Unreal Engine でキーフレーム アニメーションを行う方法

Unreal Engine でキーフレーム アニメーションを作成したい場合、この記事が役立ちます。この記事では、まずキーフレーム アニメーションについて、次にそれを行う方法の手順を説明します。


キーフレーム アニメーションとは

アニメーションの方法を学習する過程で、キーフレーム という用語に遭遇されたこともあると思います。しかし、キーフレームとは実際のところ何なのか、そしてそれがアニメーションとどのような関係があるのかご存じでしょうか? 

アニメーションは、フレーム、一連の描画、レンダリング、または写真で構成されたもので、高速で再生することで、人間の目に連続的な動きとして認識させる技術です。フィルム ストリップ上の個々の画像を高速で再生して、動いているような錯覚を作り出すフィルム映画と同じコンセプトを持っています。
アーティストはアニメーションを作成する際、キーフレーム でアニメーションのタイミングを制御することがよくあります。キーフレームはトランジションの開始点または終了点を設定するため、その間のフレームを個別に埋めることができます。たとえば、1 秒間にわたってキャラクターの腕を上げたままにしたいとします。多くの場合、ゲームは毎秒 30 フレーム (fps) の速度でアニメートされるように作成されます。つまり、1 秒間のモーションを作成するには 30 枚の画像またはフレームが必要となります。キャラクターの腕を 1 秒間上げたままにするには、フレーム 1 にキーフレームを設定し、フレーム 30 に別のキーフレームを設定します。アニメーション ソフトウェアで作品を再生すると、これら 2 つのキーフレームの間のフレームが自動的に「埋められ」、腕を 1 秒間上げた状態が滑らかに維持されます。

アニメーションが手描きだった頃は、上級アニメーターがキーフレームを設定し、下級アニメーターが間にフレームを描いていました。コンピュータ アニメーションでは、アーティストがキーフレームを設定すると、ソフトウェアがその間のフレームを埋めます。チームで高度なワークフローを使用しており、出力をより詳細に制御したい場合、パフォーマンス キャプチャやゲーム メカニクスなどを使用することもできます。
 

Unreal Engine によるアニメート

Unreal Engine はゲーム エンジンです。元々は 3D ゲーム開発用のプラットフォームとして作成されましたが、非常に多くのアニメーション機能 (キーフレームを含む) が含まれていることから、コンテンツ作成に使用するメイン ツールとして、多くのスタジオが採用を進めています。 

Unreal Engine で最初のアニメーションの作成を開始するには、次の手順に従います。このレッスンでは、引き戸をアニメートします。また、こちらの ホットキー/設定 ガイドもご確認ください。時間を大幅に節約できます。
 

要件

このチュートリアルに必要なすべてのツールとアセットは無料でダウンロードできます。しかしそれらを使用するには、かなり堅牢なコンピュータで少なくとも 36 GB の空きディスク容量が必要となります。ハードウェア要件の詳細については、Unreal Engine のドキュメント をご覧ください。

開始する前に、Epic Games Launcher をダウンロードしてインストール し、Unreal Engine をインストールする必要があります。ランチャーを初めて実行すると、サインインするか、無料の Epic Games アカウントを作成するよう求められます。好きなサインイン方法を選択してください。
Unreal Engine をインストールするには、左側の [Unreal Engine] タブをクリックし、ランチャーの右上にある [Install Engine] をクリックします。Unreal Engine の最新バージョンがインストールされるまで、しばらくお待ちください。ディスク容量を節約するために、必要なコンポーネントのみをインストールすることもできます。

