2017.4.15

お約束パターンが通用しない流血系ホラー Last Year

作成 Stu Horvath

 Until Dawn –惨劇の山荘- は、ホラー映画のお決まりパターンが多くみられた作品でした。ホラーファンでなくても、文化的 DNA の仕業により、何が起こるのか正確に分かってしまうのです。2 人の友人が殺された日からちょうど 1 年後、若者達は吹雪の中のスキーリゾートに閉じ込められてしまいます。そしていろいろな事が起こります。判断ミス、未成年の飲酒、起こるはずのないこと・・・最後に血みどろの殺人。

もし Until Dawn が映画作品だったら、私はまったく内容を覚えていなかったと思います ( Wrong Turn に似ていた気がします。確か交通事故で奇跡的に生き残った子供達を殺す死に神の話でしたよね?)。重要なのは、 Until Dawn はビデオゲームという点です。クリシェ (お決まりパターン) に気を取られることがなかった分、ずっと不安な気持ちでした。ハラハラドキドキの 20 分長。ゲームプレイを終えて、PlayStation を切り、電気を付けた時、どんなにほっとしたことか。

つまらないと思っていたクリシェがまた効果を発揮したのはなぜでしょう?答えは簡単です。私という主体性の関わり方の変化です。映画の場合、中で起こっていることに対して私は制御できませんが、 Until Dawn では私に罪があります。巨大な回転のこぎりが腰まであと数センチに迫っている Rami Malik のように、登場人物がそのシーンにいるのは私の判断です。彼を救うことができなかっただけでなく、彼の前に差し迫っている残忍な死はすべて自分の責任だという事実を強く印象づけました。

Until Dawn がホラーゲームのクリシェを見事に斬新化したことで、Elastic Games 制作の Last Year におおいに期待しています。

Last Year は 6 名で遊ぶ非同期式ホラーゲームです。ごく普通の高校生 5 人と殺人鬼が 1 人です。殺人鬼は高校生達を見張り、こっそり後をつけ、装備し逃げる前に待ち伏せして襲います。映画とは違う点は、高校生が結集し、武器もその場しのぎで作り、犯人との形勢逆転もあり得るのです。

デザイナー兼プロデューサー James Wearing 氏、リード プログラマー Charles Goatley 氏、リード アーティスト Alex Halchuk 氏、ゲームプレイ プログラマー Nicholaos Mouzourakis 氏からなる主要 4 チームは、 Hitman Go、 Hitman Sniper、 Lara Croft Go、 Far Cry 3  を始めとするモントリオールのゲーム開発現場で共に幅広い経験を積んできました。

Last Year は、エピック ゲームズの Dev Grant を獲得する前に、2014 Kickstarter および Canada Media Fund から初めて資金を獲得しました。ベータ版の詳細とリリース日は近々発表されます ( Facebook でゲームをフォローして最新情報をチェックしてください)。それまで待ちきれない皆さんのために、ここまでのプロジェクト、そして血も凍るような恐ろしさを作り出す秘密について James Wearing 氏にお話を伺いました。

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まず最初はベタな質問から。好きなホラー映画な何ですか?

 クレイジーでありながらも、ユニークさはこのジャンルでだんとつのキャビン (Cabin in the Woods) ですね。この映画から、別の役割を担う複数の犯人を存在させるアイデアがひらめきました。訪問者の結末を誘導する方法も、この映画に出てくる研究施設の男達をヒントにしたのです。彼らはどのような血祭りをいつ起こすのか誘導する環境を作り上げていたのです。しかもそれが、とても面白そうに見えるのです。そこで私もこのワクワク感を少し取り入れて、殺人鬼役のプレイヤーが高校生達を手の平で転がす仕組みにしてみました。単純に殺すよりも、罠におとしいれた方が満足度はアップしますよね。

Last Year は明らかに流血系ホラーですが、魅力はどこにあるのでしょうか?

