2015.1.19

『モータル コンバット X』は戦い抜く

作成 John Gaudiosi

Warner Bros. Interactive Entertainment がデベロッパーの NetherRealm Studios を獲得する以前から、『モータル コンバット』の制作者たちは、エピック・ゲームズのアンリアル・エンジン 3 テクノロジーを採用して、凄まじい迫力で格闘ゲームファンを魅了してきました。シカゴを本拠にするチームがシリーズ 10 作目となる (さらに、次世代コンソール向けの初めての作品でもある) 『モータル コンバット』を制作する過程で、NetherRealm は UE3 に対して新たな開発を多数加えました。そのおかげで、UE3 のテクノロジーはその限界にまで達しました。

「私たちは、アンリアル・エンジンを改造して以来数年経ちます」と語るのは、NetherRealm の クリエイティブ ディレクター兼『モータル コンバット』シリーズの共同クリエーターである Ed Boon 氏です。「今ではもう私たち独自のプロプライエタリなエンジンと言ってもいいくらいです。私たちには改変すべきことが多数ありました。これは、2 体の大型キャラクターが画面上に置かれ、なおかつ、60 fps で表示し、さらには、環境が格段に限定されたものであったためです。ファーストパーソン シューティング ゲーム等とは随分違います。数年かけて自分たちのニーズに合わせてカスタマイズすべき条件がありました。ですから、今ではこのエンジンが非常に使い勝手の良いものになったのです」

前作の『モータル コンバット』は、20 年に及ぶ本シリーズの歴史の中で最も売れました。NetherRealm は、エピックからゲーム エンジンをライセンスすることによって創造に注力することができたのです。

「実際に上手くできている少数の方なら分かると思いますが、グラフィック エンジンを作ることは複雑です。ですから、アンリアル・エンジン 3 をライセンスすることによって、私たちは莫大な恩恵を受けました」と Boon 氏は言います。「本当に難しいことなのです。最初私たちはエピックから多大な援助を受けました。この格闘ゲームを作成するためのサポートを通じて、エピックは実に助けれくれました。しかし、ある時からエピックからビルドを得るのを止めて、私たち独自のバージョンのアンリアル・エンジンを使うようになっていったのです」

Finish Him

『モータル コンバット X』は、次世代コンソール Xbox One および PlayStation 4 のための同シリーズの最初の作品となります。2015年4月15日のリリースでは、PC、PlayStation 3、Xbox 360 版も発売されます。

「私たちは、次世代グラフィックスを同じゲームにかぶせるだけでは満足できませんでした」と Boon 氏は言います。「できるだけ多くの新要素を加えたかったのです。プレイのメカニクスにはかなり大規模な変更があります。各キャラクターにはバリエーションもできます。また私たちは、新キャラクターをできるだけ多く加えようとしました。X-ray move やブレイカーは健在です。super move は強化されました。前作で活躍した機能と新しい機能がパーフェクトに結合しているのです」

このゲームでは、映画的な表現とまったく新たなゲームプレイが結合させれることによって、史上最も残虐な戦闘エクスペリエンスが提供されます。両者が完全にミックスされたエクスペリエンスが得られることによってプレイヤーは、持続的なオンライン上の戦いに巻き込まれていきます。支配権をめぐる地球規模の闘争が展開される中、1 つ 1 つの戦いには意義があります。プレイヤーは、Scorpion、Kano、Raiden、Sub-Zero といったお馴染みのキャラクターが出てくるオリジナルのストーリーに入って行きます。その一方で、善悪の力の象徴であり、ストーリーの紐帯となる D’Vorah、Ferra/Torr、Total Kahn といった新たなチャレンジャーも導入されます。『モータル コンバット X』では初めてプレイヤーが複数のスタイルをもつキャラクターから選べるようになり、戦略と戦闘スタイルが影響されることになります。

