デジタルツインおよびスマートシティ アプリケーション向けのアデレード市のバーチャル クローン

Image courtesy of Aerometrex
2020年11月16日
2050年、世界の人口は100億人に迫ろうとしています。この急増する人口のうちの70%—67憶人—は都市部に住んでいます。 

人々は巨大都市を自動運転車で移動している間はVRでビデオゲームをプレイしています。モノのインターネット (IoT)によって、自動車、家、デジタルデバイスは常に通信しています。また、リアルタイムのデジタルツインによって物理的建物の構造的な健全性をモニターし、どこかが壊れる前により安全で復元性の高いインフラへ修正します。

このような未来は、まだ少し先のことのように聞こえるかもしれませんが、スマート サーモスタット、スマートスピーカー、スマート電球などのインテリジェント デバイスを備えたスマートホームがこの5年間でどれだけスマートになったかを考えると、あなたが思っているよりもその実現は近いのかもしれません。

テクノロジーは急速に発展しています。近未来の都市は今日のそれとは大きく異なるものになるかもしれません。これらの都市の設計や計画、さらにはIoTデータのビジュアライゼーションを通して都市管理を支援する際には、リアルタイム技術が大きな役割を果たすことになるでしょう。
 

Aerometrex は、スマートシティ開発の最前線に立つ企業のひとつです。航空画像とマッピングを専門とし、デジタルツインとスマートシティ アプリケーションの開発に使用される都市部の3Dモデルを作成しています。 

同社は、リアルタイム建築ビジュアライゼーション ツール「Twinmotion」を活用し、固定翼機やヘリコプターを使用して撮影したフォトグラメトリーデータを基に、アデレード市とその周辺地域(約1,000平方キロメートル)の3Dモデルを作成しました。

デジタルツインとスマートシティ  

Fabrice Marre 氏は、Aerometrex 社の研究開発チームを率いる地理空間イノベーションマネージャーです。Marre 氏の役割は、地理空間産業およびそれ以外の分野における既存および新興の3Dビジュアライゼーション技術の動向を把握することです。 

Marre氏は Unreal Engine を何年も前から使用しており、この技術のフォトリアリスティックなレンダリングを活用して、フォトグラメトリーから生成された3Dモデルを可能な限り最も魅力的でリアルな方法で紹介しています。 「Unreal Engine のビジュアル品質は並外れていますが、非常に大きなアセットに対して高品質のコンテンツをすばやく作成するには、ある程度の経験が必要です」と Marre 氏は述べています。
 

Marre 氏は、Unreal Engine のメーカーである Epic Games が高速で使いやすい建築ビジュアライゼーション ツールである Twinmotion と提携したことを知り、興味をそそられました。Marre 氏が特に関心を持ったのは、行きつ戻りつ反復しながら素早く結果を出すことができる能力を秘めた、複雑な環境をリアルタイムで設計する可能性についてでした。「自分たちの大規模な3Dデータで試してみるまでは時間の問題でした」とMarre 氏は述べています。

Marre 氏は、オーストラリアのすべての主要都市の大規模な3D都市モデルをキャプチャして生成することを目的とした Aerometrex の毎年の内部キャプチャ プログラムでそのチャンスを得ました。これらの 3D 都市モデルは、デジタルツインおよびスマートシティアプリケーションの基盤データとして使用されます。新しい建築物や建物の設計を3Dモデルに統合して、コミュニティの協議、エンジニアリング作業、計画、太陽シミュレーション、 視線の評価に使用されます。

フォトグラメトリー キャプチャとリアルタイム ビジュアライゼーション 

Aerometrexは、フォトグラメトリー技術を使用してキャプチャされた3Dモデルを提供しています。固定翼機に取り付けられた大判カメラを使用して、Marre 氏と彼のチームは、同社の本社があるアデレードとその周辺地域の大規模な3Dモデルをキャプチャして生成しました。また、ヘリコプターのプラットフォームからより高い解像度で中央ビジネス地区(CBD)エリアの 3D 都市モデルをキャプチャして作成しました。 

生成された3Dモデルは、手動での仕上げプロセスを経て、ジオメトリとテクスチャのアーティファクトを取り除きました。これらのモデルは、さまざまな詳細レベルのタイルに分割され、OBJ や FBX を含む多くの3D形式でエクスポートされました。 3D 都市モデルを Twinmotion に統合するために、チームはマージされた OBJ タイルで作成された複数のオブジェクトを作成し、フォーカスしたエリアから離れるほど詳細レベルの低いタイルを使用しました。
 

チームは、Twinmotion のライブラリからアセットをドラッグ&ドロップして都市モデルを作成しました。これらのアセットは、 Quixel Megascans のアセットと購入したアセットで補完されました。「ライティング、パーティクル、大気効果のリアルさとクオリティの高さ、そして、Twinmotion の膨大なアセットライブラリを利用することで、どれほど簡単に静的な3D都市モデルに命を吹き込むことができるかということには驚かされます」と Marre 氏は述べています。 