私は Scream、 The Faculty 、 I Know What You Did Last Summer といった90 年代後半のホラーおよびスリラー映画の影響を受けました。高校や郊外の近所など、自分が育った思い出のある位置へプレイヤーを連れていくことが我々の目標です。子供の頃、ショッピングモールに一晩閉じ込められたり、閉まった後の学校のホール内を派手に駆け回ることに憧れたものです。 Last Year では、この郷愁の念と高校生の流血系とうまく融合させました。

ホラージャンルでは、いわゆる「あるある」や比喩表現が付きものですが、お気に入りはありますか?これらはなぜ必要なのでしょうか?ホラーを楽しむ要素の 1 つなのでしょうか?

比喩は Last Year では重要な機能です。例えば、高校生がどんなに遠くに逃げようとしても、殺人鬼は常に彼らを捕まえてパンチをくらわします。これは我々が開発した Predator Mode という機能です。殺人鬼としてプレイする場合、姿が見えないようにして、環境を超高速で移動し、高校生達を常に見張っていることができます。視線に入ったり、他人に近づきすぎない限り、スポーンして攻撃することができます。例えば、窓、壁のひび、排気口、偽の扉といったオブジェクト内からスポーンすれば、背景を武器として使用することもできます。 Last Year では、背景は犯人にとっても同じくらい脅威です。プレイヤーは自分の周囲に気を付けなければなりません。

1 人 vs 多数の非同期式マルチプレイヤーは、新しいゲーム スタイルでもあり、流血系ゲームにはもってこいの設定だと思います。扱いやすかった点、そして苦労した部分はありますか?

このゲームで一番良かった点は、圧倒しすぎず、また制止不可能でもないバランスです。チームワーク、リソース収集、運がうまく混ざることで、高校生達は殺人鬼を倒すことができます。なんとも言えないやりがいを感じられるはずです。殺人鬼役の場合でも同じです。高校生達を出し抜けに攻撃するのではなく、正しいタイミングで攻撃する戦略と計画を練る必要があります。さもなければ、反撃のリスクに直面します。

まさに紙一重のさじ加減ですよね。殺人鬼が複数いる場合、高校生達を襲うチャンスを伺いつつも、彼らに協力する振りをして逃亡手段を探ることもできるのですから。 Last Year のセッションでで理想的に進んだ部分、また苦労した部分についてついて教えてください。

プレイテストでは、殺人鬼の勝利率は約 50% でした。代表的なプレイ セッションは高校生達が狭い場所で武器を作成するところから開始しました。このウォームアップの段階において、殺人鬼は罠を仕掛け、背景をいじることができますが、スポーンはできません。アクションを開始すると、殺人鬼はスポーンが可能となり、高校生は逃げるのか、あるいは装備して犯人と正面対決するかを決断します。

つい先日のプレイテストでは、4 人の高校生が野球バット 4 本を使って、倉庫に閉じ込められている友人の救出に成功しました。素晴らしい瞬間でした。高校生チームが救出のために倉庫に侵入した時に、殺人鬼も一緒に入りました。殺人鬼の誤算は、彼らが完璧装備していることをほとんど知らなかったことです。高校生達はドアを閉め、殺人鬼を閉じ込めて、4 人がかりでボコボコにして殺人鬼をやっつけました。

 予期せぬ出来事 - それが Last Year が持つ唯一無二の楽しみです。これがゲームプレイ中、常に起こる可能性があります。殺人鬼が高校生達の装備に関する情報を持っていたら、別の攻撃戦略を使っていたでしょう。

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 Last Year はクリシェを活用して制作したそうですが、これらのクリシェの選定、組み合わせ、再評価のプロセスについて教えてください。

イタレーションとテスティングを何度も重ねました。ゲームプレイに使用するクリシェは、美的感覚を満たすだけではなく、ゲームプレイにプラスになるものを選んでいます。これはいけそうだと思った仕組みがあれば、まず話し合い、ゲームを邪魔したり台無しにしないか、あらゆるシナリオを考えるます。もちろん、他の機能を高めたり相性の良い部分も検討します。アイデアを出す段階で見込みのある機能については、すぐにプロトタイプをビルドしチームとテストします。

クリシェを使ったことで、ゲームはどのように変わりましたか (映画で使用した場合と比べると)?

