今回のインタビューでは、このイギリスのスタジオ White Paper Games が、ゲームの中で魅力的なストーリーを展開するために採用した手法や、開発に役立つヒント、さらには本作の生き生きとしていながらも落ち着いた雰囲気のあるアート スタイルを生み出すためにどのような工夫を行ったかについてお話を伺いました。
Conway:Disappearance at Dahlia View は、心を捉えて離さない観察型サスペンスと評価されていますね。本作のメカニクスとストーリーについてお聞かせください。
デザイン ディレクター Pete Bottomley 氏:Disappearance at Dahlia View は 8 歳の少女の誘拐を軸にストーリーが展開されます。本作にはコアとなる 3 つのループ、観察、捜査、および証拠確認があります。この 3 つのループを駆使して事件解決につなげていきます。
本作では、アート スタイルが White Paper Games のこれまでの作品と少し似てはいるものの、かなり違っているように感じます。このアート スタイルをどのように実現したのか、お聞かせください。
アート ディレクター Oliver Farrell 氏:White Paper Games のビジュアル スタイルは、手描きのテクスチャとスタイライズされた環境を特徴としています。この手法を採用したのは、少人数のアート チームでも高品質のビジュアルを備えるゲームを制作したいと考えたからです。リソースが限られているので、なんとしても、迅速に制作できて、それぞれのゲームが独自性を持つことができる汎用性の高いアート パイプラインを作り出す必要がありました。また、White Paper Game をプレイヤーの皆さんに認識していただきたいと考えていました。当スタジオのスタイルは、こういった各種要件に応えることができるスタイルだったのです。
一作目の Ether One は、鮮明な色のパレットで、形状と構造を強調する線を多用しています。さらに、これが進化した The Occupation では、忠実度の高いテクスチャが描かれ、ワールドの詳細度も向上しました。伝えたかったストーリーの内容から、こういった視覚的な選択が決まりました。The Occupation のワールドを受け入れてもらうため、環境はリアルで、落ち着いた雰囲気の、真実味を感じさせる必要がありました。
Conway のアート スタイルでは、Ether One のスタイライズされた品質と The Occupation の落ち着いた雰囲気のリアリズムを併せ持つスタイルを採用しました。また、当スタジオのスタイルの範囲では独特な感覚をもたらす外部の要素も取り入れています。
Conway:Disappearance at Dahlia View で想定しているターゲット オーディエンスについて教えてください。
Bottomley 氏:殺人ミステリーや探偵サスペンスが好きな方や、 Ether One や The Occupation をプレイしたことのある方はどなたでも、Conway に共感していただけると思います。また、これまでの作品から最も優れていると確信している要素を取り込れ、ストーリーテリングと謎解きの手法を向上させています。
画像提供:White Paper Games
White Paper Games が目指していることの 1 つは、White Paper Games が作り出すワールドからプレイヤーが実世界に戻った後も長く心に残る魅力的なストーリーをお届けすることとのことですが、この目標はプロジェクトの開発にどうように影響したのでしょうか?
White Paper Games は 6 月に創立 10 周年を迎えられましたね。おめでとうございます。10 周年で、3 作品をリリースしていることは、現時点で White Paper Games は業界では確実にベテランと認識されています。新興のデベロッパーや、これからゲームを制作しようと考えているデベロッパーの皆さんに何かアドバイスはありますか?