2016.4.7

ゲーム メカニクスを使ってゲーム開発の教育を支援する方法

作成 Stu Horvath

ビデオゲームでインタラクションを楽しんでいるシステム自体が、ビデオゲームの制作方法を学ぶ最適な方法の基盤になるとしたらどうでしょう? それこそまさに SUNY Sullivan の Cynthia V. Marcello 教授がクエスト ベースの学習 (QBL) プログラムでやろうとしていることです。 

Simulation and Game Development 学部を創設した Marcello 教授は、任意の RPG で基本的なキャラクターの成長を反映する一連のクエストを使ってアンリアル エンジン 4 の内部の仕組みを生徒に教える方法を考案しました。

デモの後、学生たちはラットハントのような RPG のチュートリアル クエストに相当する小さなプロジェクトに挑戦します。各クエストが他のクエストにつながり、エンジンの特定の機能に結びつきます。クエストを完了すると、学生は XP (経験値) を与えられてさらに大きなグループ プロジェクトに参加することができます。バッジをもらい、クラス内のリーダーボードのランクが上がります。

これらはビデオゲームのプレイにある程度の時間を費やしてきた人にとっては、馴染みのあるものです。同じシステムがビデオゲーム制作に役立つというのは、ある意味、非常に運命的なものを感じます。

Marcello 教授が、彼女の仕事、ゲーミフィケーションに対する考え、クエスト ベースの学習プログラムの開発について語ってくださいました。

ご自身について少しお聞かせいただけますか? どのようなきっかけでビデオゲームと関わることになったのでしょう?

 

Marcello 教授: Lehigh University の学生だった頃、いろいろなことに関わっていました。心理学を専攻し、コンピュータが人間の行動に及ぼす影響について常に関心を持っていました。研究中にビデオゲームが成人および子供の行動に及ぼす影響に関するリサーチ プロジェクトをいくつか行いました。同時期に Lehigh で研究中に、コンピュータ コンサルティング ビジネスも始めました。プログラミング、ソフトウェア開発、データベース開発を含む様々なサービスを提供する会社です。

 

情報技術の優れたビジネス ケースを作ることができるように、学校に戻り、MBA (経営学修士) を取得しました。ビジネスは続けましたが、リサーチも大好きで学校に戻って 2010 年にInformation Systems and Technology を専攻し、Doctor of Management (マネージメント博士号) を取得しました。

2007 年には、SUNY Sullivan で非常勤の仕事を始めました。教えることが好きで、これまでの経験を学生と分かち合うのが楽しいからです。結局、SUNY Sullivan でフルタイムで働くことになり、自分の専門領域に学際的アプローチ (複数の学問分野での研究) をどのように取り入れるかを考え始めました。私の目標は、右脳と左脳を可能な限りうまくバランスをとるようなやり方で統合し、多様でありながら正当なゲーム デザインの学位にすることでした。2011 年には、SUNY Sullivan で Simulation and Game Development の学位のカリキュラムを始めました。これは、学生たちにとってゲーム デザインと開発の業界で多様なキャリアに進むための最適な準備になると考えています。

広い意味でのゲーミフィケーションとその利点についての考えをお聞かせください。

 

Marcello 教授: ゲーミフィケーションは、チャレンジの段階を達成することを奨励することで、個人を引きこむことです。これには、選択要因と均衡経済という考え方を伴うため、自主性や柔軟性が関わります。報酬システムは多くの場合、多面的であり、ユーザーが関わるプロセスの魅力が増します。ゲーミフィケーションはビジネスや教育現場で役立ちますが、「みんながやっているから」やるのではなく、ゲーミフィケーション実施の目標を明確にすることが重要です。

 

例えば、目標がエンゲージメントならば、エンゲージメントが何であるかを理解するためにコンテキストに基づく明確な定義を決定する必要があります (量的、質的の両面で)。これはゲーミフィケーションのプランを作り、プランの実施結果を評価するうえで不可欠です。

8 月の SIGGRAPH で の Epic Games Unreal Education イベントで、クエスト ベースの学習 (QBL) についての考えをプレゼンしましたよね。QBL とそれを UE4 に応用する方法についてお話いただけますか?