Epic Games Launcher と Unreal Engine をインストールする手順については、このビデオ をご覧ください。
 

オブジェクトをアニメートする方法

Unreal Engine がインストールされたら、マーケットプレイスのシーンを探してそれをエンジンで開きます。マーケットプレイスには、Unreal Engine ですぐに使用できる多くのアセットがあります。オブジェクト、キャラクター、画像、オーディオ ファイルがアセットとして用意されています。
  1. Epic ランチャーで、[Marketplace (マーケット)] タブをクリックします。
  2. [Marketplace] で「Scifi Hallway」と検索します。
  1. アセットが見つかったら、それを選択し、[Free (無料)] ボタン、[Create Project (プロジェクトを作成する)] をクリックします。表示される [Choose Project Name and Location] ダイアログで、フォルダの場所とプロジェクト名を選択し、[Create (作成)] をクリックします。プロジェクトがコンピュータにダウンロードされるまで、しばらく待ちます。
  1. ダウンロードしたプロジェクトを探して開くには、画面上部の [Library (ライブラリ)] タブをクリックします。「Scifi Hallway」プロジェクトがリストに表示されます。プロジェクトをダブルクリックして Unreal Engine で開きます。プロジェクトが読み込まれるまでしばらく待ちます。 
画面の左上に、「LIGHTING NEEDS TO BE REBUILT (ライティングには、再ビルドが必要です)」というメッセージが表示される場合があります。このメッセージは無視しても問題はありません。このメッセージを消したい場合は、[Build (ビルド)] メニュー > [Build Lighting Only (ライティングのみビルド)] をクリックして、ライティングが再ビルドされるまで待ちます (これには数分かかる場合があります)。今後、プロジェクトの作業中にこのメッセージが表示された場合は、同じ手順を実行することでメッセージを消せます。
Unreal Engine には、シーンを表示するパースペクティブ ビューポートと、ビューポートを上、左右、下に移動するためのコントロールがあります。3D モデリング ソフトウェアを使用したことがある方なら、ビューポートとコントロール システムはなじみ深いはずです。

ビューポートには、ライト オブジェクトや反射球体など、多数の非レンダリング オブジェクトが表示されます。
  1. ビューポート内をクリックして G キーを押すと、非レンダリング オブジェクトを非表示にできます。これで、実際にレンダリング可能なシーンが表示されます。
  1. ビューポート ナビゲーション コントロールを試して、シーンを探索してみましょう。
マウスの左ボタン + ドラッグ 前後に移動し、左右に回転します。
マウスの右ボタン + ドラッグ ビューを回転します。
マウスの左右ボタン + ドラッグ 上下左右に動きます。

ビューポート内を移動する方法はいくつかありますが、そのうちのいくつかは使い慣れたものもあると思います。たとえば、標準キーは Maya のものと同様、カーソル キーです。その他のビューポートの制御については、「ビューポート制御」のヘルプ ページを参照してください。
  1. ビューを調整して、外観を下のイメージのようにします。両側に植物があるオレンジ色のドアの方を向きます。
  1. 左側のオレンジ色のドアをクリックして選択します。画面右上の [Outliner (アウトライナー)] ウィンドウで、オブジェクト「Fond_Wall_3 」が選択されていることがわかります。ドアを選択すると、ドアの左下隅に小さな三方向の軸のセットが表示されます。
注:三方向の軸が表示されない場合は、キーボードの W ボタンを押します。すると、三方向の軸が表示されます。

次に、このオブジェクトをシーケンサー モジュールに追加して、アニメートできるようにします。シーケンサーは、ノンリニア エディタと同様に、キーフレーム エディタとして機能します。
  1. メイン ツールバーで、映画のカチンコのアイコンの [Cinematics (シネマティクス)] ボタンをクリックし、[Add Level Sequence (レベル シーケンスを追加)] を選択します。表示される [Save Asset As (アセットに名前を付けて保存)] ダイアログで、[Name (名前)] フィールドの名前をメモし、[Save (保存)] をクリックします。この操作により、シーケンサー モジュールが開きます。
注:シーケンサーを誤って閉じてしまった場合は、画面の下部にある [Content Drawer (コンテンツ ドロワー)] をクリックするか、Ctrl とスペースキー を同時に押すと、再び開くことができます。
  1. シーケンサーで、ウィンドウの左上にある [Track (トラック)] ボタンをクリックします。[Actor to Sequencer (アクタをシーケンサーに追加)] オプションを選び、オブジェクト「Fond_Wall_3」を選択します。検索フィールドにオブジェクト名の一部を入力すると、リスト内のオブジェクトをすばやく見つけることができます。
これにより、ドア オブジェクトのシーケンサーにトラックが作成されます。次は、その位置をアニメートして、ドアを上にスライドさせます。
  1. シーケンサーで、[Transform (トランスフォーム)] の左側にある矢印をクリックして、3 つのトランスフォーム トラックを展開します。Location トラックをアニメートします。
注:再生ヘッドと呼ばれる 0000 のオレンジ色のマーカー。再生ヘッドの現在の位置も、キーフレーム領域のすぐ左側にオレンジ色のテキストで表示されます。
  1. ほとんどのアニメーターは 1 秒あたりのフレーム数で作業するため、デフォルトでは、タイム スケールはフレーム番号として表示されます。 このチュートリアルでは、初心者でも理解しやすくするために、表示される時間スケールを秒に変更します。これを行うには、シーケンサー ツールバーの [Frames Per Second (秒単位のフレーム)] メニューを探します。[Show Time As (指定した形式で時刻を表示)] を選択し、時間表示を [Seconds (秒)] に変更します。
  1. 次に、壁の位置の 0.00 時間にキーフレームを設定します。Location トラックで、[+] ボタンをクリックして 0.00 にキーフレームを追加します。
  1. 次のステップでは、シーケンスの 3 秒後にドアのキーを設定します。まず、オレンジ色の再生ヘッドを 3.00 マークまでドラッグします。
  1. 左側のドアが選択されていることを確認し、ビューポート内のドアの左下隅に三方向の軸を配置します。軸の上向き矢印を上にドラッグして、ドアをスライドさせて開きます。
  1. Location トラックで、[+] ボタンをクリックして 3.00 秒にキーフレームを追加します。
  2. 再生ヘッドをドラッグしてアニメーションをスクラブします。ドアが閉じた状態の 0.00 秒から開いた状態の 3.00 秒までアニメーションが表示されます。おめでとうございます。これでアニメーションが作成されました。
キーフレームの設定方法がわかりました。これで、好きなアイテムをトラックとしてシーケンサーに追加して移動することで、好きなアイテムをアニメートできるようになりました。たとえば、同じプロセス、つまりドアを選択し、キーフレームに移動し、ドアを移動し、キーを設定すると、別のドアを開くこともできます。

