2016.7.25

灼熱の消防シミュレーター、『Firefighting Simulator』

作成 Jeremy Peel

消防署の仕事は、警報ベルが鳴り響く中、消防車の駐車区画に向かって駆けつけることから始まります。西海岸の街らしき場所に向けて、消防車を迅速かつ安全に運転し、火災発生元を目指します。

救急サービス担当者が、消防隊員の状況を更新します。プレイヤーが駐車したら車両から降りて消火準備をし、消防車を給水源に差し込んで、消火活動の手順を決めます。おそらく建物内に人がいます。彼らは、命懸けのシミュレーションの対象です。このシミュレーションは、高度なシステムで、炎、煙、蒸気の広がりを模倣し、温度と水のエフェクトを追跡します。ここから先は、プレイヤーと AI の同僚、そして炎だけの世界になります。プレイヤーのあらゆるアクションが、炎の広がりの経過を変えて、息が詰まるような狭いサンドボックスでの結果に影響を与えます。

その後、運転して帰路につきます。結局のところ、消防は仕事です。

「出動と次の出動の間の待ち時間や、消防署内で過ごす待機時間はシミュレーションしません」とデベロッパーの Chronos Unterhaltungssoftware のクリエイティブ アート ディレクターである Gregor Koch 氏は語ります。「しかし、火災発生時の消防隊員の実際の活動をシミュレーションしています。」

素晴らしいアイデアですよね。Chronos は、米国のヒーロー的消防文化の世界に踏み込みました。ピカピカのヘルメットやトラック、サイレンを鳴らしながら走る米国の街並みを一人称視点または三人称視点で制作しました。特定の都市ではありません。Google のストリート ビューをかなりの時間を費やして眺めたり、前回の GDC の時にサンフランシスコを歩き回ってみましたが、実際の都市にするのはうまくいかないと考えました。代わりにグリッド ベースの都市として西海岸的な特徴を寄せ集めて詳細な地図に示しました。

モジュール式の道路で区切られた街区には、主要道路とダウンタウンへの狭いアクセス ルートがあります。それ以外に、建物構築システムでは、平面図と建造物を生成します。

「これにより大きめの都市を新たな取り組みや労力なしで、構築するメリットがあります」と Koch は説明します。「近郊エリアには、スプライン ベースの道路を使うことを基本にしたシステムを実装しました。」

網目状のスプライン以外に、都市には認識できる建物や目印になるものが点在し、新米消防士を助けるオリエンテーション ツールになります。もちろん、燃え上がる建造物に入ると、圧迫感のあるサンドボックスに直面します。

「プレイヤーは炎の威力に圧倒され、任務を遂行しながら成功の見込みに立ちすくむことでしょう」とリード プログラマーである Tim Meyer 氏は警告します。

Chronos は、緊張感あふれる危険な瞬間が自然に発生するようなシナリオを作っています。通常は、市民がトラブルに巻き込まれ、プレイヤーがヒーロー的な無鉄砲なぎりぎりのやり方で市民を助けようとします。こうした瞬間には、プレイヤーは通常炎に囲まれます。

目的もなくリスクをとるのは、消防シミュレーターの基準から考えると反感を買います。命を助けるよりも身を危険にさらす行為は、ミッション後に素晴らしい成果を台無しにします。

「火災やそれに伴う危険について虚偽の物語や、危険な教えをプレイヤーに押しつけるつもりはありません。これはジョブ トレーニングのシミュレーターではありませんが、できる限り現実に近いものにしようとしています」と Koch は語ります。

そのために、Chronos は UE4 の視覚効果が持つポテンシャルを最大限活用し、シミュレーション データを炎の色とサイズに結び付けました。温度や他の要因によって、どの程度の熱変形や煙をプレイヤーが目にするかを決めます。こうしたフィードバックによって、特定のシナリオでプレイヤーがどのように反応するかが決まることがあります。

「全体的に、炎と戦っている間は適切なフレーム レートでリアル タイムな側面を保ちながらも視覚効果がリアルになるようにしています。液体のシミュレーションと水の広がりはどちらかというと難しいタスクであるため、演算処理しますが、プレイヤーが何が起こっているかがわかる程度に液体の視覚表現を制限しています」と Koch はさらに説明します。

Chronos では、課題に対して多様な解決策を与えています。非常に狭苦しい燃え上がるビルでもプレイヤーが色々試したり、自身の戦略を見つける余地を与えます。これ以外に、co-op マルチプレイヤーの計画もあります。複数のプレイヤーが AI の同僚の代わりを務めます。

急成長している Steam のシミュレーション セクション は、頻繁に訪れる場所ではないかもしれません。しかし、そろそろ 『Far Cry』 の放火から卒業して、動的炎に対する理解を活かすときではないでしょうか?

Firefighting Simulator は、 2017 年にリリース予定です。 

編集注記: PCGamesN は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。

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