 

Marcello 教授: QBL は素晴らしいものです。アルゴリズムをカリキュラムに合わせる柔軟性を実行する人に与えながら、ゲーミフィケーションのあらゆるメリットももたらします。UDK の指導を始めたとき、学生の能力やスキルにバラツキがあるためクラスの管理が難しいと感じました。授業で自分が進歩しているかわからず、学生がやる気をなくすリスクもありました。教授陣は、学生たちは本来モチベーションがあり、作業に情熱を傾けると信じたがっていますが、ほとんどが様々な要因のためにこうした成熟したレベルではありません。

 

UE4 が利用できるようになると、使いやすく、学生が好奇心を持ったため、学習プロセスのバランスをとるソリューションが必要だと思うようになりました。学生たちが、積極的に関与し、モチベーションを維持し続けなければなりません。彼らは、スキル習得に時間がかかる学生を待つ必要なく、学習を先に進めることができる柔軟性と教材を望みました。学生たちは、次のスキル レベルに進むための努力とやる気に対する報酬も望んでいました。教授陣の一員として、スキル レベル間の移動はタスクの複雑さに合うように管理されることが非常に重要でした。つまり、学生たちはさらに難しい学習に進む前に、一定の学習成果に達成していることを示す必要があります。

QBL では、クエストとして様々なアサインメントを提示する様々な方法を与えながら、非常に多様な学習者グループのニーズを満たすようにアルゴリズムをカスタマイズすることができます。学生からのフィードバックに基づき、どのタイプのクエストが学生にとって好ましいものであるか、またその理由を把握しました。

QBL はアンリアル エンジンでどれくらい効果がありますか? ゼロから何かを作れるようになるには、どれくらいの経験が必要ですか?

 

Marcello 教授: 信じられないかもしれませんが、アンリアル エンジンではゼロから何かを作れるようになるために経験は不要なんです! ただし、物事を理解する根気が必要です。そこで QBL の出番です。学生たちは、学んだことに焦点をあてて他の学生たちと共有することができます。さらに、学生たちは失敗を恐れなくなり、新しい技術を取り入れて、磨きをかけます。QBL を使うと健全な競争心が生まれるからです。

 

この Computer Information Systems:Simulation and Game Development のカリキュラムの目標はどんなものですか?

 

Marcello 教授:  目標は、受講者を増やし、学内でカリキュラムに対するサポートをさらに得ることです。ゲーム デザインと開発でスキルを習得するメリットがまだ十分には理解されていません。大学外のパートナーと戦略的に提携し、教育ワークショップやセミナーをキャンパスで開催することを希望します。

 

仕事のほとんどはシリアス ゲームのようですね。そうしたゲームについて、また仕事がその制作にどのような影響を及ぼすか教えてください。

 

Dr. Marcello: シリアス ゲームでは、社会問題に対応するゲーム ベースの目標に重点的に取り組みます。プレイヤーが関わる勝利条件の代わりに、シリアス ゲームは世界的な課題や問題への対処に焦点をあてます。問題解決の能力を備えた学生たちは 3 つのことを習得します。複雑な問題解決プロセスに取り組む能力、問題解決をやり遂げる自信と自己効力感 (self-efficacy、自分はできるという自己に対する信頼感)、集団の努力にエネルギーが最適な方法で向けられたときに起こる変化を目の当りにするメリットがあります。

 

シリアス ゲームが市場で大きな位置を占めるようになることを望みます。私の作品だけでなく、シリアス ゲームに情熱を持つ他の作品を通してそれが現実になると信じています。

Unreal Dev Grant はどのような経緯でもらったのですか?受賞後、変化はありましたか?

 

Marcello 教授: アンリアル エンジンを使ってカスタムの QBL システムをエンジン内に構築することを提案しました。提案が受け入れられ、受賞することになったのです。
学術コミュニティに成果を還元し、学生と学部が学習体験で成功を収めることに関わることを喜ばしく思います。90 年代からコンサルタントをしていますが、人々がゲーム デザインと開発に対する情熱を見出せるようにし、それをフォローする支援をするという高い目標を持っています。

 

最終的には、ゲーム デザインが単なる「ゲームをプレイ」する以上のものとして認められることを願います。真の意味で社会の福祉に貢献する学問分野の融合として考えています。多様で、多くの場合、分析を行う左脳と芸術的な右脳の非常に豊かな表現力で多面的な成果を挙げられるようにします。

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編集注記:  Unreal Dev Grant のUnwinnable とのパートナーシップについては、Stu Horvath の Cynthia V. Marcello 教授とのインタビュー全文 をご覧ください。またこうしたコンテンツをさらにお読みになりたい場合は、Unwinnableを購読 してください。

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