では、アニメーションを表示用に出力する方法を見ていきましょう。これには、まずシーンにカメラが必要です。
  1. シーケンサー ツールバーで、[Create Camera (カメラを作成)] ボタン (カメラ アイコン) をクリックして、シーンにカメラを作成します。これにより、アニメーションのフレームを表示できる Camera Cuts トラックを含む、カメラ用のいくつかのトラックも作成されます。
ビューポートが変わり、カメラが見ているものが表示され、左上に「Pilot Active」というラベルが付きます。これは、ビューポート ナビゲーション コントロールでカメラを「操縦」できることを示しています。これらのコントロールを使用すると、レンダリングしたい方法でビューを表示できます。

これで、アニメーションをムービー ファイルに出力する準備が整いました。このシーンを Unreal Engine でレンダリングすると、フレームごとにレンダリングに数分の 1 秒かかります。 
  1. シーケンサー ツールバーで、[Render (レンダリング)] ボタン (スレート アイコンを探してください) をクリックして、[Render Movie Settings (ムービー出力の設定)] ダイアログを開きます。
  1. [Render Movie Settings] ダイアログで、[Image Output Format] が「Video Sequence (avi)」に設定されていることを確認します。 
  2. [Output Directory (出力ディレクトリ)] フィールドの右側にある 3 つのドットをクリックすると、プロジェクトの「Content」フォルダが開きます。
  3. Renders」というフォルダを作成してクリックします。そのフォルダを選択して、[Render Movie Settings] ダイアログに戻ります。
  4. [Capture Movie (ムービーキャプチャ)] をクリックして、ムービーをフォルダにレンダリングします。[Save Content (コンテンツの保存)] ダイアログで [Save Selected (選択を保存)] をクリックして、レンダリングする前にシーンを保存します。
レンダリングが完了するまで数秒かかります。これで、レンダリングされたムービーを見られるようになりました。
  1. Unreal Engine 外で、システムのフォルダ ナビゲーション システム (Windows ファイル エクスプローラなど) を使用して「Renders」フォルダに移動します。フォルダ内のビデオをダブルクリックして、選択したビデオ プレイヤーで再生します。 
 

キーフレーム アニメーションの旅を続ける

アニメーションについてさらに学習を続けるには、上記のシーンを引き続きアニメートするか、Unreal Engine マーケットプレイス から別のものを選んで練習してみてください。また、Epic Developer Community をチェックすることもできます。ここでは、アニメーションに関するコース など、数百時間におよぶ無料のオンライン ラーニングがあります。

Unreal Engine のドキュメントには、アニメーションのシーケンサーの使い方 に関する有益な記事が多数含まれています。アニメーション ハブ や、無料の アニメーション分野のガイド では、アニメーションに Unreal Engine を使用しているプロのスタジオからインスピレーションを得ることもできます。

キャラクターのアニメートを行いたい場合は、リアルタイム キャラクター アニメーション トレーニング ラウンドアップ もご覧ください。

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