2016.8.2

VR ゲーム、『The Collider 2』の制作背景

作成 Jeremy Peel

レースゲームをプレイすると、スピード感を出すために、モーション ブラー、カメラ シェイク、カットのサウンド、視野のシフトなどベロシティをシミュレートするようにデザインされた多くの錯覚の影響を受けます。しかし、ひとたび Rift や Vive のゴーグルを装着すると、こうした錯覚は不要になります。

「まさにそこにいるという感覚があり、障害物が顔のすぐ横を加速して進んでいきます」と、Shortbreak のリード プログラマーである Jacek Malyszek 氏は説明します。「どれくらい速く自分が進んでいるかがはっきりとわかります。エフェクトを追加すると、こうしたプレゼンスの感覚に反してしまいます。」

『Collider 2』 は障害物や危険なレーザー攻撃を何とか避けながら宇宙船内の狭い通路を通り抜けるゲームです。このゲームはフライト シミュレーターに飽きて、命懸けのスリルを求めて飛行して地面に接近しすぎたりした方々のために、54 のミッションがあるゲームに作り直したものです。

ほぼ同じような 『Collider 1』 がありますが、どちらかというと 『Super Hexagon』 を思い起こさせるアブストラクト設定になっています。

 

「アブストラクト ゲームには特有の課題があります」と Malyszek は説明します。「ゲームから見た目の楽しみを取り除いて、ひたすらゲームプレイに焦点をあてます。このようなゲームで成功するには、斬新で非常にバランスのとれたものにしなければなりません。」

それこそ、Techland の独立系スタジオ Shortbreak が行ったことです。パーティクル アクセラレータ、通路などになる明るい色合いのチューブを通って一人称視点に突入する魅力的なゲームを作りました。『Collider 1』 は Steam のユーザー レビューで非常に好評 (‘Very Positive’ ) でした。しかし、チームが続編を作るべくヘッドセットを装着した後、そのアブストラクトの基盤を放棄することにしました。

「VR では、メニュー画面に遭遇しても、中途半端な状態ではなく実際の場所にいるような感覚を得たいでしょう」と Malyszek は考えています。「この続編では話の背景を少し付け加えたいと思いました。背景によって、プレイヤーが最終的な目標を定め、実際に現実世界にいるかのような感覚を得ることができるようにしました。」

単にシリンダー状の通路を高速で通り抜けるだけでなく、戦闘機でリアクタを破壊し、機密データを敵の機体の通気口から取り出します。最後には、自分の惑星の上に浮かぶ巨大な母艦を破壊します。Shortbreak のスタッフは、スターウォーズのデス スターと言われても気を悪くしません。

「設定について考えていたとき、みんなの頭に最初に浮かんだのは、『Trench Run』 でした」と Malyszek は説明します。「なるべくしてそうなりました。我々のほとんどはスターウォーズ世代ですから。『The Collider 2』 をユニークなものにし、他のヒット作を連想させるようなものにしないように努めました。しかし、コンセプトの核となるのは小さな者が大きな者を倒す戦いを宇宙船でするというものです。

VR で窮屈な宇宙を飛行すると、すぐに酔いを起こすのではないかですって? 全然そんなことはありません。Shortbreak では、頭の動きを方向に変換する制御方法を選び、「人為的制約やスムージング」はありません。

障害物を避けて実際にプレイヤーの頭がトンネル内にあるかのような感じがします。プレイヤーの脳がそれを受け入れて混乱しない程度に十分自然に感じられます。」

スタジオ内の体験では加速してもシミュレーション酔いはそんなには生じません。加速しすぎない限り、テスターを動作不能にすることなく、ベロシティを好きなだけ上げることができます。

「シミュレーション酔いの科学について詳しく説明するつもりはありませんが、人間の平衡感覚がどのように機能するかに関わりがあるようです」と Malyszek は考えています。「耳の三半規管が速度ではなく加速を感知しているのです。」

VR デベロッパーの仕事は、プログラマーである Malyszek が認識しているように、プレイヤーの顔に対するあらゆる飛行の感覚を、その平衡感覚に対応させることです。

「急速に加速する車からの景色をプレイヤーに見せて、それに対応する加速を感じることができないと、あっという間に頭が混乱します」と Malyszek は説明します。「しかし、車が一定速度で移動している限り、そのスピードに関係なく、問題は生じません。」

Shortbreak ではアンリアル エンジン 4 (UE4) を使って迅速にプロトタイピングできました。UE4 では Rift と Vive をサポートしていて、実装で「数か月と言わないまでも数週間」という単位でチームは時間を節約することができました。『The Collider 1』 から 2 年経たずに、この作品は Steam で好評価を得ています。

「この種のゲームは VR ではうまくいかないだろうと考えていたプレイヤーが、実際にプレイした途端に気が変わったという意見を聞くととても嬉しく思います」と Malyszek は言います。

『The Collider 2』 は Steam で入手できます。

編集注記: PCGamesN は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。

 

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