建築家の Pawel Mielnik 氏は、Ronen Bekerman 氏が主催したビジュアライゼーション コンテスト CABINS に挑むにあたって、リアルタイム レンダリングを新しく試してみることにしました。ポーランドに拠点を置く Essentium Studio で建築ビジュアライゼーションを専門とする Mielnik 氏は、通常のワークフローから離れて、Unreal Studio を初めて試しました。
それまでに使ったことのなかったソフトウェアで、Mielnik 氏はフォーゴ島の小屋の美しい画像をいくつも創り出し、コンテストのファイナリストに名を連ねました。ほかの参加者が作成した画像の多くは、オフライン レンダラによるものでした。
Mielnik の作品は、Unreal Studio のフォーラムに投稿され、注目を集めました。

Mielnik 氏は、長い間、メインの DCC ツールとして 3ds Max を使い、レンダリングには V-Ray を使ってきました。YouTube で、ビジュアライゼーションのプロフェッショナルによる Unreal Studio のチュートリアルをいくつか見てから、Mielnik 氏はプロジェクトを開始しました。「ほかの人がとても早くいい結果を出すのを見たことがあります。やり方も難しくなさそうでした」と Mielnik 氏は述べています。
プロジェクトに取りかかる前に、Mielnik 氏は Unreal Studio のフォーラムを見て、ほかの人がどのように同じようなものを作っているかを確認し、Unreal のトレーニング ビデオをすべて見ました。

次に、何を作るかを選びました。Mielnik 氏が選んだのは、Saunders Architecture による、フォーゴ島の代表的な小屋の 1 つ、Tower Studio です。カナダのニューファンドランド島のそばにあるフォーゴ島は、その印象的な海岸線で知られています。Mielnik 氏は次のように述べています。「Tower Studio の形が気に入りました。また、景観に驚かされました」
Datasmith の利用Mielnik 氏は、まず、3ds Max でモデルを作成してから、Datasmith プラグイン [現在 Unreal Engine に含まれています] を使用して、そのモデルをアンリアル エンジンにエクスポートしました。Mielnik 氏は次のように述べています。「Datasmith はとても簡単に使うことができました。ただ 1 つのボタンをクリックするだけです。モデルを準備して、シンプルな UV を設定したら、エクスポートします」
次に、環境に目を向けました。Mielnik 氏は、シンプルなランドスケープを作成して、アンリアル エンジンのツールを使用してスカルプトしました。それから、Quixel Megascans と Substance Designer のテクスチャを使用して、レイヤーが 4 つあるランドスケープ マテリアルを作成し、ペイントを開始しました。
Mielnik 氏は、フォリッジにも Megascans を使用しました。マスター マテリアルをセット アップして、ペイントと微調整を満足するまで続けました。
「マスター マテリアルを作るのは少し大変でしたが、レイヤーを使うことができたおかげで、簡単に楽しくペイントできました」と Mielnik 氏は述べています。

また、Mielnik 氏は、複数のライティングを利用するシナリオのテストにもアンリアル エンジンを利用できたことを評価しています。「テストを非常にすばやく行うことができます。変更を加えるたびに、レンダリングを実行するボタンをクリックして待つ必要はありません」と Mielnik 氏は述べています。
静止画像のレンダリングに加えて、Mielnik 氏はアンリアル エンジンでの 360 度のパノラマの作成にも挑戦しました。Mielnik 氏は次のように述べています。「オフライン レンダラ エンジンを使用すると、パノラマの作成には何時間もかかります。しかし、NVIDIA Ansel プラグインを使用すると、2 分で済みました。驚くほど時間を節約できます」
Mielnik 氏は、外部のパッケージを利用した修正は行っていないと付け加えました。すべての画像は、アンリアル エンジンから出力されたままのものです。
シーンの進展をすばやく把握このプロジェクトの制作を通じて、Mielnik 氏は、新しいワークフローについて理解しただけでなく、シーンの進展を把握する新しい方法についても理解しました。ペイントを開始すると、結果がリアルタイムに表示されます。これは、DCC のビューポートで作業し、独立したレンダリングの手順を実行する場合とは大きく異なります。「作業中にリアルタイムでレンダリングされるということに慣れるまで、しばらく時間がかかりました。しかし今では、以前の方法よりもずっと気に入っています」と Mielnik 氏は述べています。

「とても気に入っている点として、建築ビジュアライゼーションのために使用されるほかのエンジンでは長い時間のかかるエフェクトのなかに、アンリアル エンジンでは簡単に利用できるものがありました。ボリューメトリック フォグはその良い例の 1 つです。シーンにドラッグ アンド ドロップして、値を少し調整するだけで利用できます」
Mielnik 氏は、今後のプロジェクトへのアンリアル エンジンの利用について期待を寄せています。「まだ、アニメーションをすばやく作成できることがわかり始めたばかりです。VR やウォークスルーの機能には触れてもいません」
Mielnik 氏の作品は、個人の Web サイトや、Artstation のページでご覧いただけます。
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