ゲームの他の仕組みと一緒に使うためには、クリシェは動的かつ登場頻度が高く、1 回だけのイベントと結びつきのない機能である必要があります。つまり、クリシェ ベースの仕組みは、美的感覚とゲームバランスの両方の視点から再利用性が高い必要があります。映画シーンも参照しません。

Predator Mode 機能では、例えば、殺人鬼の姿が見えないこともありますが、彼がそこにいて、自分を常に見ていて、自分を襲う絶好の機会をうかがっていることは分かります。これが、ゲーム中ずっと持続するコアの部分です。一方、現実ではたった 1 度だけしか発生しないクリシェが、プレイ中に 5 分間で 20 回も出てきたら興ざめです。このようなケースでは、逆に回数を抑えるようにしています。

私達は、お決まりの流れがあり、スクリーム (Scream) のような殺人ルールがあり、ありがちなパターンで出来事が分かり、さらにカタルシス効果が得られるようなホラー映画を楽しんでします。自分のゲームはこの法則に当てはまりますか?あるいは、インタラクティビティにより、クリシェは再び恐ろしい存在になりましたか?

 Last Year ではルールを設定していますが、プレイヤーは自分で運命を決定します。その意味で、インタラクティビティによってプレイヤーが結果を決定する方法が変わります。何が起こるのか分かりやすいように、ゲームの部分によっては「安全な」時と「安全ではない」時が分かるパターンを使うようにしています。目標を定めて、それに向かって進めるようにハイレベルでペース調整をしています。(驚きなど) その時々のゲームプレイは 100% プレイヤーに決定させています。実際の結果と出来事が、自分が知っているはずのテーマと展開内容とは常に異なります。

 Last Year の Kickstarter は大成功でしたね。キャンペーン中に、ゲームまたはゲームに対する人々の期待について驚いたことなどありましたか?

キャンペーン開始後は、できる限りプロモーション活動を行ったものの結果は伸び悩みました。中盤からキャンペーンでの画像を Imgur にアップしたところ、すぐに Imgur のトップページになりました。これが波及効果となって、9gag、Dorkly 他、数々の差異とに掲載されました。その途端、支援が爆発的に増え、目標に到達しました。ファンと直接つながるを、キャンペーンの流れがこれほどまでに変わるのかと本当に驚きました。ファンの方々の支援に開発中おおいに助けられました。ここまで来られたのも、ファンのみなさんのお陰です。

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Last Year の開発に UE4 を使用してみていかがでしたか?デザイン関連の問題の原因になったこと、または解決に役立ったことはありますか?

 我々は Last Year を興奮するユニークなゲームプレイにしたかったので、ブループリントを使用してそれを実現することに決めました。作りたいものを可能な限りプレイすることは、自分の長所や欠点を洗い出す上で非常に重要だと感じています。弊社の中で最も経験豊富なプログラマーでさえ、ブループリントを使うと様々な場面において時間短縮になりました。面白いゲーム メカニックがあれば、それを取り入れて、C++ とイベントに入れて汎用にしてみました。

ほとんどのツールはアーティストがすぐに使える状態だったので非常に便利でしたし、ホラーゲームに欲しいような雰囲気づくりに大きく前進することができました。レベルはある程度仕上がっていましたが、ライティングを少し調整して、ポストプとセスとパーティクル処理を加えるだけで、見栄えがぐんと良くなりました。今の我々が持つ創造性をマックスまで引き出しくれました。そして、我々のファンが待ち望んでいる怖い映画品質を実現できるようにしてくれました。

Unreal Dev Grant を獲得してからの変化を教えてください。どのような事に役立ちましたか?

これまで作ってきた作品を応募して、エピックから補助資金を頂きました。ゲームで可能性と興味を共有できて本当に嬉しいですし、補助資金を獲得できて我々は幸運でした。仕事を継続する上で、賃貸、備品、その他諸経費の支払いなどの面で、心強いサポートとなりました。エピック ゲームズが我々に差し伸べてくれた支援に対して、どんなに感謝しても足りませんん。

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