リアルタイム技術がもたらすクリエイティブ プロセスにおける超高速のフィードバックループによって、Marre 氏は、3D都市モデルを修正、強化し、その結果をリアルタイムで確認することができました。「非常に大規模な3Dデータセットを扱うことができることを実証し、最新の3Dプロジェクトのすべてに Twinmotion を使用したビデオ制作を開始しました」と Marre 氏は述べています。「Twinmotion は、プロジェクトの観点からもマーケティングの観点からも、私たちのワークフローの一部になっています。」
 
「ライティング、パーティクル、大気効果のリアルさとクオリティの高さ、そして、Twinmotionの 膨大なアセットライブラリを利用することで、どれほど簡単に静的な 3D 都市モデルに命を吹き込むことができるかということには驚かされます。」
- Geospatial Innovation Manager Fabrice Marre

都市規模のプロジェクトを扱うための戦略

これまでの Twinmotion は、これよりも小さなプロジェクトに使われるのが一般的でした。大規模なプロジェクトであれば、サッカースタジアムや住宅地の一部のビジュアライゼーションなどが考えられます。Aerometrex が示しているように、Twinmotionにはそれよりもはるかに大きなスケールで環境を視覚化する機能があります。 

しかし、都市全体を視覚化するような野心的な取り組みには、それなりの課題があります。「非常に大規模なデータセットを扱う場合、明確なデータ管理とアセット制作戦略、そしてワークステーションの限界を十分に理解することが不可欠です」と Marre 氏は説明します。「大規模な3Dモデルを一度に読み込むことはできません。データを分割し、マージし、管理可能なアセットに分割することが鍵となります。」

巨大な都市環境は、巨大な3Dモデルになります。ワークステーションの負荷を軽減するための戦略を立てることは不可欠です。 「Twinmotion は現在、詳細レベルの動的ロードをサポートしていないため、アデレード市の場合、中央ビジネス地区(CBD)に高解像度の 3D モデルタイルを使用し、それらをマージしました」と Marre 氏は説明します。 「次に、CBD の周りの低解像度タイルのリングをマージし、CBD から離れるほど詳細レベルの低いタイルを使用しました。」
 

また、特定の視点からは見えない3Dモデルの個々のブロックを手動で非表示にしてRAMを解放し、リアルタイム体験を向上させました。

このプロジェクトの成功により、Twinmotion は Aerometrex 社のパイプラインに不動の地位を得ました。「ドラッグ&ドロップ機能、テクスチャ管理、豊富なリアルアセット ライブラリ、カスタマイズ可能な植栽アセット、環境設定などの機能により、フォトリアリスティックなビジュアルを簡単に作成することができます」とMarre氏は説明します。「これらすべての利点を考慮すると、Twinmotion は群を抜いていると思います」と Marre 氏は述べています。

Marre 氏によると、Twinmotionは、高品質の動画を素早く簡単に作成するためのツールとして使用していく一方で、Unreal Engine は、アセットのイテレーションやインタラクティブな VR 体験の開発など、より高度なアプリケーションに特化していくとのことです。「リアルタイム技術が業界全体のイノベーションの原動力になることは素晴らしいことです。私にとって、地理空間産業の一部を加えることは非常にエキサイティングなことです」と述べています。
Image courtesy of Aerometrex
「リアルタイム技術が業界全体のイノベーションの原動力になることは素晴らしいことです。」
- Geospatial Innovation Manager Fabrice Marre

未来のスマートシティ開発

明日のスマートシティは、今日のデータセットの上に構築されます。その基盤は物理的なものと同様にデジタルであり、大規模な都市環境はリアルタイム ビジュアライゼーションを用いて設計、管理されることになります。「これらのリアルタイム環境は、デザインを発展させ、シナリオをテストし、将来の都市がどのように見えるかについて明確なビジョンを伝えるための正確な基盤を提供します」とMarre氏は述べています。

インタラクティブ3Dは世界共通の言語です。それは、複雑な仮説を素早くテストし、ライティングや気象条件を動的に変化させ、静的なモデルに命を吹き込み、リアルなビジュアライゼーションを実現するツールを提供します。

建築や都市デザインのコンセプトは、限られた空間の中で単独で視覚化することができますが、大規模な都市環境は、プロジェクトにコンテキストを追加し、既存の枠組みにとらわれない思考を促すことができます。大規模なコンテクストの3Dデータは、デザインに焦点を当てるだけでなく、デザインがその環境にどのように適合するかをリアルにシミュレーションすることも可能にします。
Image courtesy of Aerometrex
アデレード市のプロジェクトでは、Aerometrex社は、都市スケールのビジュアライゼーションを迅速に作成するための新しい選択肢を発見しました。「Twinmotionは素晴らしいツールであり、小規模な環境に限定すべきではないと思います」とMarre氏は述べています。「Twinmotionは非常に大規模なデータセットをロードし、大規模なデザインの視覚化のためのソリューションを提供し、新しい市場へと拡大する能力を持っています。」

未来の都市空間に興味を持っている私たちにとって、Aerometrexは、その開発に役立つ大規模環境データセットの魅力を見せてくれました。 

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