「通常の戦闘ゲームでは、着ているコスチュームや画面上でできることによってキャラクターが定義されます。しかし私たちは、キャラクター 1 体につき 3 つのバージョンを用意します」と Boon 氏は教えてくれました。「たとえば、忍術バージョンの Scorpion は、背中に刀を背負い戦闘中に使います。このバージョンだけが刀を使うことができ、それに固有な動きを取ることができます。ヘルファイア バージョンの Scorpion は、火をモチーフとした動きを取ります。火の玉を撃つことができ、地中から火を取り出して自分自身を燃やすことができます。地獄バージョンの Scorpion は、凶暴な手先を召喚することができます。ゲームに登場するどのキャラクターにも 3 つのバージョンが用意され、それ独自の動きを取ることができるため、ゲームで起きることには多様性がもたらされることになります」

また NetherRealm は、これらの巨大なキャラクターのスクリーン上における見栄えを向上させ、キャラクターの新たな動きを流れるように表示させようとしました。Boon 氏は、チームがアンリアル・エンジン 3 を使って 1080p / 60fps のスピードを維持することができたと言っています。これによって、美麗でインタラクティブなステージが切り開らかれたのです。

「私たちは、プレイヤーにキャラクター自身を活用してもらおうと思いました。プレイヤーは、特定の物からジャンプしたり、枝にぶら下がってスイングしたり、環境内にあるさまざまなポイントが利用できるようになります」と Boon 氏は言います。「それぞれには戦いで役割があります。環境はそれぞれ異なる外見と役割をもちます。独自の性格をもっています。たとえば、雪の森ではプレイヤーが空中に飛び上がり、さらに木から飛び跳ねてダブルジャンプすることができます。あるいは、木の切り株から飛び跳ねて枝にぶら下がり人を狙うことができます」

Chained Up

洞窟ではプレイヤーが水攻めにあった時に壁を駆け上がることができます。あるいは、丸太を投げてせき止めることができます。また、水の中から死体を引っ張りだして敵に投げつけることができます。Outworld 市場の中央には、プレイヤーが飛び降りることができる大きなトラがいます。バーベキューをして敵に石炭を投げつけることができます。Boon 氏は、これらのインタラクティブな要素というものが主にキャラクターを活用し動かすためにあると言っていますが、発射物を使える場合もあります。これらによって、戦いに思いもよらないゲームプレイがミックスされることになります。

『モータル コンバット X』は EVO や eSports のコミュニティで人気が高く、Boon 氏とチームも完璧なものに仕上げるべく、多大な時間を投入して格闘メカニックを調整してきました。プロのゲーマーにとっても一般のプレイヤーにとっても有り難い話です。

「Esports には一種恐ろしい面があります」と Boon 氏は語ります。「ゲームのバランスに神経を使い、チートが入り込むすきがないように細心の注意が必要となります。片方のチームにほんの少し大きなバスケットのリングを作ってしまった場合のことを想像してみるとよいでしょう。生活がかかっている人がいるのですから、あらゆる点において可能な限り平等である正規のリングを作らなければならないのです」

初めての次世代型対応となるこの『モータル コンバットX』 10 作目がリリースされる 2015年に格闘ゲームファンは、新たなフェイタリティを多数見ることになるでしょう。本作は、アンリアル・エンジン 3 採用のゲームのうちで次世代型に対応する数少ないゲームのひとつです。

最近の投稿

Andy Serkis 氏、アンリアルのビデオゲーム技術の進化を語る

アンリアル エンジン 4 採用の『Planet of the Apes:Last Frontier』の発売により、フォックス映画シリーズものが遂にイン...

Stonehenge VR SANDBOX でインスピレーションを形にする

VR を体験してその可能性を感じた Jessica Villarreal 氏と Christian Bretz 氏は、VoyagerVR を共同で設立...

新しい視点でつくられた海戦ゲーム Maelstrom

アーケードスタイル アクションに大規模なカスタマイズ機能とファンタジーから得たインスピレーションを融合させて、これまでの海戦バトルの概念を覆すのが狙い...