必要になっただろうと制作者たちは述べています。

このプロジェクトは映画の撮影のように扱われ、プロダクションを開始する前のプリプロダクション期間を利用して、クリエイティブに関するすべての疑問を解決しました。

「初めから Unreal で編集しました。カメラ、キャラクターのアニメーション、ライトのブロッキングをすぐに調整できました」と Popescu 氏は述べています。「そうした利点すべてをプリビジュアライゼーションの段階で活用しました」

完成した作品は、そうした計画と準備が行われていたことがわかるものになっています。イテレーションをすばやく何度も繰り返してショットを改善できたことも品質の面で重要でした。
Image courtesy of Alexandru Popescu and Tim Ben Cole
Cole 氏は次のように述べています。「それが Unreal のすばらしい点です。イテレーションをとても行いやすく、ショットにさまざまなレベルで改善を加えていき、最終的な映像へとたどり着くことができます」

Cassini Logs のエンディングには、「To be continued」と記されています。続編が待ち遠しい作品です。
 

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